劇場公開日 2020年7月24日

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アルプススタンドのはしの方のレビュー・感想・評価

全187件中、161~180件目を表示

5.0名前しか知らない人物に、心からの声援を送りたくなる、希有な作品。

2020年8月1日
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鑑賞方法:映画館

75分という、劇場公開作品としてはかなり短い上映時間の中に、鬱屈とした気持ち、互いを分かり合おうと対話を重ねる姿勢、そして勝利に向かって無我夢中で声を張りあげる姿、その他諸々をみごとに凝縮させた作品。

城定秀夫監督は成人指定映画から青春映画まで、これまで多数の作品を手がけてきており(フィルモグラフィを一読すると、タイトルでおぉっとなってしまう)、そうした作風の幅広さが存分に活かされた作品です。

とりわけ印象に残ったのは、登場人物が誰も、相手の言葉を拒絶していないところ。アルプススタンドの限定された空間で、高校生達(と一人の先生)がそれぞれの思いを抱えたまま座ってるのですが、徐々に言葉を交わし、関わり合うようになります。その過程で、一言では言い表せない鬱屈を彼らが抱えていることが明らかになります。それは本人にとっては生々しい傷で、それを指摘する側にとっても心が痛む行為なのです。しかしどのような言葉であれ、彼らはその言葉を拒絶したり、断罪するのではなく、いったん呑み込むのです。そして呑み込みつつもかかわり合う中で、やがて心境と行動に変化が訪れます。

こうした内面的な変化の演出は、ともすれば冗長になりがちですが、城定監督は自身が編集も手がけることで、全く無駄なく描ききっています。

本作が心揺さぶられる要因として間違いなくあるのは、ここで描かれている高校野球の風景が、少なくとも今現在、叶わぬ「場」であることも間違いなくあるでしょう。

先日、ふとしたきっかけで、たまたま今夏の高校野球地方大会を観る機会を得ました。その会場では客席スタンドへの入場を制限をしており、接触を心配する必要もないほどガラガラ。そして応援演奏や声援も一切なしでした。この作品が凝縮して描いてきた、そしてつい最近まで日本各地で当たり前のように行われていた営みはなくなっていました。そんな「失われた情景」に対する痛切な思いと、日本の多くの高校生達が、現状を受け入れざるを得ない状況であることを思うと、画面内の彼らの一つひとつの動き、語り方に胸が一杯になりました。

 もちろん城定監督もスタッフの方々も、こうした状況は全く予想外のことだったに違いありません。そんな時代の変化の狭間にあって、図らずしも本作は、青春群像劇を超えて、「かつて存在した日本の光景」の映画アーカイブの意味も帯びることになりました。再び日常が戻ってきて、この作品を観た時のなんとも言えない気持ちを、懐かしく思い出せる日が来ると良いですね。必見です!

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yui

3.0設定が………

2020年8月1日
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想像力をどんなに働かせても甲子園には見えない。
なぜ甲子園にこだわったんだろうか。
地方大会の準々決勝くらいならよかったのに。

最初のその設定のおかげで、違和感から最後まで抜け出せなかった

舞台なら甲子園もアリだと思うが……

内容は悪くなかったと思う
でも絶賛というわけでもない
評判いいと聞いたので観たけれど
期待しすぎたかな

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けいちゃん

4.0THE青春

2020年8月1日
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鑑賞方法:映画館

舞台版「霧島部活やめるってよ さわやか編」
野球をやっていた身からして、素人の外野手への私感が笑えた
原作が舞台なので会話劇になるのはしょうがないのだが、映画にする意義はというと多少疑問はあるが80分間退屈はしなかった
個人的にはツインテールの女子がタイプだった

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うんこたれぞう

5.0派手ではないけど、キュンときまくる

2020年7月30日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

甘酸っぱさが直撃する。
可能性が大きい分、未来が不透明で、勝手にイライラしちゃって、何だか無意味な意地をはっちゃったり、つまらぬ嘘をついちゃったり。でも瞬間的に熱く燃え上がれる。何かを決心する時って、意外とこう言う時が多いよなぁ。やはり、一生懸命やった先にしか答えって見つからないんだよなぁ。スポーツ観戦って、やっぱ素敵だなぁ。。。。
そのような事がグルグル巡ったまま、8回を迎え、気付けば応援してる人たちを自分たちが応援していて、でも最終的にはこちら側が応援されてる、という感じ。
とにかく脚本が秀逸。
演劇作品で構成上はシンプルな作品なだけに、良い意味で「自分が監督だったら、こうやって撮るな」なんていう想像も働かせることができる、楽しくも素敵な作品。

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たく

4.0大人にもひびくなー。

2020年7月30日
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鑑賞方法:映画館

上映時間は短いけどメッセージ性はばつぐん。歳重ねた大人がみても響いたなー。どんだけしょーがないで人生過ごしてきたことか…。やることが大切、ってね。

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peanuts

3.5全力ストレート

2020年7月30日
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鑑賞方法:映画館

青春を速球勝負で描いた映画。

原作の演劇にリスペクトを持った演出が心地良かった。

ツッコミどころも多いが、そこがまた愛しく思える。

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shsy

4.0誰もが経験するシチュエーションでこんなに広がる物語

2020年7月30日
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鑑賞方法:映画館

このシチュエーションは誰しもが経験するものかと思います。
高校野球の地区予選の応援。あまり乗り気のない生徒の応援。
それが徐々に感化されていきます。
物語は自然に、そして静かに展開していきますが、それがゆったりとして心地いい。
これがこの映画のよさ。
そして応援することからの自分事への思いと考え。
確かにテーマは他の映画の様に壮大でもない。カットも派手ではない。
かといって不自然でもない。
ちょっとしたテーマや疑問からここまで広がってくるストーリーは秀逸です。
観終わった後にすがすがしい気分にさせてもらいました。
お勧めします。

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ごぶさん

5.0「秀作中の秀作」

2020年7月30日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

高校野球のアルプススタンドを映してそれに伴なう人間ドラマがとにかく見所。秀作中の秀作。

自分は高校時代サッカー部だったが同じクラスにもちろん野球部はいて、修学旅行に野球部が夏の大会に出ていたから1日遅れで合流するとか、サッカー部、野球部でお互い頑張っていて今思えば、あれが青春だったなあと当時を思い出す映画でした。

最近3年半で400本近く映画館で映画見てきて、人生NO.1映画が2017年2月に見た「僕は明日、昨日のきみとデートする」で「パラサイト」も超えられないし、3年半ずっと「僕明日」が一番だったのですが、今日NO.1映画が入れ替わりました。
今作が一番です。

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ヨッシー

3.5低予算ならではのおもしろさ!

2020年7月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

知恵の詰まった、メジャー映画にはないおもしろさのある作品でしたー。

青春映画好きにはぜひオススメ。
ただし、野球好きじゃないと伝わらないおもしろさなので、野球に詳しくない人にはオススメしないです。

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一言レビュー

4.0暑苦しくなくて良い

2020年7月29日
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高校野球を題材にしてるのにグラウンドが全く映らずタイトルどおりスタンドの片隅だけで物語が進行する異質の舞台仕立ての作品。

生徒達のやりとりも、舞台っぽいけど藤野役の平井亜門以外は現役高校生世代の子を起用してるからか、さほど違和感無くすんなり受け入れられた。

最初は暑苦しく思えた厚木先生(目次立樹)も次第にグラウンドの熱気の代弁者として物語の潤滑油になっていて良い感じだった。

努力だけが取り柄の控え選手・矢野君が最終的にプロ入りを果たすなんていうのも夢があって良いじゃない。

物語の中で繰り返される「しょうがない」という台詞を象徴してる送りバントのくだりも人生訓のようでなかなか深いと思えた。

お馬鹿キャラで売っている黒木ひかりが学年トップの久住役。だけど、おバカなところなど微塵も感じさせず、しっかり優等生になりきっていた。まあ、本当におバカだったら主要キャストに起用されないよね。

学校一の秀才・宮下役のラストアイドル・中村守里も凄く可愛かった。

全体的には舞台が好きな人向けだとは思うけど、そうじゃない人も見て損は無いなかなか興味深い作品。

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藤崎修次

5.0青春デス

2020年7月29日
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鑑賞方法:映画館

最後には園田くん矢野くんが自分の中にいる

彼女、彼らの心の機微をイヤミなく伝えてくる描写が素晴らしい。四人がメインだけど
久住さんの心理、変化の表現がうまい。

舞台版で観てもきっと笑ったり泣いたりだろうなあ。
映画としては映画でしか出来ない場所の移動やカメラ角度、画角が絶妙で文句なく傑作。

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らっこおやじ

4.0演劇見てるみたい

2020年7月29日
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と思ったら、やはり、
演劇を映画化だったのですね。

甲子園特有の吹奏楽。

聞いてて小気味良かったです。

女子校でしたが、
共学の雰囲気味わえました。☆彡

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花

5.075分ぴったりの満足いく構成、演出

2020年7月28日
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メインの高校生4人の微妙なズレ感の前半を、終盤にかけて周り人々を含め熱気とユーモアある回収。
シーン、セリフに無駄がなく75分間ぴったりの内容で集中して鑑賞できました。
特にラストが思わずニヤリとします。
また、グラウンドや野球シーンはバッサリ省略していますが、試合の流れや声援の盛り上がりがうまく描かれており4人の群像劇の流れとマッチしていると思います。

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mahi mahi_ryder

4.0補欠の青春をド直球で投げ込んでくる

2020年7月28日
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鑑賞方法:映画館

甲子園のスタンドで母校を応援する高校生たちを描いた物語。元々は高校の演劇部が演じていた脚本だったとのこと。野球のシーンは出てこないし、映るのも座席か通路のみ。たしかに舞台っぽい。
何かを持っているような者でも悩みを抱えているし、何かを持っていなくてもがんばった者だけに結果はついてくる。そして表に立つ者もいれば、裏で支える者もいる。そんなことを直球で訴えてくる、いい話だった。特にラストがいい。思わずニヤッとする仕掛けだ。
もちろん難点もある。甲子園のスタンドには見えないし、応援しているエキストラが高校生に見えなかったり。それでも本作の魅力は損なわれない。

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kenshuchu

4.0矢野

2020年7月27日
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‪アルプススタンドのはしの方 良かった 友情とか愛情とか なんとかかんとか 分けなくていい夏の日 そんなのが 青春と言うのかもな
矢野になれなかった全ての人に それでも いいと言ってくれる‬

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sunaf

4.0これははしの方で繰り広げられる、ど真ん中の青春映画だ!

2020年7月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

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松王○

3.5設定の妙

2020年7月27日
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設定がユニークです。「しょうがなくない」というメッセージもほかの設定でやっていたら、観客にはあまり届かなかったかもしれないけど、この設定だからこそ、ハマったという気がします。

主要人物の少女たちをムリにかわいく見せなかったという点も良かったです。あ、吹奏楽の部長はかわいかったです。

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寒村

4.5喉を潰してでも、大きく声を出して応援したくなる素敵な映画

2020年7月26日
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鑑賞方法:映画館

あー、なんともったいない!

ひとりでも多くの人に『8番センター矢野』の晴れ姿を想像して欲しい。
公開館数とか世間一般の方々への周知度合いを想像して、見終わった瞬間、そう思いました。

(個人差があると思うので、あくまでも私の場合ということですが)20代後半から30歳頃を境に、仕事や人間関係において発生する様々な障害を〝まぁ、しょうがない〟と割り切ることで、ものごとを先に進めることが増えました。
起きたことは大抵取り返しがつかないことばかりなので、仕方がない、と現状を受け入れることで再スタートを図ったほうが合理的だし、結果的にうまくいくことが多かったのも事実です。

〝大人になる〟ということの一面は、そうやって、目の前のものごとにおいて、部分的に諦めたり、折り合いをつけることへの抵抗感が抑えられるようになることであり、抵抗感そのものが段々と薄れていくことでもあるので、平和な日常を送る方法としては〝しょうがない〟ことでもあります。

青春ってなんだろう?
という、人によって答えが違う、正解のない問いかけがありますが、『どんな形であってもチャレンジする舞台や機会を諦めないこと』というのも特徴の一面としてあると思います。ひとつのことにいつまでもこだわり、うじうじするのは、青春時代の特権のひとつ(大人になると個人的な葛藤でうじうじしているヒマも与えてもらえなくなります)。

大人の社会に適合して、そこそこうまく生きていけるようになる、ということは大抵のことにおいて、情緒的な倫理観よりもコストや時間において合理的な判断や選択をすることへの抵抗感が薄れるということでもあると私は思います。

この映画はそのあたりをど真ん中のストレートで攻めてきます。

・10代、20代の若者にとっては、日頃からモヤモヤするけれどうまく言葉にできない感覚の正体を教えてくれる。
・人生百年時代を迎えた大人にとっては、(今は妥協の毎日だけど)リタイア後にもう一度、何か諦めずにチャレンジしてみるのも悪くないな、とひとつの希望らしきものを抱かせてくれる。

世代を問わず、心のリフレッシュと活性化をもたらしてくれる素敵な映画だと思います。

【備忘録として追記】

ここ数年を振り返って、いろんな人に勧めたい超極私的な青春三部作。

本作品
殺さない彼と死なない彼女
桐島、部活やめるってよ

【余計なお世話な追記】

コロナの第二波で外出を控えざるを得なくなり、時間の過ごし方で悩んでいる方への番外編的なオススメ。

〝自意識過剰三部作〟➕〝観てから読むか、読んでから観るか〟

愛がなんだ
勝手にふるえてろ
いなくなれ、群青

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グレシャムの法則

4.5ふつうの高校生のふつうの話だけど・・

2020年7月26日
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鑑賞方法:映画館

人には立つべき舞台が必ずあり、その舞台で好むと好まざるにかかわらず何らかの役割を演じる必要性に迫られる。
その舞台を放棄して降りてしまうのか、端役でも頑張って全うするのかは自分次第、誰も強制したりはしない。
だけど、頑張ったものにしか見えない風景は必ずある。途中で舞台放棄したものには間違っても見えない風景、その風景を見るために無私で頑張れる人間になりたい。

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ちゆう

4.0はしの方だけどど真ん中!

2020年7月25日
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笑える

幸せ

甲子園の熱闘の傍ら、自身の学校を応援するでもなくアルプススタンドのはしの方でダベる生徒達の話。

演劇部の女子2人と元野球部の男子一人に優等生の女子1人から話は始まり、熱血応援教師のチャチャをはさみつつ、舞台劇っぽいハズしトークを繰り広げて行くけれど、応援席のど真ん中にいる吹奏楽部部長を絡めつつ、悩みや抱えている想いに纏わる青春トークになっていく。

グラウンドが映されることはなく、舞台をそのまんま映像にしただけのほぼ会話劇だけど、気付いたら胸熱に!

泣きこそしなかったけれど、割りとどころか相当面白かった。

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Bacchus