「最高!!!これに満点をつけずになんとする。」だれもが愛しいチャンピオン とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
最高!!!これに満点をつけずになんとする。
爆笑に次ぐ爆笑。
そしてクライマックスでは、心の底から気持ちよく泣き笑い。価値観をひっくり返されて、胸が温かいもので一杯になる。
個性豊かなメンバー。その魅力が炸裂!!!
各地を回ってオーディションで選んだそうな。
そのメンバーへの充て書きというか、そのメンバーの魅力が最大限に発揮できるシーンをとりあげて編集したりもしているそうだ。
このうちの一人がゴヤ賞にノミネートされたとか、最後のトークで聞いたような気もするけれど、パンフレットがなく、再チェックできず(´;ω;`)ウッ…。ただ、それも納得できるほど、はまっている。Q&Aで、実は健常者が演じているのでは?という質問が出るほど。でも、チームメンバーは皆”当事者”だそうだ。
そのメンバーが放つ一言一言が、印象に残る。
「勝つために戦っているんだ!つぶすためじゃない!」とか、
「彼の問題が何かは知らないけれど、社会適応のトレーニングのために、ここに通っている」とか。
(思い出し引用。勘違いがあったらごめんなさい)
誰が、誰に向かって、誰のことを言っているのかは、ネタバレになるので、鑑賞してのお楽しみ。
少なくとも、私が考える常識を、軽く打ちのめしてくれて、喝采を挙げたかった。
腹立つ雇用者も出てくるが、こうくるか!という展開にも大爆笑。いいのかそれ?ま、いいか(笑)。
物語は、感動もの定番の筋と思いきや、え?と言う展開。勝ち負けがはっきりしてからが、本当のクライマックス。
多分、そこに集まったほとんどのメンバーの様子から、実生活でもこうなんだろうな、なんて想像してしまえるところも、幸せな気分になる。
エピソードの一つに出てくるのは、シドニーパラリンピック・スペイン選手替え玉事件。
その時の当事者だった、実際の知的障碍者である選手が、相手チームの選手として出演しているのも嬉しい。替え玉事件の巻き添えになってしまったけれど、バスケを続けていてくれたんだろうか?
「目指せ、スペシャルオリンピック!」という続編を期待したくなっているが、
スペインも参加しているのかということ以前に、
たぶん、映画が語りたい趣旨と違うんだろうな。
いわゆる”障碍者”ものの一つに分類されるのだろう。
”障碍者””問題”として捉える方々には、「甘い!」「切込みが足りない!」と言われるかもしれない。
でも、鑑賞しているうちに、健常者と”分類”される人も含めて、個性のように見えてくる。
一緒に生きるってこういうことなのかなとも。
尤も、ホテルの廊下でスキーとかされたら、引率者としては驚愕ものだが(笑)。
市ヶ谷・インスティトゥト・セルバンテス東京で行われたスペイン映画祭2019にて鑑賞。
映画鑑賞の後は、ネットでスペインにいらっしゃる監督とのQ&Aも行われて興味深かった。もっとお話を伺いたいので、来日をお待ちしています。
こんな素敵な映画を作ってくださってありがとう。
こんな映画を見つけ出して、配給してくださってありがとう。
出会わせてくれた縁に感謝。
皆で見て盛り上がりたい。
配給早まらないかな。
美紅様
コメントありがとうございます。
オフィシャルページにある「あらゆる観客の想像を軽々と越えてラストに迎える、奇跡の瞬間」というのを期待してしまうと、「この程度?」になってしまうと思いますが、私にとっては、幸せな気分にしてくれる、手元に置いて何度も見返したい愛すべき映画です。
あんまりにもとんとん拍子でうまくいくので、見る方によってはふざけんなというコメントもつくかもしれませんが、出演者がキラキラしていて楽しくなってしまいます。勿論、周りの”健常者”の仕打ちに胸が痛くなる場面もあります。
肩の力をぬいて気軽に楽しんで彼らの世界を疑似体験してみてください。