ウエスト・サイド・ストーリーのレビュー・感想・評価
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MUSIC BY LEONARD BERNSTEIN
このクレジットにシビれた!いやぁしかし、めちゃくちゃよかったぞ‼️どうしてもロバート・ワイズ版が頭にあるから、なんでスピルバーグがこれ撮んねん?という穿った想いがあった。はじまりは、うーんいまひとつだなー、ってな感じだったけどマリアとトニーの出会いのシーンから変わった。なんかツーっと涙がでるのよ🥲。あの2人の表情、とくに目が心に刺さった。そこからは無我夢中😆。映画や劇団四季でもさんざん観てきたミュージカルだけど完全に新鮮な体験となった😁👌。ダンスシーンのキレと充実度がすごい。圧巻は「アメリカ」。これぞミュージカル映画の醍醐味‼️音楽・ダンス・撮影・演技の何もかもがピタッと一致して素晴らしすぎーる❗️おもえばスピルバーグがいちばん撮りかったのはここなんじゃないか?と勝手に断定😁。それくらいすごい。俳優さんたちのダンスはもちろん演技も相当なもの。スクリーンの隅にいる俳優さんすべてにスピルバーグの演出が行き届いているのもさすが。撮影はお馴染みのカミンスキー。ジョン・ウィリアムズと同じく彼抜きではスピルバーグ映画は成り立たない存在。今回も独創的な良い仕事をしている。そして音楽。レニーのお馴染みのナンバーが全編に流れるこの幸福感😊😆😄。あのメロディーとノリの良いリズムだけでなくオペラ的な要素もあるからコンサート形式の演奏を聴いてみたくなる。レニーは生前、ミュージカルの作曲者で有名になったことを多少残念がっていた。でも改めてこのナンバーを聴くと名曲中の名曲であることに疑う余地はない。このミュージカルを現代に蘇えらせたスピルバーグには感謝する(上から目線)。そしてドゥダメル指揮ニューヨーク・フィルのビックバンド的な軽妙なサウンドは適している。この映像にはフルオーケストラは合わない。あと、終盤の筋を忘れていたからか余計にシェイクスピアのメッセージが直に伝わってきて感動した。えー、ミュージカル?と思っている人たちにもぜひとも劇場で観てもらいたい名作だ😄
前半は楽しいミュージカルでも、後半からは...
歌とかダンスとか凄く楽しめました!!
歌声特に美しかったです。
ロミオとジュリエットにも似てました。死の連鎖でした。前半の二人が恋に落ち、愛に満ちている所はとても素敵でした。
しかし、お兄さん殺されてるのに愛があると言われても感情移入出来なかったので星3にしました。どうして殺してしまったのか、をゆっくり話して打ち解けていく展開だったら良かったのかも。
自分だったらしんどすぎて何も言えないかも。お兄さん死んでるのによくうっとり見つめ合ってられるな。お兄さん可愛そう。
そもそも決闘が起きる前になんとかならなかったのかって考えてしまいますね。
何一つ感情移入できない
私は映画は年に数回しか見ないため、技術や映画の根本は語れない。
そのため、ストーリーやキャラクター性についてでの評価となる。
まず、簡単に言えばこれは西成の住民と大阪府民が喧嘩を起こす話なのだろう。どちらのチームも教育が悪い少年の集まりで、貧困から生まれた治安の悪さを考えると皆んなが社会の被害者であるとも思える。
差別がなぜ良くないのか、属性の色が個人に必ずしも反映される訳ではないという事を根本的にどちらのチームも教えてこられなかった。だから個人なぞ見ずに"あいつらは邪魔だ"そういう風に捉えてしまうのだろう。
それは己が一人一人と向き合う力が話をする力がないだけだ。仲間が犠牲になっても、まだ相手を憎む事で頭がいっぱいで、誰一人として仲間を殺されてしまった原因は自分にもあると気付けていない。そんな愚かな事はあるのだろうか?
あまりにも愚かだ。人は考える力がある、それを集団の力に飲み込まれ過ぎて、機能停止してしまったいた。
そんな人が死んだところで、同情も憐みもない。また泣いているチームメイトを見ても、泣くなら己のアホさに泣けとしか言いようがない。
この物語の大きな要素でもある、ロミオとジュリエットを題材とした恋愛部分。
ここも全く共感はない。
そもそも愛とは運命的な出会いを言うとは私には思えない。愛とは信頼だ。
2人はとてつもなく大きな恋に落ちて、その衝撃に頭を打たれ愛だと勘違いをしていたのだ。
愛は2人で育てるものだ。その育てる時間があまりにも短いのに、恋人が死んで可哀想だとはどうしても思えない。正直兄がが死んでるのに、刺してるのにその直後に寝れるのはどうかしている。本気で驚いた、感動も何もない。そりゃアニータ怒ります、当然です。
ミュージカル部分においては、悪ガキ達がメインなのにダンスがストリート系などは一切なく、主にバレエや社交ダンスの綺麗な型を基礎にし過ぎておりミスマッチ感が拭えなかった。
スラムにいる少年があんな綺麗なバレエの型を踊れるのは違和感を抱いてしまう。もっと砕いたダンスで若者の力を感じられる群舞を見たかった。
曲はこの曲ってウエストサイドストーリーなんだ!と知れる曲も多く、それは楽しかった。そこだけ評価で星一つ。
リメイクとしてはこれ以上ないくらいの出来
物語の大筋はオリジナル版をほぼ踏襲しており、数々の楽曲もそのまま再現されていて、スピルバーグの原作愛がひしひしと伝わってきた。
ただ、この名作を今リメイクした意図というものは余り見えてこなかった。オリジナル版と一緒であればわざわざ作り直す必要はないわけで、現代に合わせた解釈や改変がもっと大胆にあっても良かったような気がする。もっとも、それをやってしまうと確実に賛否が巻き起こってしまうだろうが…。それくらい名作のリメイクというのは難しい。
しかし、スピルバーグはどうしてもこの企画を成功させたかったのだろう。聞けば、インディージョーンズの続編を中断してまで本作の製作に勤しんだらしい。
では、原作をほぼ変えないまま作られた今回の製作意図がどこにあったか、と想像すると、自分はこういうことじゃないかとおぼろげに考える。おそらくスピルバーグはこの名作の存在を新しい世代の観客に伝えたかったのではないだろうか。
たとえ名作と言えどこれだけ古い作品になってしまうと、今の観客が鑑賞する機会というのはそうそうないと思う。であるならば、リメイクすることで新しい観客に知ってもらおう、と考えるのはありそうな話である。
気が付けばスピルバーグも75歳。もはやハリウッドの重鎮と言える存在にまで登り詰めている。そんな彼がこれから先の映画界のことを考えて、過去の名作を現代に甦らせて今の世代に伝えていく、と考えるのは何ら不思議なことではない。本作にはそんなスピルバーグの”映画愛”が込められているような気がした。
オリジナル版は移民や貧困といった社会問題を取り入れたストーリーで、それまでの華やか一辺倒だったミュージカル映画に新風を吹き込んだと言われている。今回のリメイク版もそこはかなり重視されており、今のアメリカ社会に通じる風刺性が感じられた。60年以上も前の作品が、現代でも違和感なく受け取れてしまう所に、これらの問題の根深さが窺い知れる。
尚、オリジナル版ではプエルトリコ系のシャーク団は白人俳優が黒塗りをして演じていたが、本作ではリアリティを追求するために南米系の俳優に演じさせている。このあたりはオリジナル版にはない本作ならではの”こだわり”だろう。オリジナル版から大きくアップデートされた点だと思う。
もう一つ、本作にはアップデートされたことがある。それはジェット団の中にトランス・ジェンダーのメンバーがいることだ。このキャラクターはメインのドラマにそれほど大きく関わってくることはないが、昨今のハリウッドの潮流である”多様性”を体現するキャラクターになっている。こうした所に目配せしたのも今回のリメイク版の新味だ。
映画自体の出来は、絢爛豪華な映像、ダイナミックな演出、心に響く歌唱の数々など、全てにおいてエンタテインメントとしての完成度が高く、大変満足できた。
特に、前半のダンスパーティーのシーン、中盤の『アメリカ』の群舞シーンは圧巻である。映像の作り込みと迫力はおそらくオリジナル版を超えているだろう。
但し、唯一、ジェット団とシャーク団の決闘シーンの後に挿入される装飾店のミュージカルシーンは、それまでのシリアスなトーンが壊された感じがして興を削がれた。オリジナル版ではどうだったか?随分以前に観たので覚えていないが、ここはカットしてそのまま終盤に繋げてもらった方が、観ているこちらとしては気持ちよく乗って行けたかもしれない。
また、恋愛ドラマとして見た場合、説得力という点でやはり苦しい面はある。元々が古いミュージカル映画であるし、それをそのままリメイクしているのだから仕方がないかもしれないが、トニーとマリアの恋愛感情が上滑り気味で、どこか稚拙さを感じてしまうのだ。愛に犠牲は付き物と言うが、身近な人が次々と犠牲になってもまだ彼らは愛を貫くのか…と。
キャスト陣は実力派揃いで申し分なかった。特に、アニータ役のアリアナ・デボーズは力強い歌声とダンスが大変魅力的だった。ブロードウェイではすでに主演経験もあり、実力は折り紙付きである。
また、本作にはオリジナル版でアニータを演じたリタ・モレノが出演している。しかも、トニーの保護者という重要な役どころで、往年のファンにとっては感慨深いものがあるに違いない。
アニータ、圧巻の存在感!!!!
スピルバーグの最高傑作と言っても良いのではないか・・・?
長い事、ウエストサイド物語(旧作を最近はこう呼ぶらしい)が最高のミュージカルで、それを凌ぐ作品に出会った事が無かったので、だんだんミュージカルが嫌いになりかけていたのだが、スピルバーグのこの作品に出会って初めて自分の中の最高傑作ミュージカルが更新された。アニメミュージカルは数多くの傑作がある。だが個人的感想は、実写版のミュージカルではウエストサイド物語とサウンド・オブ・ミュージックが最高だと思って来た。勿論、良い作品は他にもたくさんある。シェルブールの雨傘やメリー・ポピンズ、フェイムにヘアーなどなど・・でもようやく今日出会えた。何故か。それは今までのミュージカルはブロードウェイの映画化が多かったせいだと気が付いた。それは最初の30分、なかなかダンスにこちらの気持ちが入れなくて、後ろの背景が邪魔でダンスが見えないと思ったのだ・・実はそれは当たり前で今までのミュージカルは舞台の背景のようにシンプルにして踊りを際立たせていたのだ。ところがスピルバーグは違った。あらゆる映像言語を駆使して、集大成と言ってもいいような映像技術で、スピルバーグのC-3POと言われるカミンスキーのカメラはまさに世界で初めて映画の中でミュージカルと言う夢の世界を展開させて見せたのだ。これは言うなれば実写版レディ・プレイヤー1。それゆえにキャストに要求される歌と踊りには従来以上の能力が要求されることとなる。これを見事に実現させた、今作品の全スタッフ、役者にそしてスピルバーグに心からの賛辞を。全く以て素晴らしい。
今なお伝えるべきものが、このリメイク映画にある。
2時間37分と長い映画でしたが、あまり長さを感じさせませんでした。オリジナルの映画を見ていたので、前半の導入部はだいたい同じようでしたが、決闘への流れの辺りから、ストーリーの骨子は踏まえながらも、演出が全然違う展開が出てきました。
NYの有色人種プエルトリカンがスペイン語で話すのを、何度も白人が英語で話せというシーンが出てきます。スペイン語が少し分かるのとラティーノの英語に馴染んでいるので、この言葉のやり取りはとても面白く見ました。この言葉の違いは重要です。
踊りの振付や曲目は古い映画とほぼ同じ内容だったので、リメイクする意味は何?と見ていました。後半からは特に現代に合わせた場面設定や踊りなど全く違うところもあり、複雑化する人種問題を見据えて、今なお解決できていない社会問題として人々に訴えているのではと思いました。エンドロールで「父へ」とあったのは、悲しいけどまだ現実はこうなのだということを。
アメリカのサイトを読んでみると、ブロードウェーの舞台も踏まえ、賛否両論ありますが、おおむねは評価しているのが多いです。
マリアはプエルトリカンなのでスペイン語がネイティブ。英語はスペイン語訛りになります。そのマリア役はレイチェル・ゼグラーが約3万人の中から射止めたとのこと。アメリカ人ですが母親はコロンビア出身。家庭の中でスペイン語も話せたのでしょうね。彼女のスペイン語とスペイン語訛りの英語はとても良かった。
バレンティーナ役のリタ・モレノは、オリジナル映画にもマリアのお兄さんの恋人役アニータで出演しており、製作総指揮の一人としてクレジットされています。彼女は本当のプエルトリカンです。
更に調べてみると、マリアのお兄さんベルナルド役はデビッド・アルバレスでカナダ人ですが両親はキューバ出身。道理で本物のラティーノでした。
プエルトリカンがダンスホールで踊るとき「マンボ」と言ってみんなで踊ります。人種のぶつかり合いと、プエルトリコの絆を大事にするその「血」が、ダイナミックな踊りとなり、ニューヨークにおけるアイデンティティの象徴である「サルサ」へとつながっていくのだと、一人勝手に信じています。
主人公のトニーとマリア、ベルナルドなど、オリジナル映画の俳優たちの方が個人的には好きで、全体的にも当時の現場をリアルに伝えているようでしっくりきました。
タイトルなし(ネタバレ)
60年代の米国ニューヨーク、マンハッタンのウエスト・サイド。
昔から人々が集う地区はハーレムとなり、いまや行政による再開発の波が押し寄せていた。
ハーレムに暮らす人々は多かれ少なかれ貧しい人々であり、早くから住み着いた白人たちと、新たな移民のプエルトリコ人たちの間で対立が起こっていた。
貧困白人たちは職を追われ、プエルトリコ人たち有色人種が、その職を得ていた。
そんな対立が顕著なのは、若者たちのグループ。
白人系の若者はジェット団、プエルトリコ人の若者はシャーク団と名乗って、残されたわずかばかりの縄張りでの勢力争いが繰り広げられていたのだった・・・
というところからはじまる物語で、その後、ジェット団の若者(ムショ帰りで相談役的立場)と、シャーク団のリーダの妹が恋仲になり、2日間のうちに悲劇が訪れるのは、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』を下敷きにしたもの。
で、前回の映画化『ウエスト・サイド物語』は同時代に観たのではないので、音楽・ダンスの素晴らしさはともかく、物語の古臭さに辟易したものでした。
今回も物語の大筋は変わっていないのだけれど、味付けがかなり変わっている。
人種間の対立の根本に、行政による政策を盛り込み、ニューヨークの街を半ば廃墟のように撮っている。
これは、前作のオープニングが、摩天楼の実景(その前にタイトルバックのデザインがあるが)から入っていたのと、大きく異なります。
(この前作の摩天楼は、エンドタイトルで、巧みにオマージュが捧げられており、エンドタイトルデザインはスピルバーグ監督がもうひとりのデザイナーとともに行っている)
つまり、荒廃した街での対立物語であり、一種のディストピア物語ともいえるでしょう。
で、そこでのリアリティを持たせるために、主役は、背の高い白人のアンチャン(見るからに白人という感じ)と、浅黒く目の大きい小娘(どう見てもプエルトリコ系)というふたり。
前作がリチャード・ベイマーとナタリー・ウッドだったので、そこんところは今回の配役が勝ち。
ジェット団vs.シャーク団、トニーとマリアの恋愛模様をスピルバーグ演出の縦横なカメラワークでエモーションを盛り上げていきます。
なので、映画半分ぐらいはすこぶる面白いのだが、後半、息切れ気味。
(というか、トニーとマリアの恋物語は、もともと、どこにも面白いところがなく、今回はその轍を踏んだよう)
ここで変わって比重を重くするのが、前作の生き証人リタ・モレノの役。
プエルトリコ人だが白人と結婚、トニーの育ての親的役割。
彼女が象徴するのが、人種対立のない未来で、役どころだけでなく、後半、彼女が歌うナンバーをそれを象徴しています。
(前作では、マリアが歌ったのだっけ? ちょっと覚えていません)
物語の決着の後、事件の鍵となる銃を拾い上げるのも彼女の役どころ(ここをさりげなく撮っているあたりがスピルバーグが名匠・巨匠たる所以)で、この年寄りが若いマリア(トニーの子どもを宿している)に未来を託していることがわかります。
(スピルバーグが若い人々に未来を託している、とも解釈できます)
音楽はもとより、ジェローム・ロビンスのオリジナルに敬意を表した振付に敬意を表しすぎた故か、コミックリリーフのナンバーはカットしてもよさそうだったけれど、残してしまったので、後半はやや冗長でした。
(ジェット団の警察署でのナンバーと、こちらは微妙だが、マリアのデパートでの夜勤のナンバー)
なお、ヤヌス・カミンスキーの撮影はすこぶる熟練の技で、艶のある画面は当然ながら、ジェット団とシャーク団の対決シーンとその後の警察到着の垂直俯瞰ショットのライトニングなどは、スリラー映画真っ青でした。
待ちこがれていました
この映画は気になっていたし昨年の公開が伸びた時は正直がっかりした。映画をみた今言えることは、同じプエルトリコ人街を舞台に描いたミュージカル「インザハイツ」は序曲だったのかなとさえ思ってしまう。
もちろんストーリーは知っている。結末だって知っている。流れる音楽も知っている。そして旧作の出だし。マンハッタンを空撮してそのバックに口笛。
スピルバーグ版も、一見同じビルが写ってるのかと思いきや……歌の出方も微妙に違う。それでも迫力に、そう街角でのダンスシーンには圧倒された。
マリアとトニーの運命が変わるわけないは承知してるが、また観にいきたい気持ちが湧いてきてるのは、やはりミュージカルたる所以か?
でも、パンフレット欲しかったなあ。ディズニーの方針かもしれないけど、作らないならせめてネットのHPでパンフ並みの情報量を提供してくれてもよかったんじゃないかな。
人は憎むことも愛することもやめられない
リメイク版の本作品の方が泥臭くリアルで、むしろオリジナルの方がスタイリッシュで、エンターティメント的でした。ジョージチャキリスは無茶苦茶カッコよかったし、スマート。マリアとトニーは他の登場人物とは一線を画した世界にいるいかにもヒロインとヒーローという感じ。衣装もオリジナルは着古した感じもない普通のTシャツで、ダンスシーンのスーツもおしゃれ。リメイク版は、貧しさを感じさせるくたびれたTシャツや何日も洗ってなさそうなジーンズ、ダンスパーティもありあわせのジャケットを着ただけが精一杯のいかにも貧しさや生活の荒廃ぶりを感じさせ、リアル感ありありでした。
印象的だったのは、リフとニー。オリジナルでは、やんちゃの不良に過ぎないリフでしたが、リメイク版では、その空虚な乾いた暗い瞳は人生の絶望を感じさせ、胸が痛くなるほど。トニーも、オリジナルでは、かつてのワル仲間の世界からもはや足を洗い大人の青年へと移行しかけている好青年であったのに対し、リメイク版は、刑務所の出所を終えて、トラウマ、心の痛みを抱えたまま、自分の居場所をまだ探している繊細な危うさを持っており、かつてジェット団を作った片鱗をうかがわせました。なので、トニーにとって、マリアは「愛」という名の「希望」だったのでしょう。自分を暗い闇から救い、新しい光の世界へ導いてくれる唯一の希望。だから、決闘も必死で止めたかった。自分が新しい世界で生きられるために。希望を失わないために。その意味で、トニーが愛を誓う場面は涙が出ました。新しい世界を希求する彼の心の痛みが痛いほど感じられたから。
オリジナル版も好きでしたが、リメイク版では、広い世界があることを知らず、「分断」された世界しか見ることができず、希望も見出せない若者たちが深く抱えている絶望、その絶望にすら気づいていない彼らの愚かで哀しい生き方がいっそう浮彫にされていました。
オリジナル版の方が良かったと思うのは、最後の場面。トニーが撃たれる場面で登場するマリアの赤いドレスは争いの血の色でもあり、また、愛を知ったことで白いドレスの少女から大人の女性になったことを暗示しているようでもあり、まさに憎しみと愛を象徴しており、鮮烈でした。周囲の人間に銃を向ける彼女の叫びも、憎しみの愚かさと愛の強さを強く訴えかけ、印象的でしたが、リメイク版はややあっさりしていた感じ。それとマリアは青い服でしたが、パーティでジェット団も青系統の服で統一されていたように思うのですが。ここは赤の衣装の方が良かったと思います。なので、マイナス0.5。
最後に、この映画は、監督の前作のオマージュなんだなあと思いました。
前作で恋人をトニーに殺されるアニタを演じたのはリタ・モレノ。そのリタ・モレノがドクの店の女主人として、トニーを見守る。まるで、前作のアニタが、平和で静かな世界を願い続けているように感じました。なのに、いまだ、暴力と死はなくならないのです。そんなことを感じさせられました。
人は、いつまでも、憎むことも愛することもやめられない。それゆえ、この物語は人々の心に訴えかけるのかもしれません。そして、やはり、何と言っても、音楽の素晴らしさを改めて実感しました。
スピルバーグの熟練の技に酔いしれる
オープニングショットから魅せるスピルバーグ版のウエスト・サイド・ストーリーは、とにかくカメラワークと照明が美しい。ミュージカルなのに、ダンスシーンではまるでアクション映画のように縦横無尽なカメラ(と言っても意味なく適当に動いているのではなく、それが次の場面へとスムーズに繋がっていく快感。)また、夜の場面の影を強調した照明、50年代、60年代の映画を思わせる美しい贅沢なセットが新しい映画なのにも関わらず、この映画に生まれながらのクラッシックな雰囲気を与えている。
最後まで一画面一画面が見事に構成されており、絵に関して飽きる暇がない。それぞれのグループを赤と青の異なる色彩で描き、恋が高まる場面ではカメラの逆光のフレアが大きくなり鮮やかな色に、不安や悲しみの場面では陰影が深くなり、棚や窓越しからの撮影でキャラクターがフレーム内の狭い空間に捕らえられているかのように見せる。ストーリーと音楽、映像が一体となり、監督スピルバーグ&撮影監督ヤヌス・カミンスキーの卓越した熟練の技を堪能出来た。
代表曲「アメリカ」「トゥナイト」「アイフィール・プリティ」等それぞれの場面が素晴らしいが特に「アメリカ」のストリートでのダンスの躍動感。「アメリカ」での主役マリアの兄の恋人、アニータを演じたアリアナ・デボーズの見事なダンスと演技の輝きは正直主役の二人を食ってしまっているほど。彼女の事は映画を見るまで知らなかったが、これから注目される俳優なのは間違いない。
旧作では当時の日本人にとってはわかりにくかったであろう移民間の人種の対立問題も実際にそれぞれの人種が演じている事と、言語の違いを強調する事でより鮮明になっている。明らかに新しい要素として入れられているトランスジェンダーのキャラクターへのわかりやすい差別だけではなく、同じ人種同士でも、実際には肌の色の濃さやヨーロッパのどこの出身かで微妙な差別がある事もわかってくる。近年の都市の問題であるジェントリフィケーションが実は主人公らをより生きにくい場所に追いやっていることも全編を通してほのめかされている。
正直言って、中盤はテンポを良くするために、削れるシーンもあったのでは?とも思ったが、オリジナルの「ウエスト・サイドストーリー」同様、古典的名作に将来なりえる見事な作品である事に間違いはない。映画を見る醍醐味を味わえる作品である。
素晴らしい!歌とダンスすごい。これぞ超一流。
これほどの愛なら
正しいか間違いかなんて
わからない
愛は人生そのもの
(劇中のセリフより)
・・・・・・・・・・・・・・・
若者たちのエネルギーがほとばしり
対立するギャング団
ポーランド移民のジェッツ団と
プエルトリコ移民のシャーク団
都市開発の始まった鬱屈した街の中に爆発する暴力、憎しみ、対立。
縄張り争いと喧嘩に明け暮れる不毛な日常。
根本では、どちらもマイノリティ同士 互いに生きづらさを感じている。アメリカという国の中で。
その辺りが、旧作よりもより掘り下げて描かれていると思う。
【人はどうして自分と違うものを受け入れられないのか?】
というテーマとも言える気がします。
トニーのように自分を見つめ直して立ち止まることなく、ギャング達は狭い視野と偏見に甘んじ、集団行動に流された結果、悲劇が起こる。
若い2人の愛と悲しみが、ラストで和解を生んだと信じたい。
旧作は一度観ただけなんですが、やはりスピルバーグということで、評判も聞いてIMAXで観て来ましたが、良かったーーー!
特に光ってたのが、3万人の中から選ばれたマリア役と、マリアの兄ベルナルドの恋人アニータ役の女優さん。素晴らしい。
というか、全体的にダンスと歌のレベルが超高くて、華やかで、見惚れます。こんなんぜったい日本は無理。
ニューヨークの「ロミオとジュリエット」ですね。
おすすめです。
ドスンときた!
つまらなかった
最高のリメイク
基本、話は同じですが、
骨太に、ダイナミックに、スタイリッシュに、ファッショナブルに、した感じでしょうか。
賛否あるみたいですが、
ミュージカルが好きじゃない、アメリカ文化に興味ない
って方には、受け入れられないかもですね。
舞台が1950年代で、グリースで固めた髪、50sファッション、角ばったデカいアメ車、当時の街並み、が出てきます。
オシャレで、超イカしてて、最高です。
アメリカ文化が大好きなので、それだけでも楽しめました。
こんな良リメイク観せられると、
『雨に唄えば』や、コッポラの『アウトサイダー』も、リメイク観たくなりました。
欠点を2点ほど言うと、
①マリア役の女優さんがな…個人的には、このキャスティングは…ごめんなさい。
②オリジナルもだけど、時間が長過ぎ…2時間37分は長い…途中で気持ちがダレた。
このリメイクは、オリジナルを知らなくても楽しめると思いますが、
オリジナルを観てた方が、このリメイクのセンスの良さが分かります。
スピルバーグって、やっぱスゴイ!!
リスペクト むんむん❗️
躍動をフィルムに刻み込む
ミュージカルシーンの始まったときのワクワク感たるや。
肉体が激しく動いてそれを停めて見せるか、カメラが動いて見せるかの的確なチョイス。
最高っ!気持ち良すぎー!
ついでにやっぱり音楽も最高っっ!
でもう役者が歌って踊ってアクションしてそれを見ているだけで幸せ過ぎる時間。
危なかっしい場所(ボロアパートの非常階段、壊れかけの橋)で横へ縦へ斜めへの動くシーンもいちいちハラハラしてスピルバーグー、嬉しいー、となる。
古典のほうの映画は未見なのでストーリー的にどこまで忠実なのかわかりませんが、ちょっとしんどいなー気になるなー、と思う箇所もあり、ですがもうミュージカル&アクション映画として実に素晴らしかった。
みんなかっこいいしなー!
期待以上、好きな映画の1つに加わった
原作は未鑑賞。
突然踊り出し歌い出すことは、無骨で力強い男達が多い作品な事もあり、他同系統映画より寒々しさが出るかなと思っていたが、全く問題なかった。
華奢で若いマリア役は初めはヒロインに少し物足りないようにも感じたが、
18歳のマリアに相応しい若々しさと情熱の演技、
そしてなにより繊細で美しい歌声に気が付いたら心を奪われていた。
トニーの美男子ぶりには初めからトキメキが止まらず。。
話すように自然な歌と演技は
コミカルに見せる恋の盲目さや、思い通りに行かないもどかしさを強烈に表現していて素晴らしかった。
若気の至り、愛する人を想う発言・行動。
大人の正当性や納得性ではない、彼らの正義や信念がこの作品では正しく、鑑賞側に受け容れる余裕があれば
間違いなく刺さる作品だと思う。
アニタが襲われかけたとき、外に追い出されたリフの彼女が必死に止めている様子がとても印象に残っていて
対立する立場ながら同じリーダーを愛した同性であること、そこには敵味方でないという想いがあるようでグッときた。
踊るシーンしかあまりセリフのない中、ただの添え花でなく存在感と大きな意味をもたらしたシーンだと感じた。
定期的に見返したい(長いけど…)と思えた。
素晴らしい!
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