劇場公開日 2022年2月11日 PROMOTION

ウエスト・サイド・ストーリー : 特集

2022年2月4日更新

【いまこそ観てほしい映画はこの1本】
オスカー最有力候補×スピルバーグ新作×心に残る恋愛
「ウエスト・サイド・ストーリー」7つの必見理由

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この映画にいま、出合えてよかった――。心からそう思える1本がある。2月11日に劇場公開を迎える「ウエスト・サイド・ストーリー」だ。

本作は過酷な宿命に翻弄されながらも、真実の愛を貫こうとする男女の姿を描いたラブストーリー。巨匠スティーブン・スピルバーグがミュージカル映画に初挑戦し、ゴールデングローブ賞の作品賞をはじめ各映画賞を多数受賞したほか、アカデミー賞では7部門にノミネートされている話題作。

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ゴージャスな歌とダンスに胸躍らされ、エモーショナルな愛のドラマに感情を揺さぶられ、「異なる立場を超えて手を取り合えるのか?」という現代的なメッセージが心に響く。まさに、映画館でこそ最大のポテンシャルを発揮する“いま見るべき映画”なのだ。

本特集では、「ウエスト・サイド・ストーリー」の魅力を7つのポイントに分けて紹介。映画&舞台に精通するライターによるレビューも掲載する。


【予告編】ひとつになれない世界に、愛し合える場所はあるか?

ここが必見①:禁断の恋に落ちた男女の運命…切なく、エモさ抜群のラブストーリー

見つめ合った瞬間、運命を感じた。それが許されない恋であろうとも――。「ウエスト・サイド・ストーリー」は、切なくも誰もが共感できるラブストーリーだ。

敵対するグループの関係者である男女が、数々の試練に直面しながらも諦めず、愛に生きようとする姿には、涙を流さずにはいられない……。予備知識なく楽しめる王道の設定でありながら小さくまとまることなく、街全体が舞台になるスケール感やうっとりするミュージカルシーンなど、目も耳も心も大満足できる良質な作品だ。

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ここが必見②:監督はあのスティーブン・スピルバーグ! 伝説のミュージカルに挑む

世界中で知らぬ者はいない巨匠、スティーブン・スピルバーグ監督がどうしても撮りたかった作品が、この「ウエスト・サイド・ストーリー」。伝説のミュージカル作品を自らの手で再映画化するにあたり、なんと約5年もの月日をかけて脚本を制作!

キャスト選びや画面の作り込みなど、徹底的にこだわり抜き、いまを生きる観客が「自分たちの物語」として受け止められる作品へとアップデートを図った。「E.T.」「ジョーズ」「レディ・プレイヤー1」など、誰も見たことがない傑作を次々生み出してきたスピルバーグ監督による全く新しいミュージカル、劇場で体感しなければもったいない!


スピルバーグ監督のインタビュー映像


ここが必見③:「Tonight」ほか名曲の嵐! カラフルでゴージャスなダンスも満載

心を奪われる美しいミュージカルシーンが次々と展開するのも、本作の大きな魅力。主人公のトニーとマリアの歌声が重なっていくしっとりとした「Tonight」や、色とりどりのドレスに身を包んだ女性たちが町中を練り歩きながら歌とダンスに身を任せるアップテンポな「America」など、多くの人々が耳にしたことがあるであろうなじみ深い名曲たちが、観客をどんどん物語の中に引き込んでいく。映画に没入する喜びをフルに感じられる作品なのだ!


名曲をおさめた特別映像


ここが必見④:きっとあなたも好きになる!キャラクターがとにかく魅力的

映像や物語の完成度が高くても、キャラクターが魅力的でなければその魅力は半減してしまうもの。その点、「ウエスト・サイド・ストーリー」は生き生きとしたキャラクターの宝庫!

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過去の罪を悔い、正しく生きようとするトニー(アンセル・エルゴート)と恋に落ちたマリア(レイチェル・ゼグラー)を中心に、マリアの兄でトニーを目の敵にするベルナルド(デビッド・アルバレス)とその恋人アニータ(アリアナ・デボーズ)といった個性豊かなキャラクターが入り乱れる。全員に共感できる人物描写が見事だ。

なお、マリア役を射止めたゼグラーは、3万人のオーディションを勝ち抜き、ディズニー実写版「白雪姫」のヒロインも演じることになった逸材。そして、アカデミー賞10冠に輝いた61年版「ウエストサイド物語」でアニータを演じ、アカデミー賞助演女優賞に輝いたリタ・モレノが特別出演! トニーやマリアを見守るキーキャラクターのバレンティーナを抜群の存在感で演じきっている。

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ここが必見⑤:ゴールデングローブ賞ほか映画賞を多数受賞! オスカー獲得も確実視

「ウエスト・サイド・ストーリー」は、賞レースでも特別な存在。第79回ゴールデングローブ賞では、作品賞(ミュージカル/コメディ)、主演女優賞(ミュージカル/コメディ)でレイチェル・ゼグラー、助演女優賞でアリアナ・デボーズが受賞、3冠を獲得し、トップタイの結果を残した。

SAG(全米俳優組合)賞では助演女優賞にノミネート。第94回アカデミー賞では7部門にノミネートされており、受賞への期待が高まる(授賞式は現地時間3月27日)。

そのタイミングで劇場観賞できるのは、まさに絶好機といえるだろう。ぜひ歴史の目撃者になってほしい!

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ここが必見⑥:世界で絶賛相次ぐ! オスカー10冠のオリジナルを「超えた」の声も

「ウエスト・サイド・ストーリー」は、1957年に世に放たれ、世界中で愛され続けている伝説的ミュージカルの映画版。1961年の映画化「ウエスト・サイド物語」はアカデミー賞10冠という驚異的な記録を残しており、今回のスピルバーグ監督版を見る前は、厳しい目にさらされることもあったという。だが、ふたを開けてみれば、批評家・観客共に絶賛の嵐。

全米最大規模の批評サイトRotten Tomatoesで93%フレッシュの高評価を叩き出し、「60年の時を超えて最多ノミネートの期待高まる!」(ニューヨーク・タイムズ誌)、「オリジナルの偉大さをさらに超えた!」(サンフランシスコ・クロニクル紙)と激賞された!

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ここが必見⑦:心にずっと残り、誰かと語りたくなる! 驚きに満ちた深いストーリー

世界中を熱狂させている「ウエスト・サイド・ストーリー」だが、本作は“ただのラブストーリー”ではない。驚きの展開が待ち受けており、見終えた後もメッセージ性やテーマ性が心に残り続ける“深み”も備えている。

だからこそ各映画賞に受賞・ノミネートされているわけで、観賞時にはスピルバーグ監督が込めた「いまの社会に通じる」熱い想いに心を動かされ、見終えた“ファン”同士で語り合いたくなってしまうことだろう。

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なお、日本語吹き替え版にはトニー役に宮野真守ほか、超豪華なメンバーが集結。字幕版と吹替版、何度でも楽しむことができる。ぜひ2パターンで、この極上のエンターテインメントを心ゆくまで味わっていただきたい。

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いまを生きる私たちに向けた、深いメッセージに感涙!
女性ライターが語る「見てほしい理由」【レビュー】

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往年の名作をアップデートし、“いまの映画”へと進化を遂げた「ウエスト・サイド・ストーリー」。そんな本作のスゴさを、映画ジャーナリスト・若林ゆり氏が深掘りする! 国内外の映画・舞台に精通し、映画.comで「舞台.com」を連載中の目利きのプロは、本作のどこに感銘を受けたのか? 映画館に足を運ぶ際のガイドとして楽しんでいただきたい。

※以下、若林氏の寄稿

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「ウエスト・サイド・ストーリー」を再映画化する。こんな大それたアイディアを打ち出し実現できてしまうフィルムメイカーは、世界中どこを探したってスティーブン・スピルバーグくらいのものだろう。

なにしろ1957年にブロードウェイで上演され、1961年に映画「ウエスト・サイド物語」として公開された本作は、“ミュージカルの概念”を根底から覆す大事件であり大革命。ロマンティックで楽しい展開が当たり前だったミュージカルにショッキングな社会問題とリアルな感情をぶち込み、圧倒的な名曲・名振付・名演出・名演技で若者たちの心を鷲づかみにした、名作中の名作だ。いまなお熱狂的なファンの多いこの金字塔に挑むのが、どれほどの自信と覚悟を必要とすることか。

しかし、それをやってのけるのがスピルバーグだ。

筆者自身、すべてのナンバーを覚えているほど舞台も映画も繰り返し見てきたファンだけに、正直、見る前は不安もあった。そして、待っていたのはそんな不安を吹き飛ばされる快感。見ている間中感じていたのは「スピルバーグはこの作品を心底愛しているんだな、作りながら楽しくてしかたなかっただろうなぁ」ということだった。さらに「なぜ、いまこの作品を自分の手で作りたかったのか」がはっきりと伝わってくる。

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スピルバーグは10歳のころ、この作品のブロードウェイ・オリジナルキャスト盤のレコードを聴き、虜になったという。今回も「'61年の旧映画版リメイクではなく、オリジナル舞台版の再映画化だ」と強調しているが、やはり旧映画版への敬意とオマージュ、「超えたい」という思いは隠せない。ロケーションに振付、衣装、語り口も、びっくりするほど旧映画版を意識した部分が多いのだ。しかしスピルバーグ版の特性は、そのリアリティと現代性にある。

旧映画版に欠点があるとすれば、それはプエルトリコ移民を演じた俳優(リタ・モレノ以外)の多くが実際にはヒスパニック民族ではなく、白人が肌を浅黒く塗って演じているということ。今回はシャークス全員が実際にラテン出身者だし、その口からスペイン語がバンバン飛び出す。

そしてジェッツとシャークス、それぞれの窮状や差別意識の醜悪さを具体的に描くことで、ドラマが深みを増している。スラム街が資本主義による再開発でどんどん潰され、彼らは行き場を見失い、追いつめられていた。移民問題に人種差別、経済格差、宗教やジェンダー問題など、「分断」が深まる一方である“今”のアメリカだからこそ、物語の根源、その虚しさを訴える意義がくっきりと浮かび上がってくるのだ。「ドクの店」のドクと結婚したプエルトリコ出身の未亡人としてリタ・モレノが登場することも、魔法を呼ぶ。

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そしてもちろんスピルバーグの画面設計は一瞬一瞬がため息ものだし、彼が「ミュージカルをやりたい」という念願を叶えた、渾身のソング&ダンス場面は見応えたっぷり。どのシーンにも新しさと一流のプライドが見て取れるが、なかでも最高なのが、アニータ(魅力あふれまくりのアリアナ・デボーズ)たちプエルトリカン女子とベルナルドたち男子が掛け合いをする「アメリカ」。旧映画版では屋上だったシーンが、街へ繰り出してもうカーニバル状態! そのダンステクニックのパワフルさ、熱っぽさは大画面で味わってこそ。

オリジナルのすごさはいま見ても痺れるし、けっして色あせていないから。ただ、そこに現代性をもたらして「“今”見るべき映画」に生まれ変わらせ、オリジナルに「引けを取らない」傑作に仕上げたスピルバーグに、心からの拍手を送りたい!(若林ゆり)

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