ウエスト・サイド・ストーリーのレビュー・感想・評価
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スピルバーグ監督が再映画化
1961年に映画化されたミュージカルを スピルバーグ監督が再映画化。 ミュージカル映画はスピルバーグ監督には珍しいですね。 懐かしい有名な曲を久しぶりに聴けて満足。 やっぱりバーンスタインの曲はいいですね。 3万人のオーディションで選ばれたマリア役のレイチェル・ゼグラーが 美人じゃないけど可愛いプエルトリコ人を熱演しました。
今この時代に観るにはキツイ。
シェイクスピアのロミオ&ジュリエットを原案にしたウエストサイド物語をさらにリメイクしたもの。最新の映像技術でこの内容をハメられるとキツイ。内容の古さが浮いてしまって違和感しかない。 アリアナ・デボーズは良かった。それだけ。
ああトニー、どうしてあなたはトニーなの? 踊る阿呆に歌う阿呆、阿呆は死ななきゃ治らない。
1950年代、都市の再開発が進むニューヨークのウエストサイドを舞台に、対立する2つのギャングの抗争と、その争いに翻弄される若き男女の恋愛を描いたミュージカル・ラブストーリー。
監督/製作は『インディ・ジョーンズ』シリーズや『ジュラシック・パーク』シリーズの、巨匠スティーヴン・スピルバーグ。
主人公である元ギャングの青年、トニーを演じるのは『きっと、星のせいじゃない。』『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴート。
👑受賞歴👑
第94回 アカデミー賞…助演女優賞(アリアナ・デボーズ)!
第79回 ゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)…作品賞/主演女優賞(レイチェル・ゼグラー)/助演女優賞!✨✨
第27回 放送映画批評家協会賞…助演女優賞!
第75回 英国アカデミー賞…助演女優賞!
原作はシェイクスピアの有名な恋愛悲劇「ロミオとジュリエット」(1597)から着想を得て制作されたブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド物語』(1957年初演)。
1961年にも映画化されており、本作の製作総指揮も務めているバレンティーナ役のリタ・モレノ(御年91!)はこの1961年版ではアニータを演じている。またこの時の演技により、彼女はプエルトリコ系として初のアカデミー賞助演女優賞を獲得した人物となった。
スピルバーグは10歳の頃に初めて『ウエスト・サイド物語』のLPを聴き、その楽曲に魅了されたという。
少年時代の思い出の作品であり、それを映画化したいという思いをずっと抱き続けていたスピルバーグだが、75歳にしてついにその宿願を果たしたのである。おめでとう🎉
2021年に死去したオリジナルクリエイターの1人である作詞家・スティーヴン・ソンドハイムもこの映画の完成に立ち会えたというし、リタ・モレノも再び『ウエスト・サイド』に出演する事が出来た訳だし、再映画化における最良のタイミングにギリギリ間に合ったという感じですね〜✨
あらゆるジャンルの映画を制作してきたスピルバーグだが、意外にもミュージカルは初。
初めてでこのレベルのものが作れるってどんだけ天才なんだよおい…。改めてスピルバーグの恐るべき才能と能力を見せつけられた。
音楽、ダンス、歌、役者、映像、セット、ロケーション、カット割…。何から何まで世界最高レベル。公開から2年しか経っていないが、すでにクラシックと呼んでも差し支えがないほどに堂々とした映画である。
奇を衒らった演出やストーリーに頼らず、がっぷり四つの横綱相撲のようなシンプルな強さで一気に押し切る。
いやぁ見事。こんな芸当が出来るのは今やスピルバーグだけなんじゃないでしょうか。
とまぁ凄い映画だとは思うんです。ただ、個人的に好きかどうかはまた別問題な訳で。
そもそも私、ミュージカル自体そんなに得意じゃない。「歌と踊りはわかったから早く物語の続きみせてーな」とか思っちゃうタイプ。
また、今回初めて『ウエスト・サイド物語』に触れたので、ブロードウェイ版や1961年版に対する思い入れも一切無し。
ストーリーも碌に知らない状態で鑑賞した今作。素直な意見を言わせてもらえば「信じられん馬鹿共だヨ!!」、その一点である。
ストーリーに重きを置いた映画ではないということは重々承知しているし、これが人種間対立とそれに起因する暴力、多重化する差別構造、そして若者たちのやり場のない苛立ちを表したアレゴリーであることは理解している。
しかしですね。舞台演劇なら良いのかも知れないけど、より具体的でリアルな”映画”という媒体では、この物語はあまりにも陳腐に見える。
だってこれたった2日の間に起きた出来事なんですよ!!いやいや、短期間の内に燃え上がりすぎだろぉ…。
目と目が合った瞬間ストンと恋に落ちるというのも「そんな訳ねぇだろ」と思っちゃうし、兄貴を殺したっつーのによくおめおめと妹の前に顔出せるなトニーよ、そしてそんな男とよくセックス出来るなマリアよ、とか、そういうあり得ない事が目につきすぎて全然物語に入って行けなかった。
恋人が殺された直後のアニータに対して「でも私はあの人が好きなのよぉ〜〜🎵」って…。おいマリアよ、お前なぁ…。
ロマンチックな恋愛悲劇であることは認めるが、トニーの行動が短絡的過ぎて、彼が死んだ時も「うん、まぁ自業自得だな」くらいにしか思わず。
トニーとマリアの、絵に描いたような情熱的な恋愛を飲み込めるか否かでこの映画の評価は分かれる気がする。私は全然ダメでした🙅🏼
あとこの世界線のニューヨークの警官の無能さに呆れる。「ウエスト・サイドを全面封鎖だっ!」とか言っておいてガバガバじゃねぇかおいっ!!
まずバレンティーナのお店に警官を向かわせろよっ…。ホシの職場を張るのは基本でしょうに。全然人手が足りてないっぽいけど、4人くらいしか警官いねぇんじゃねえのこのNY…?
こういう点も、多分舞台劇だと気にならないんだろうが、映画だとすっごく気になっちゃう。
ジェッツとシャークスの奴らも、お互いに本当にバカでもうどうしようもない。勿論、多感な若者のやり場のない感情と活力が暴走していく危険性を示す事がこの物語のキモなんだけど、どいつもこいつも全然好感が持てなくて、終始「別にこいつらがどうなってもどうでも良いよ…」という感じで観ていた。
これもまたちょっと気になっちゃうところなんだけど、このNYには半グレじゃない本物のギャングはいないんだろうか。デ・ニーロとかパチーノとかジョー・ペシみたいな、マジにヤバい奴らの存在が全く描かれていないことにも違和感が…。って、今更『ウエスト・サイド物語』のストーリーにとやかく言ってもしょうがないんだけどね。
確かにミュージカルシーンは素晴らしい!
体育館でのマンボや、プエルトリカンの怒りや苦悩を陽気に歌い上げる「アメリカ」、トニーとリフの決別シーンである「クール」など、そこだけを何度も見返したくなるシーンは沢山ある。
楽曲の良さは認めるが、ただやっぱり150分オーバーは流石に長い。歌の良さ、踊りの良さではカバーし切れない冗長さがあった。
それと、まぁこれは比べるもんじゃあないのは重々承知で述べるが、本作の後に公開されたインド映画『RRR』(2022)、これも人種間の対立をダンスバトルで表現していたが、どっちが凄いかと言われると確実に『RRR』の方が凄い。『RRR』の方を先に観ていたことで、本作のミュージカルシーンのインパクトが薄れてしまったというのは間違いない。
という訳で、個人的にはイマイチ乗り切れず。
ただ、有名な『ウエスト・サイド物語』がどういう作品なのかを学ぶ事が出来たという点で、本作を観た価値は大いにあった。
スピルバーグがミュージカル初というのは先に述べたが、実は本作でマリアを演じたレイチェル・ゼグラーはこの作品が映画初出演。彼女、ミュージカルが初めてとか初出演とかじゃなくて、映画出演自体が初めてなんです。初めてでこの演技って、凄いとかそういう次元じゃない。演技力は抜群だし歌唱力も凄い、おまけに見た目もキュート。すごい逸材が出てきたもんやで…。
彼女は2025年公開予定の実写版『白雪姫』で、白雪姫を演じる事が決定している。南米にルーツがある彼女が白雪姫を演じるということで、また無益な論争が起こるであろうことは想像に難く無いが、馬鹿馬鹿しいゴタゴタに神経を擦り減らす事なく、女優として大きく成長していってほしい。
前半は間延びするけど…涙
舞台、前回の映画は未鑑賞ですが、有名な作品なのでメインの数曲とストーリーの大筋は知っている状態で鑑賞しました。 それでも「えっ、この歌もこの作品のだったの?」と驚く曲があり、私自身は世代ではないですが、耳に残る名曲が多く、歌い継がれているんだなと感じました。 一曲一曲が長いのと、セリフは少なく、町、移民、ジェッツとシャークス、少年達のこれまでや今をナンバーで語るシーンが多く、若干間延びしていますが、最後の1時間は一気にストーリーが進み引き込まれます。 そして、舞台のように脚元が安定した場所ではない屋外やセットの中であれだけのパワフルなダンス…終始見応えありました。 ちょっと古びたような映像加工や、ジェッツは青、シャークスは赤、登場人物の来ている色をチーム分けているのですが、その衣装も一人一人色味が絶妙で、観ていて楽しかったです。 前知識はあまりなかったですが、舞台や前作の写真をみる限り、脇役の中ではアニータが1番ポイントなんだろうと思っていました。 初めてちゃんと鑑賞した今作、やはりアニータがよかったです。 どこか中立公正、鑑賞している私たち視点な考え方を持っていたりして共感できます。マリアのよき姉的存在、愛情と人情に溢れた女性でした。 決闘後、マリアに「愛についてあなたが1番よく分かってる」と懇願され、受け入れた時のアニータが印象的です。 その後、ジェッツ団に絡まれた勢いで、つい嘘をついてしまう…人間だし、そりゃそうなるわと思います。 間延びしたと書きましたが、結局最後は泣きました。 途中までは、トニー、ベルナルド、リフを中心にして少年たちの抗争や葛藤、時代背景をみる映画でしたが、後半は、最後に残された女性2人、それぞれの愛の物語を観てるような感覚になった作品でした。
良作のミュージカル映画
ネタバレあり
昔の未鑑賞
予備知識はロミジュリかな?って程度。
アニータが強い女で好きや!
体育館でのダンスがすごいよかったな〜〜。
アメリカもよかったな〜〜。
男性陣のダンスうますぎて驚き。
指パッチンがなんかダサいけど悪っぽくてよかったよ。
がっっっつりロミジュリでラスト悲しくなったからちょっと下がるけど、
踊りがよかったからまた見たい。
22.3.30 映画館
スピルバーグはスピルバーグだった
と冒頭シーンから思いました。なんだろうなあ、陰影の使い方、光の加減、パンの速度や角度、色合い、音(BGMや効果音)の入れ方など、スピルバーグ作品のいろいろが頭を駆け巡っていきました。定番ミュージカルでもスピルバーグはスピルバーグなんだなあと感じた次第です。 作品自体は存在は知ってます。BGMもだいたいは知ってます、ロミジュリのアレンジでしょ?程度の知識しかない状態、細かいどころか大雑把な話も知らない状態で鑑賞しました。なお、ミュージカルは苦手でしたが、やっぱり苦手で終わりましたw 配役の皆さんのダンスシーン、歌唱はすごいと感じましたよ。マリア役の子、特に圧巻でした。
元祖と違って眠くならず
1961版は午前10時の映画祭かなんかで映画館で観た、1981年生まれ。
音楽は趣味のフィギュアスケート鑑賞とか、部活の演奏会で演奏したとか、ドラマgleeで聴いたとかで、大体知ってる。マンボとアメリカが好きよね。
1961年版は途中眠くなったのを覚えてて、多分ベルナルドとリフが死ぬあたりがだいぶあやふや。あと、警官がもっともっと感じ悪かったイメージ。ベルナルド役の人がロシュフォールの恋人たちに出てたので、お久しぶりって気分になった位?あんまり覚えてない。
で、2021年版は、音楽以外の記憶が薄かったものあり、新鮮に見られた。そして、ロミジュリもそうやけど、出会って終わるまでのべ2日なのにびっくりした。
ダンスパーティで出会った翌日の夜にトニーは死ぬんだもんね…
トランスジェンダーと思しき、ジェッツに入れてもらえへん子が最初から最後までうろちょろしてたけど、あの子に当たる子が1961年版にいたか、全然記憶にない…
ともかく面白かったし、よかったよ。
楽しめました。
堪能しました。 まあ、でもいくら何でも一目ぼれなのに思いが強すぎるだろうなと。 あと、プロボクサーってすごく強いはずなので、相手はもっと体格で圧倒してないと、殴りあいで勝つっていうのはどうかと思いました。
マンボ!!が1番好き!
恥ずかしながら私はウエストサイドストーリーの大筋も知らなかったので、終盤の展開が衝撃過ぎて空いた口が塞がらなかった…🥲 悲しすぎる…マリアが生きていたことを知って嬉しそうに息を引き取ったのが唯一の救い…。 移民同士のシマ争い…と言ってしまってはそこまでなんだけど、両者ともにあまりに悲しい結果になったので、争いはなにも生まないという教訓的な意味合いを強く感じる。 移民の若者たちの背景も、それぞれにスポットが当たっていて感情移入もしやすかった。 1番好きなシーンは、Mambo!! 乱れ咲き合う花々!!ってかんじ!!観てて本当に幸せだった!!
「ロックはあるけどロールはどうした」の名言を思い出させる、巨匠による"正しい"名作リメイク。
この作品を見て、場違いかも知れないがキース・リチャーズの言った名言「ロックはあるけどロールはどうした?」を思い出した。 不朽で「アンタッチャブル」なクラシックを現代にリメイクするに当たって、スピルバーグはこれ以上ないほど完璧に「正しく」やり遂げた。(唯一の注文は「ランブル」後にインターミッションが欲しかった位か…。)トニー・クシュナーの驚く程よく練り直された知的な脚本を、映像作家として映画史に残る巨匠による余りも美しいシーンの数々。何よりも時代を経てオリジナルにアニタとして出演したリタ・モレロによって、「Somewhere」をこの時代に併せて新たな意味を持たせただけでもこのリメイクの意義は有り余る程にある。だけど、オリジナルがこれ程までに今も残るのは、映画全編から発せられる荒削りで生々しいエナジー、言い換えれば産みの親であるジェローム・ロビンソンの振付の表現者としての迸る魂が、あのフィルムには刻まれているからだと。それはこのバーンスタインのスコアを使う以上は、もうどうしようも無く必須なのだ。皮肉にもスピルバーグの見事な仕事がそれを裏付けてしまった。また若き名匠デュダメルがこの作品の為に、バーンスタインのスコアをこの美しい画に流麗に再現させているのも、この作品を一段素晴らしい物にしていると思うのだが。。 それでも「ウエストサイド・ストーリー」が観たくなったら、迷わずオリジナルをチョイスしてしまうだろうな。それが全てだと思う。
永遠の課題に挑む。
元々は60年ほど前に製作された映画の再映画化で 前作は荒さもあるが、新鮮さと衝撃度もある。 何故スピルバーグは、今、、、と思うが 出来上がった映画自体は自身のものにしている。 この物語は1600年頃に発表されたシェイクスピアの 「ロミオとジュリエット」を下敷きにしているのだが 家vs家、人vs人、国vs国と今に通じる物語を書いた シェイクスピアの才能の高さを感じる。 また作曲をクラシック系のバーンスタインが担当しており ブロードウエイ用にいくつか作曲をしていて 映画にはなってないが「オン・ザ・タウン」の曲も素敵だ。 シェイクスピア、バーンスタイン、ワイズ監督の才能により 前作「ウエストサイド物語」が世に出たと思うが、 今回のスピルバーグは、現代風に少し洗練させて 自分好みの映画に仕上げた、と理解している。 特にエンドクレジットの映像には 一見なんでも無い映像を重ねいるが 彼のメッセージが含まれている そんな気がしてならないのである。 ミュージカル好きだけではなく 製作者の意図を受け止めながら 本作の色彩と大胆さに酔いしれたい。 また、前作と比べて観るのも楽しいと思う。 ※
映像綺麗だなあ(だけ)
白人とプエルトリコ人が恋に落ちる話。 昔の作品は観たことありました。 話の流れは同じなんだろうなあと思って 映画館では観なかったです。 が、映像がとても綺麗で 映画館で観なかったことを後悔しました。 飛行機の中でスマホの画面で観てましたけど ダンスパーティーあたりのシーンは とても迫力あるし色合いも綺麗で 鳥肌が立ちました、、 ただ感動したのはそれくらいで、 観たことある展開、聴いたことある音楽なので もうひとつな評価です。 あとやっぱり感情移入できないんですよね、、 愛を知らないからか、、
再開発に揺れるスラム街。対立するグループの抗争に砕け散った恋人たち。
言わずと知れた1961年作の『ウエストサイド物語』のリメイク映画です。
若者グループの抗争と、たった2日間で終わってしまった恋を
歌と踊りで綴ります。
街を縦横無尽に占領して踊る狂う
スラムの不良グループ《ジェッツ=ポーランド系移民》に
対抗する《シャークス=プエルトリコ系移民》
2つのグループの覇権争いと、ジェッツに属するトニーと、
シャークスのマリア。
一目で恋に落ちた2人はグループの掟と兄ベルナルドに強く
反対される。
「ロミオとジュリエット」をモチーフにしたストーリーです。
プエルトリコ移民もポーランド系移民もスラムを取り壊されて、
将来に大きな不安を抱えている。
警察は彼らを追い出そうと圧力をかけまくります。
冒頭から映されるのは瓦礫の山の工事現場なのです。
若者たちのエネルギー。
踊らずにはいられず、
喧嘩せずにはいられない。
マリアもトニーも恋しちゃイケナイと分かっているのに、
止める事が出来ない。
ともかくエネルギーが渦巻いている。
スティーヴン・スピルバーグ監督初めてのミュージカル映画です。
それも当時アカデミー賞10冠に輝いた名作。
音楽は20世紀を代表する指揮者で作曲家でピアニストの
レナード・バーンスタイン。
作曲はバーンスタインだし、作詞はスティーヴン・ソンドハイム。
流れも殆どそのままですし、ストーリーも
ガッツリ決まっているし、有名な楽曲を殆ど入れるのだから、
スピルバーグ監督はやりにくかったと思います。
自由に采配する余地が殆どありません。
挿入歌は、
“ジェッツが一番だ“とストリートで躍動して歌い踊る、
「ジェット・ソング=JetSong」
トニーが、“今晩たしかに何かが来るかも知れない“と歌う
「何かが起こりそう=Some thing'sComing」
夜10時の「体育館のダンス」
華やかに広がる女性たちのドレスがマンボのリズに乗せてダンス合戦。
マリアにチノが「さあマリア」と声をかけて、トニーは彼女の名を知る。
そしてトニーが歌う、
「マリア=Maria」
は、恋の始まりの怖れと喜びに震える心を現す。
そして何よりのハイライトは、
トニーとマリアは夜の街の再会を待ち侘びて、
アパートのベランダで歌う。
「トゥナイト=Tonight」は圧巻。
(60年経ても色褪せない名曲バラード)
そしてアメリカに住む自分達のアメリカへの愛と
嫌悪の入り混じった、
「アメリカ=America」
翌日。お昼の12時。
シャークスを待つジェッツが“落ち着いて振る舞え“と歌う、
「クール=Cool」
そして他にも、
「ワンハンド、ワンハート=OneHand、OneHeart(ひとつの心)」
「アイ・フィール・プリティ=I Feel Pretty」
「サムウェア=Somewhere(恋は永遠に)」
そのいずれかを聴いたことのない人はいないでしょう。
それほどの名曲揃いです。
それにしても情熱的なマリア。
一目惚れしたマリアは飛びつくようにトニーにキスをします。
そしてあまりにも愚かなトニー。
何故、あの時ナイフを拾ったの?
守るべき恋人が出来たその時、男の子は大人に成長して
もっともっと臆病になるべきなんだよ。
(ヒーローになんか、もうならなくていいの!)
1961年の映画はブロードウェイ・ミュージカルの舞台を
元にしていますので、
途中、舞台的な装置が多々あります。
2022年の本作はストリートの広さを遺憾なく利用して、
ストリートを縦横無尽に踊る青年の群舞がアクロバチックで
見応えあります。
オリジナルのジョージ・チャキリスのように空まで高く足を
上げないけれど、その分、スピンがかかってダイナミックですね。
トニーとマリアの燃え上がる恋。
トニー役のアンセル・エルゴート。
甘い声の歌唱とスラリと背が高く美しい、
けれど今一歩圧倒的な魅力には欠ける。
マリア役のレイチェル・ゼグラー。
素晴らしくキュートです。
そして有名なシーン。
3階のベランダにいるマリア。
下からスルスルと鉄の階段を登っていくトニー。
そして歌うデュエット「トゥナイト」のシーンです。
もっともエモーショナルなシーン。
この映画。
もちろんベースは悲恋「ロミオとジュリエット」だけれど、
主役は街。
「ウエスト・サイド・ストリート」という題名はどうですか?
どうせなら、スラム街をぶっ壊すダンプカーやショベルカー、
ビルの爆破や解体の映像で終わるのなんかが、
新しく生まれ変わるニューヨークを予感させて、
良かった気がします。
現代版ロミオとジュリエット
是非舞台作品も観たいと感じる作品で、私は吹き替え版で鑑賞しましたが字幕で鑑賞もしたいと思います。 現代版ロミオとジュリエット、まさにその名の通りのストーリーで鑑賞後は余韻が多く残ります。 愛や友情、その両方を天秤にかけた時愛が勝つのか友情が勝つのかそれともどちらも選ばないのか、最後まで鑑賞して初めて分かる気持ちもあると思います。 是非鑑賞してみてください。
2022 163本目
スピルバーグだから。というのは無しで観ました。 悲しい物語ですね。オリジナルは名前だけ知ってました。歌も映像もストーリーもいいんだけど、個人的にグレイテストショーマンや、レミゼラブル、マンマミーアなどに比べて響きませんでした。 でも70才を越えてなお新たなジャンルに挑むスピルバーグ。流石です
ラストってこうだっけ・・・?
流石はスピルバーグ。 長いけど、飽きずに鑑賞出来る。 ただし、ダンスのシーンかな。 昔のは奇麗に揃った印象を受けたけど、今作は、力押しってのかな。 そこが気になった。 ちなみにラストってこんなんだったっけ?
あまりの完璧な演出の完成度に圧倒されてしまいました。
上映中の157分間、あまりの完璧な演出の完成度に圧倒されてしまいました。これまで年間少ないときでも100本以上映画を見続けたわたしにとって、本作が最高の作品に感じたのです。 核となる物語の『ロミオとジュリエット』にインスパイアされた悲恋の古めかしさは否めません。でも、傑出した楽曲と一糸乱れず振り付けのダンス、50年代後半の超リアルな背景、それを捉える躍動感あるカメラワーク、まばゆい光を駆使したスピルバーグの演出が、混然一体となって生む高揚感は圧巻でした。 映画史上の金字塔たる古典のリメークにはリスクが伴うし、監督は相当な勇気と力量を試されます。そんな企画に挑んだのはスティーブンースピルバーグ。彼にとって初のミュージカルとなる1957年に初演されたミュージカル「ウエストーサイド物語」の再映画化したのが本作です。 物語は50年代後半、ニューヨークのスラム街。ポ上フンド系移民の不良グループ「ジェツツ」元リーダーのトニー(アンセルーエルゴート)は、敵対するプエルトリコ系「シャークス」リーダーの妹マリア(レイチェルーゼグラー)と許されない恋に落ちます。 ロバートーワイズ、ジェロームーロビンス両監督が手がけた映画「ウエストーサイド物語」(61年)は、アカデミー賞10冠に輝いた名作。けれども、約60年がたち、ミュージカルを映画にするための演出や撮影技術は進化しました。映画を知り尽くした巨匠による“最新版”を味わえるのは幸せなことです。 ところで本作は「ストリート」が陰の主役となっていました。歌、ダンスシーンの多くはスタジオの外で展開します。筆頭がプエルトリコの男女の群舞「アメリカ」。シャークスリーダー、ベルナルドや恋人のアニータ(アリアナ・デボーズ)らが、人波をかき分け数ブロックを疾風のごとく駆け抜けるのです。 このシーンでもスピルバーグ作品に欠かせない、撮影監督ヤヌスーカミンスキーによる流麗なカメラワークが、躍動する肢体を臨場感たっぷりに映し出されます。その絶頂は、大人も子供も飛び出し、興奮のるつぼと化した交差点を俯瞰するショット。スクリーンから迫り来るダイナミズムに歓声を上げたくなるほどでした。 時代設定やストーリーは、オリジナル版をほぼ忠実に踏襲しているものの、その半面、移民が直面する差別や貧困などの問題、憎しみの根深さをシビアに描き、分断と不寛容にあらがう“愛”という現代のアメリカ社会に通じるテーマを強く打ち出しました。 プエルトリコ移民のシャークスは、差別と闘い成功を夢見ています。一方のジェッツも、白人ながら貧しい移民3世として毎日の生計を立てる刹那に追われています。 脚本を手がけた劇作家トニー・クシュナーは、両者の違いを鮮明にしつつ、生い立ちや境遇を掘り下げ、彼らに「人生」を与えましたのです。 トニーは、ケンカ相手に傷を負わせて服役し、刑務所を出たばかり。ベルナルドは有望なボクサー。ジェッツリーダーのリフ (マイク・ファイスト)は、カリスマ性を持つ一方でもろさものぞかせ、離れていく幼なじみトニーの心をつなぎ留めようともがくのでした。 時を経た変化は技術的のものばかりではありません。本作のプロデュース自体が、「多様性」を目的にリブートされたことが大きな変化だと思います。そのためにシャークスには、顔をメイクで塗った白人ではなく、全てプエルトリコ系の俳優が起用されたのです。いまようやく、この物語が描く“真実”にハリウッドが追いついたといえるでしょう。 上映時間、2時間37分。 【追伸】 オリジナルのファンにとって、伝説的な女優リター・モレノの出演もうれしいところでしょう
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