「ディズニーが目指す"究極のダイバーシティ(多様性)"作品」マレフィセント2 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
ディズニーが目指す"究極のダイバーシティ(多様性)"作品
これはいい意味で裏切られる。前作を超えている。
今年はディズニーの看板タイトル攻勢(「アベンジャーズ」「アラジン」「トイ・ストーリー4」「ライオン・キング」…)に、かなり食傷気味。さらに来月以降も「アナ雪2」、「スター・ウォーズep9」と続く。
そんな中で、地味に映る「マレフィセント」にヤラれた。近年のディズニーが目指す"究極のダイバーシティ(多様性)"作品に仕上がっている。アンジーが主役というのもコンセプトを強く支えている。
もともとはヨーロッパの口伝民話「眠り姫」「茨姫」「太陽と月とターリア」などをモチーフとしたディズニーアニメ「眠れる森の美女」(1959/原題:Sleeping Beauty)の実写化であり、主役を悪の魔女に変えた完全オリジナルシリーズである。
万が一、前作を観ていなくても、まったく問題ない。
妖精の生まれ変わりであるマレフィセントが、人間の子供を育てることによって芽生える"博愛"がテーマになっていたが、"博愛"がさらに普遍性を究めていく。
"人種差別"、"性差別"、"生まれに起因する格差"、"絶滅危惧種の保護"、"環境破壊"、まさに喫緊の対策が必要な社会問題を、たった1本の映画が象徴的に描き切っている。
個人的には、欧州の古典民話に有色人種が出てくるのは好きではない。けれど本作は完全オリジナルであり、続編の展開は自在だ。マレフィセントの出自が妖精ではなく、"フェニックス伝説"という飛躍にのけぞった。
残念ながら3D上映は海外のみ。しかし真っ暗なシーンが多く、3Dにはかなり不利なコンテンツだと思う。
国内上映は2D字幕/吹替、4DX・MX4D字幕/吹替、IMAX2D、DOLBY-ATMOS、ScreenX字幕/吹替がある。まずは2D吹替で観たが、本作は池袋グランドシネマサンシャインの"4DX+ScreenX"ハイブリッド上映が必見だろう。
(2019/10/20/TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/吹替翻訳:瀬尾友子/翻訳監修:James hubert)