「ダウントン・アビーの逆襲は痛快」ダウントン・アビー bionさんの映画レビュー(感想・評価)
ダウントン・アビーの逆襲は痛快
いやー、それにしてもダウントン・アビーの逆襲は痛快で面白かった。よかったね、パットモアさん。ドラマ編のその後描いたファンムービーかと思ったら、ゴスフォード・パークに匹敵するくらいよくできた群像劇。
なんといってもドラマ編がめちゃくちゃ面白い。奥方が毎週オンタイムで見てるからなんとなく一緒に見てたら、いつのまにかどハマりしちゃったんです。一癖も二癖もある人間がいっぱい出てくるし、主人公たちをこれでもか、これでもかというくらい不幸のドン底に落とす展開に胸がキリキリして、次の週が待ち遠しくなる。そして、泉ピン子と野際陽子足していじわる婆さんにしたようなバイオレットお母様がいいんですよね。「私、間違ったことありませんから」なんて決め台詞がしびれる。
映画の方は、伯爵一族と執事を筆頭とする使用人たちの階級構造がベースにあって、虎の威を借る王室の家令や料理長が加わり、遺産問題でバイオレットと険悪な関係のあるモードまでやってきて、もう追っかけるのが大変。
アンナの活躍がうれしい。いろいろ大変なことがあったから。アンナが王室付きのデザイナーに対するお灸のすえ方が、小気味よかったし、見事な大岡裁きだったね。メアリーとの関係も主従ではなく、信頼できる友として、お互いを認めあう関係になっていて、新しい時代への変化を感じた。
ボヘミアン・ラプソディーでは、観客を敵に回したポールを演じたアラン・リーチが今回は、おいしいところを持ってたね。よかった。クィーンのファンから憎まれっぱなしじゃかわいそうだから。
今まで見てきたファンへのご褒美はもちろんのこと、北アイルランドやLGBTへ目配せも抜かりなく、アラを探すのが難しいくらいのいい映画だった。見終わった後は多幸感に包まれましたよ。仕事のトラブルでチケットを1回無駄にしたけど、やっぱり見てよかった。
奥方は吹き替えの方を鑑賞。すごくよかったって、感激してました。