劇場公開日 2022年2月11日

「スピルバーグ監督だから作れたリメイク。映画製作を目指す人には最高の映画の教科書」ウエスト・サイド・ストーリー 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5スピルバーグ監督だから作れたリメイク。映画製作を目指す人には最高の映画の教科書

2022年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

萌える

本日2月11日、日本公開初日です♪
待ちに待ったこの日、
グランドシネマサンシャイン池袋(BESTIA)の
朝イチの回を予約して観てきました!

良かった!!!
1961年版を昨日観直してから行ったのですが、1961年版の「ウエストサイドストーリー」の
オールドファンの人も満足する快心の出来でした!
なのでオールドファンの皆さん! 安心して観に行ってください!

さらに1961年版でちょっと違和感のあった「非行少年たちという設定を大人が演じている(肌の色を塗ってる?)」問題や、「事件の後アニタがマリアの味方になった場面の心理描写が足りてない」問題は美見事に解決されてました。このあたりは、さすがスティーブンスピルバーグ。映画学校の生徒さんは絶対比較してみることをお勧めします。映画の教科書的な作品が誕生したともいえます。

キャスティングが最高でした。

1961年版に比べると圧倒的に出演者が若い!!

あどけない子供の表情も残る10代の若者たち。貧困と差別に直面して苦しい生活を送って、爆発しそうな感情を持ちながらも青春を謳歌してる彼ら、ピュアで本当に可愛くて愛おしくなってしまいます。

良かったのはトニー、マリア、ベルナルド、チノ、リフ。

リフ、リフ最高!!

ジェッツもシャークスもトニーもマリアも、青春まっさかりのティーンズ(に見える)の甘い表情も、移民差別に対してストレートに怒りの感情を露わにしてコントロールが出来なくなる「若さ故」の罪なども、出演者が若いのでストーリーがナチュラルに進行して、並行して、特に今回の作品は「非行少年を見守ってきた大人たち」が丁寧に描がかれていました。
1961年版でアニタを演じたリタ・モレノさんが特別な役で出演されており(カメオ出演ではありません)、これがまたイイ!!!

それで今回のウエストサイドストーリーはただのミュージカル映画ではなく、社会風刺が効いたドラマ作品にもなっていました。この辺もやはり「映画の教科書が誕生した」と言いたくなる理由の一つです。

情熱的なプエルトリコ移民たちのシーンでは、昨年発表されたNYのプエルトリコの移住者たちのミュージカル大作映画『インザハイツ』がタフな彼らのアグレッシブさを見せつけてくれましたが、インザハイツはウエストサイドストーリーありきで生まれた作品だったのでしょうし、彼らの生活様式も一歩踏み込んで見せてくれて親しみを持てたし、それも良かったです。

2022年のウエストサイドストーリーは1961年の作品より「STRONG!」なテイストで、見ごたえがあったし、出演者が魅力的で歌もダンスも最高!!

ウエストサイドストーリーといえば、やっぱり音楽です。
音楽が最高でした!!

胸キュンの名曲を大音響と最高の映像で楽しめる贅沢。1人でいらしていた近くのお客様も「アメリカ」ノリノリで踊りだしそうな感じで、私も今日は、途中で何度声をあげて一緒にうたいそうになったか。

さすが!という出来でした。

山川夏子