「銀幕」ウエスト・サイド・ストーリー ruさんの映画レビュー(感想・評価)
銀幕
1961年のオリジナル版は、午前10時の映画祭で観て心をぎゅうっと掴まれ、ついでにびっくりする程の涙を搾り取られた忘れられない作品。
それをスピルバーグがリメイクするという第一報を聞き、主演がアンセル・エルゴートに決まったと知り(ベイビー・ドライバーでのキッチンダンス!!)1年間の公開延期を経て、もうずーっとずーっと焦がれるように待っていました。
ずいぶん長い間待っていたと思っていたけれど、完成した作品を観てわかった。
スピルバーグ監督の長い長い片思いは、家族でオリジナルを観た少年時代から現在まで60年。それはそれは、純粋で切実。
壊れないようにそっと埃をはらい、慈しみながら磨いていく。
これがあの銀幕か!!多くの人が憧れ、何人かは魅入られたまま戻って来なかったという。
夜のバスケットコートでの「マリア」、スピルバーグ監督ならではの優しい雰囲気が大好き。自分の映画・お気に入りシーンランキングに絶対入ります。
黄金の光をまとい、長く濃い影を引き連れて去っていくハリウッドの後ろ姿を、タランティーノ監督はおとぎ話に。スピルバーグ監督はドキュメンタリーとして映してくれました(スピルバーグがリメイクした事自体がドキュメンタリーだと思うので!)
再確認したのは何と言っても曲がいい、歌詞がいい。NYフィルの方の弓に、字幕翻訳の石田さんのペンに初心が宿る清々しい作品。多くの人の思いを束ね、万感とはよく言ったものです。大満足でした!
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