「がっかりでした」キャッツ akkemamaさんの映画レビュー(感想・評価)
がっかりでした
ミュージカル大好きで、特に「キャッツ」はベスト3に入るミュージカルで、残念ながら本場のロンドンとニューヨーク公演は見ていませんが、劇団四季の「キャッツ」は1983年の初演以来7,8回は見てます。その分思い入れが強いのか、映画の予告を見てからとても楽しみにしていたのですが・・・。
映画だからストーリーが多少変わるのはしょうがないのですが、あのテンポの遅さには驚きました。舞台版では端役のヴィクトリアをメインに入れたがためのよけいなシーンが眠くて、眠くて・・・。ミュージカルを見て眠くなったのは、初めてです。隣で見ていた友人はほとんど寝てましたね。
四季初演では市村正親さんが演じていたイケメン猫のはずのラム・タム・タガーもどうってことがない普通の猫で、何より四季の舞台で一番拍手が多いアスパラガス(グロールタイガー)の回想の舞台シーンはないも同然で、ミストフェリーズのマジックシーンはとっても地味。どれも平たんで盛り上がりに欠ける。まあ、その分グリザベラの「メモリー」がよけいに素晴らしく感じるのかも。
そうはいっても、映画ならではの船上や街中のシーンは、良かったけどね。一流役者をそろえているのに、なんだかとっても残念でした。ミュージカル映画なんだから、歌とダンスが上手なのは当たり前。ジュディ・デンチの歌は今一つだけど、大御所だからしょうがない?
ストーリーがわかりやすくていいという声が結構あるけど、もともとT.S.エリオットの詩を基に創ったミュージカルだから、ストーリーはあってないような単純なもの。歌とダンスが中心のショーを楽しむミュージカルなんですよ。ロンドンなどのオリジナルに近いところもあるらしいけど、ミュージカルを見て眠くなるようじゃ、ミュージカルとは言えないと思います。「レ・ミゼラブル」は映画も舞台もどちらもとっても良かったのに、どうしたのでしょう、トム・フーパー監督?