「カセットテープ、そして80年代の音楽💛」カセットテープ・ダイアリーズ ピンクマティーニさんの映画レビュー(感想・評価)
カセットテープ、そして80年代の音楽💛
クリックして本文を読む
邦題の「カセットテープ」という言葉にノスタルジーを感じて鑑賞。
私もカセットテープ世代だが、その後、CD、MDと進化したときに捨ててしまった。
昨今は、カセットテープの人気が再燃し、東京には専門店もあるというではないか。
レコードといいカセットといい、捨てなきゃよかったと思う。
時は80年代をティーンエイジャーとして過ごしたパキスタン移民のイギリスの男の子。
カセットウォークマンを聞き、Gジャンを着て、父親の管理と学校や地域という窮屈な場所から早く解放されたいと願っていたのは私も同じ。
突然ミュージカル調になったり、ハイになったりする前半にはついていけなかったが、後半はぐんぐん惹きつけられ、涙と鼻水でぐじゃぐじゃになった。
洋画を見るのが好きだと、どうしても欧米の価値観に影響されることになる。
支配的な父親、従順な母親と子どもたち。子どもは親の期待に沿って生きる、というのはアジア的な価値観で、これに反発して家を飛び出すのは欧米的、と言えようか。
私も、古い価値観を押し付ける親世代はけしからんと思っていた。
主人公も初めは父親に反抗するのだけれど、最後の最後で、「希望への橋を架け、家族との壁を作らない」という道を見出す。
イギリス映画なのに、アジア的な価値観のボールを不意に投げられたような気がした。
私も若いとき、こんな大人の考えができていたら、父親と対立することも少なかったか。
欧米の人が観てもはっとさせられるのではと思った。
コメントする