「何一つ感情移入できない」ウエスト・サイド・ストーリー むしゃむしゃりんごさんの映画レビュー(感想・評価)
何一つ感情移入できない
私は映画は年に数回しか見ないため、技術や映画の根本は語れない。
そのため、ストーリーやキャラクター性についてでの評価となる。
まず、簡単に言えばこれは西成の住民と大阪府民が喧嘩を起こす話なのだろう。どちらのチームも教育が悪い少年の集まりで、貧困から生まれた治安の悪さを考えると皆んなが社会の被害者であるとも思える。
差別がなぜ良くないのか、属性の色が個人に必ずしも反映される訳ではないという事を根本的にどちらのチームも教えてこられなかった。だから個人なぞ見ずに"あいつらは邪魔だ"そういう風に捉えてしまうのだろう。
それは己が一人一人と向き合う力が話をする力がないだけだ。仲間が犠牲になっても、まだ相手を憎む事で頭がいっぱいで、誰一人として仲間を殺されてしまった原因は自分にもあると気付けていない。そんな愚かな事はあるのだろうか?
あまりにも愚かだ。人は考える力がある、それを集団の力に飲み込まれ過ぎて、機能停止してしまったいた。
そんな人が死んだところで、同情も憐みもない。また泣いているチームメイトを見ても、泣くなら己のアホさに泣けとしか言いようがない。
この物語の大きな要素でもある、ロミオとジュリエットを題材とした恋愛部分。
ここも全く共感はない。
そもそも愛とは運命的な出会いを言うとは私には思えない。愛とは信頼だ。
2人はとてつもなく大きな恋に落ちて、その衝撃に頭を打たれ愛だと勘違いをしていたのだ。
愛は2人で育てるものだ。その育てる時間があまりにも短いのに、恋人が死んで可哀想だとはどうしても思えない。正直兄がが死んでるのに、刺してるのにその直後に寝れるのはどうかしている。本気で驚いた、感動も何もない。そりゃアニータ怒ります、当然です。
ミュージカル部分においては、悪ガキ達がメインなのにダンスがストリート系などは一切なく、主にバレエや社交ダンスの綺麗な型を基礎にし過ぎておりミスマッチ感が拭えなかった。
スラムにいる少年があんな綺麗なバレエの型を踊れるのは違和感を抱いてしまう。もっと砕いたダンスで若者の力を感じられる群舞を見たかった。
曲はこの曲ってウエストサイドストーリーなんだ!と知れる曲も多く、それは楽しかった。そこだけ評価で星一つ。
自分が書いたのかと思うくらい、全面的に共感します。ほんとに誰にも共感できませんでしたね。人間が描けていない。スピルバーグは恐竜とか宇宙人を描いているほうがよさそうです。