劇場公開日 2019年11月1日

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「静かな静かな映画。得るものは大きい」最初の晩餐 CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5静かな静かな映画。得るものは大きい

2019年11月15日
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鑑賞方法:映画館

静かな静かな映画。
子連れどうしが不倫で一緒になった家族を、子供の視点から描いた作品。亡くなった父親の通夜に、母親が作る料理は、父親との記憶を呼び起こすものばかりだった、という話。

基本的に、台風の中で通夜が行われている一軒家での室内劇。しかし、回想に出てくるシーンは、抜けるような空、輝くような田園、鮮やかな紅葉と、日本の美しさオンパレードで、気持ちがいい。

最初に書いたように、限りなく静かな映画だが、子供3人のうち、ある日突然出て行った兄がなぜ出て行ったのかを謎解くような形で後半は進むので、飽きることなく見終わった。

子連れ再婚なので、溶け合えない感じが、徐々にこなれて来た頃に、兄が突然家を出るので、残された妹弟は、家族のイメージを今一つはっきり持てないままでいる。そこへ兄が帰って来て二人が当時の真相を聞くのを観て、俺も家族のイメージをぼんやりと掴めた感じがした。

普段当たり前に暮らしていると気づきにくいことを、不倫での子連れ再婚という "大きく振った状況" で見せて気づかせてくれる。これもまた映画の醍醐味だなあ。

楽しめました。

染谷さん、戸田さん、窪塚さん、斎藤さん、永瀬さんと圧倒的に上手な人々なので、安心して観ていられました。ただ、俺は、斎藤さんの演技は好きじゃないんだなと、ふと気づきました。余計な話ですが。

森さん、18歳なのに、小学生の役、やれてましたね。驚きでした。

CB