「どう楽しめばいいの??」キャッツ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
どう楽しめばいいの??
初めに断っておきますが、私はミュージカルが苦手です。いきなり歌ったり踊ったりすることに必然性が見出せないため、気持ちがついていかず、たいてい退屈で眠くなってしまうからです。しかも本作では、予告で見た猫たちというか、猫人間たちというか、とにかくその姿に若干の気持ち悪さも感じていました。というわけで、本作は正直言って観る予定はありませんでした。
しかし、近年「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」といった良作に出会い、ミュージカルへの印象も少し変わってきました。この機に、超絶有名で名作の誉れ高い「キャッツ」を鑑賞すれば、こんな自分でもミュージカルが好きになるのではないかと思い、不安と期待を胸に鑑賞してきました。もちろんストーリーも、設定も、キャストも知らず、予備知識ゼロでの突撃です。
結果、・・・やはり惨敗でした。むしろ過去最高レベルでつまらなかったです。まず、本作はこれまでのミュージカル映画と比べものにならないほど歌が多く、歌わないシーンはほぼないです。もうひたすら歌い続けていて、なぜ歌うのか、その歌にどんな意味や思いが込められているのか、さっぱりわかりませんでした。
その上、猫たちの見た目がやはり仇になりました。「アバター」では、初めに感じた違和感がいつのまにか消えていたのに、本作では最後まで違和感が拭えませんでした。よく動く耳やしっぽ、全身の毛並み等、リアルな猫に寄せているのに、顔や体形は人間のままなので、ミュータントか改造人間でも見ているような気持ちになりました。
そして、なによりおもしろく感じなかったのはストーリーです。ガスの出番まで、これが猫たちによるアピール合戦だったことさえ、わかりませんでした。そもそも、ジェネリックじゃなかった、ジェリクルキャットってなに?なぜ選ばれて天上に行きたいの?世界観も意味不明でついていけないことだらけでした。
おかげで、開始10分でまぶたが重くなり、以降ずっと睡魔との戦いで、瞬間寝落ちは数えきれません。それでも頑張って最後まで観ていたのですが、大事なシーンやセリフを見落としたせいなのか、作品に浸れず、感情移入も、感動も共感もいっさいすることなく、終幕を迎えました。唯一の救いは、「メモリー」です。この曲だけは聞いたことがあり、情感豊かに歌い上げる「メモリー」を劇場で聴けたことだけはよかったです。
ここまで書いておいてなんですが、本作を否定するつもりはまったくありません。日本の伝統文化である能や歌舞伎や文楽も、今の自分には楽しむことができないように、ミュージカルの楽しみ方のわからない自分には、本作は向いていない作品だったというだけのことです。そういう意味では、本作は観客を選ぶ作品だと言ってもいいでしょう。
momo8さん、共感&コメントありがとうございます。
レビューをあげておられないようなので、こちらに返信します。
ミュージカルファンの裾野を広げる意味でも、ミュージカルが苦手な私たちでも楽しめるような工夫や、舞台版と異なる大胆なアレンジがあってもよかったのではないかななんて思います。
私も字幕版で鑑賞したのですが、吹替版は…やっぱりパスかなぁ〜。
全く同じく(>_<)ミュージカル苦手で予備知識無しで鑑賞。私はガスの登場まで持ちましたが、その後深い眠りに落ちてしまいました。吹き替えでリベンジしようかなぁ~