カセットテープ・ダイアリーズのレビュー・感想・評価
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家族との間に壁を作るのでなく、自分の願望へ橋を架けたい。
家族のために安定した企業に入って、我慢して定年まで勤める?それも尊いが本当にそれでお前の魂はいいのか?ルートンの中で一生を終えて本当に悔いはないか?うまくいかなければ家族のせいにするんじゃないか?そもそも盲目的に決めた企業勤めが本当にお前に合ってるのか?才を生かした方が結果成功するのではないか?ちょうど今悩んでいることとオーバーラップして、いろいろ考えさせられた良い映画であった。
安っぽい映画なら「家族や友人のことはかなぐり捨てて、自分の夢を追いかけろ!」になるところだが(この映画も中盤まではそうなりそうだった)現実はそう簡単なものではない。家族や周りの人との関係性があって自分も成り立っているし家族の生活もある。完全に捨て去るなんてできないしそうすべきではない、という示唆が深い。(だから具体的にどうすりゃいいのさ、はなかったが、まあこれは答えが用意されているようなものではないし。)
ブルースも「まず現実を生きろ。」「欲しければ手を伸ばせ。代価を払え。」と両方に言及している。どちらかではない。そもそも、なぜどちらかしかないと決めつける?両方だ!
途中まで息が詰まるようだった。ジャベドの環境はまさに塀で囲まれた牢獄。 それでも諦めずに自分の才を信じて動き続けた結果、自分の力で打破した姿が素晴らしい。
※最近読んだ『DarkHorse~好きなことだけで生きる人が成功する時代~ 』によると、自分自身にとってかけがえのないことに熱心に取り組むことで充足感を得るのが真の成功とのこと。その充足感を得るための4つのステップは下記。
①自分の中の「小さなモチベーション」を発見し大切にする
②一般的なリスクは無視して「自分にあった道」を選択する
③自分の強みを自覚し「自分に合った戦略」を見つける
④目的地のことは忘れて充足感をいま抱いているか自問する
そういえばジャベドも目的が「入賞」じゃなく、目的地を忘れて文章書いていたよなあ。なるほど。
※しかしイギリスはほんと差別やヘイトがキツイな。家に小便かけられているところなど堪えられず途中で観るのやめてしまってたわ。再開して最後まで観て良かった。
※佐野元春の「someday」とイントロ部が同じ曲が流れてきて驚き。「Hungry Heart」こっちの方が早いらしい。ほかの人のレビューにもあったがブルース・スプリングスティーンは詩の内容や詩で聞かせるという点で「浜田省吾」(MONEYとかまさに)も脳裏に浮かんだ。
単なる青春ストーリーでなく
「爽快、感動の青春音楽ストーリー」というキャッチコピーとのギャップを感じるほど、序盤から中盤にかけて当時のパキスタン移民差別やムスリムの家族観がしっかりと描写されている。主人公ジャベドがB・スプリングスティーンの歌に惹かれていく背景の描き方が、作品に厚みを与えている。
とはいえ、作品全体の雰囲気は教訓的なものではなくあくまで明るく、内気だったジャベドが歌に力をもらって閉塞的な環境を少しずつ打破してゆく姿が観る側に元気をくれる。夢や希望を阻む現実の様々な問題や自分の内面の弱さとどう向き合うか、というテーマは、世代を超えて響く普遍性がある。
ラストまで観ると、原題の「BLINDED BY THE LIGHT」が腑に落ちる。元の曲の歌詞は物語と無関係だが、言葉のイメージの妙だ。キーアイテムは確かにカセットテープだが、登場人物の髪型や服装、流れ続ける音楽がいちいち80年代こてこてで、明るさとレトロ感に微笑んでしまう。ウォークマンにVHSテープにラジカセ、学校の先生が平野ノラばりで使う箱型携帯電話。
ジャベドのご近所友達マット役のディーン=チャールズ・チャップマンは「1917 命をかけた伝令」で主役の兵士を演じた俳優だが、シリアスだった前作と打って変わってすだれ前髪とちょいぽちゃボディで気のいい遊び人を好演。彼の次の作品も観たいと思わせてくれた。
結論としては冒頭のキャッチコピーに偽りなし。でも決してありきたりではない良作。
いつの時代も音楽は若者をたぎらせる
いつの時代も音楽は若者の心をたぎらせる。そして音楽は人種を超える。イギリスの保守的な田舎の町に暮らすパキスタン系の高校生が、ブルース・スプリングスティーンの音楽に出会って、成長していく姿を爽やかに描いている。保守的な田舎町の人種問題も、音楽と若者というモチーフもありきたりだけど、ありきたりな作品に収まらない、輝きに満ちた作品だ。
ブルース・スプリングスティーンは、青春をテーマに歌ったり、社会派的なメッセージ・ソングを歌うこともあるミュージシャンだが、そんな彼の姿勢と本作の社会派+青春という姿勢は絶妙にマッチしていて、映画と音楽の幸福なカップリングが成立している。グリンダ・チャーダ監督の作品では『ベッカムに恋して』に近い作品だ。あれはインド系の少女の話だったが、こちらはパキスタン系の少年の話。民族的には近い両国には複雑な歴史があるが、その複雑さを『英国総督 最後の家』で描いている。イギリス・インド・パキスタンの3国の関係と複雑さ、引き裂かれた思いなどを背負って、こういう爽やかな青春映画を作るという姿勢が素敵だ。
夢をつかむ
どうして、父親にはわからないのだろう。
母親にはわかり過ぎるほどわかっていると
いうのに。
普段おとなしく父に従う母が、
ここぞとばかりに普段偉そうな父を叱る。
叱られた父は、幼い子のように半ペソ状態。
父がいて母がいて家族がいて良かった。
父を家族を心配してくれる彼女もいる。
同胞やイギリス人の友人がいる。
息子よりジャベドの趣味を褒めてくれる友人の父。
先見の明ある先生がいる。
味方になってくれ励ましてくれる隣人の
おじさんがいる。
バイトの新聞社でも認めてくれる人がいる。
ブルース•スプリングスティーンの聖地巡礼が
一番の目的だと知ると喜んだ税関職員たち。
周りにいるたくさんの人たちが
応援してくれる。
パキスタンからの移民という立場で、
解雇された気難しい父親のもと、
自己主張できないと悩むジャベド。
外でもパキ野郎と罵られること度々。
家の外壁に差別用語迄落書きされた。
自分なら心パキッパキッ。
辛い境遇ながら、
大好きで得意な文才生かし
着々と夢の一歩を歩き始める
そんな夢と希望が詰まったお話でした。
観た後の爽快感、ハンパない。
だけどいろいろ辛かっただろうな、と思う。
ブルース•スプリングスティーンさん、初めて
知りました。
いいお声で、ぶっ壊せ、と歌ってられた。
エンドロールに実際の画像が出て来ましたが、誰が誰だか分からなかったです。
移民2世の羽ばたきと家族の結びつき
私はこの映画から感じられるメッセージがとても好き。
主人公はパキスタンからイギリスに移り住んだ両親を持つ少年。
移民への差別的感情が蔓延る地域で暮らす主人公ジャベド、彼の置かれる環境は移民2世を象徴しているかのようだった。
父からはパキスタン的教育を受け反発を感じ、一部白人からは「パキ野郎」となじられ、パキスタンにもイギリスにもがっつりと属することができない宙ぶらりんな存在。
そんな彼がブルース・スプリングスティーンの曲と出会い、自由の国アメリカへの期待や自身の内なる夢が膨らむ。
当然、生粋のパキスタン人である父とはそりがさらに合わなくなる。
(この先は物語の結末にも触れているので、下げて書きます。)
夢を追うことはときにそれまでの関係性との決別が避けられないことがあるけど、
今回はそうではなく、家族の愛に気づき、決別ではない選択をしたのがとっても良かった。
父の教育や接し方はジャベドにとって必ずしも心地よいものではなかったけど、息子に対する愛が不器用に隠れていた。
ジャベドはそれに気づき、自分の夢と家族に橋を架けたいと願う。
何かをするとき家族と衝突することって誰にでも起こりうること。家族も相手の幸せを願っているがゆえに反対してしまうこともある。
反対されたら反発したくなる気持ちはすごく分かる。でもジャベドはそこに愛があることに気づき、それを受け止めることができた。
全ての家族がこう上手くいくことはもちろんない。だからこそ、幸せで暖かい気持ちで鑑賞を終えさせてくれたこの映画が心にしみる。
カセットテープが奏でる、夢への架け橋!!
1980年代のイギリスを舞台にした
パキスタン人の移民が題材になっていました。
人との出会い、困難にぶつかりながら
行き場のない思いがあった若者たち。
音楽に心が踊る!!
真実へと導く扉の向こう側には何が待ち構えているのか?
ENJOY!!
いつの時代も音楽は私たちに夢を与える
ダイアリー!!
楽しませてくれる青春を感じることが出来ました。
純真な青春映画
懐かしいブルース・スプリングスティーンのサウンドに惹かれて鑑賞。
様々な障壁を乗り越える主人公の姿とブルース・スプリングスティーンの骨太メッセージソングが絶妙に絡み合い、コメディーながらも熱くそして切ない雰囲気に。
楽曲の歌詞が画面に溶け込んでいたのも、凝っていて良かった。
個人的には、主人公の幼なじみの父親の出演シーンが好きで、特に主人公と一緒にノリノリで歌うシーンは印象に残った。
主人公の純真さに心洗われた。
『サンダーロード』はボブ・ディランの歌だと思っていた。
『サンダーロード』はボブ・ディランの歌だと思っていた。
それは嘘。でも、ブルース・スプリングスティーンの曲だとは知らなかった。ブルース・スプリングスティーンと言えば、『ボーン.・イン・ザ・アメリカ』で、それだけのカントリー・アンド・ウェスタンの歌手だと思っていた。
さて、実話だと知り、今でもこう言った移民に対する差別が残っているが、それをこの映画の演出家はどう考えるか、がこの映画の評価を分けると思う。
彼女は『脱亜入欧』した保守的なリベラリストなのだろうと思う。つまり、現在のイギリスの首相がそれを語っていると思う。
『約束の地』はユダヤ教だし、パキスタン人が『オー・マイ・ゴッド』とは言わない。演出が矛盾している。
アメリカやロンドンが、差別のない場所な訳が無い。そんな場所がパラダイスな訳が無い。
この主人公にはパキスタン人としての民族的アイデンティティが欠落している。
僕はブルース・スプリングスティーンよりも、彼や彼の親が聞いていた『パキスタン音楽』の方が好きである。何一つ引け目を感じないで、パキスタン音楽もインド音楽も好きである。
ブルース・スプリングスティーンは結局差別は払拭出来なかった。
青春
祖国と離れた地でクラス家族とその息子の成長を描くストーリーです。
全体として音楽に乗せた爽やかなストーリーでうまくまとまっています。
もうちょっと盛り上がりが欲しいところでした。
「フィッシャーマンズコール」に出ていた隣人が、いい味出してました。
80年代は甘酸っぱい青春の味。
ブルーススプリングスティーンをそれほど詳しくはないものの、音楽好きにとってはたまらない作品。おそらくジャベトは同年代だけに、(さすがに人種問題はなかったが)家族への想い、父親の存在、ガールフレンドへの渇望などがカブる。ジャベトにとってのブルースは、僕にとっては尾崎豊だし、大学はルートンからマンチェスター、僕は札幌から東京と、共通点を勝手に噛み締めて盛り上がってしまった。
カメオ出演でブルースが出てきたら冷めたと思うけど、クレジット直前だったのでホッとした。ジャベトのマニアっぷりが羨ましく感じた。
ブルース・スプリングスティーン
が大好きな私としては、ポスター写真がどうにも気になって、公開当時は見に行かなかった。
しかし、やっぱり一度見てみようと思って、DVDで見て、映画館で見なかったことを後悔。
とてもいい映画です。スプリングスティーンのファンもそうでない人も、ぜひ、見てほしい。
推しが生きる指針
生活環境が苦しい詩を書くことが好きな高校生が、ブルーススプリングスティーンに衝撃を受けて、猛烈に推し活動を始める話。
推しがいる人生は最高。
その推しが人格者なら生きる指針になるのはすごく分かる。
人生のいかなる場面でも「これがあの歌詞で言っていたことなのか…!」と答え合わせになる。
心が通った関係はその人が目の前にいなくてもできると思っている。
そのさまをこの作品ではビシビシ感じれます。
ブルース・スプリングスティーン、さすがっす
「パキ」と言われ差別を受けながらもブルース・スプリングスティーンの歌を聴いてから生き方まで変わってしまう主人公。
感受性が強く果敢な年頃だけにブルース・スプリングスティーンの爆発力が大いに背中を押した。
ウイ・アーザ・ワールドで歌うブルース・スプリングスティーンは礼儀正しく歌になると心がこもった必死さが伝わってくる。私も大好きだ。
物語が進むにつれ主人公が成長していくのが感じられたのは言うまでも無い。
友達関係も不器用ながらうまく築けて行けそう。
これがブルース・スプリングスティーンではなくビートルズやエルトン・ジョンだとまた違った展開になったんだろうな。
それよりカセットを貸してくれたループスに出会わなかったら映画にもならなかったかんではないか、いや、ホンマ。
音楽青春映画
パキスタンからの移民でイギリスの田舎町にすむ
青年。
80年代イギリスの貧しく閉鎖的な雰囲気の中で
差別を受け、貧困に喘ぎながら
厳格な父に支配される毎日
ある時、友達の勧めで聴いた
アメリカのミュージシャン
ブルーススプリングスティーンに心を打たれて
受け身だった毎日が変わっていく、、、
青春時代に音楽に救われた覚えのある人なら
共感できるストーリーだ
国境や人種をこえて
音楽がもつパワーに心踊らされる。
ブルーススプリングスティーン知らなくても
楽しめる映画だと思う。
ラストはありきたりではあったけれど
スピーチの内容は胸をうちます。
出会いが全て 愛が全て だろ
これも、日本語タイトルに騙された、、、
せめてカセットテープスとダイアリーズにしといてほしかったし、ブルースの曲のタイトルなら、とても大事なタイトルだと思うけど。しかし日本語字幕付きで世界中の映画を楽しませてもらえるのだから感謝しなければ。
80年代のイギリスの小さな町の映画だけど、喜怒哀楽バッキバキに明朗、いきなり町中でダンス始まる、作りと心意気はインド映画。ボリウッドとか騒がれるより前のヒンディームービー的展開。音楽よりか、と思ったけもイギリスならではよ政治とヒューマニズム。
エンドロールで、A.R.ラーフマンのお名前がありやっばりやね、納得。最後はラーフマン節でキラッと締まった。
アハ、とか、スミスとかユーロロックが流行っていて、イギリスのロックが世界を騒がせていたがそれはイギリスな若者にも外国人にも苦しい国だったからだしブルーススプリングスティーンはたしかに誤解されていた(私が誤解もしくは敬遠していたというべきか)そんな時代の重苦しさを共有する人には取りつく島もないというか馬鹿にしていたんだけど。ブルースのこと教えてもらえてよかったしブルースのビコーズザナイトよかった。
アメリカン・ドリームはユニバーサルだった。今はもっともっと悪い時代、この頃も最低だと思っていたけどね。
出会うこと人と触れ合うことから全てが始まる。パンジャプボーイに出会い文学の先生に出会い隣の家のおじさんに出会い活動家の可愛い彼女に出会い、体温が熱くなるような人間関係で痛々しくも少しずつ形成されて少しずつ前に進んでいくジャヘド。ボリウッド的ベッタベタのストーリー展開も良いじゃないか。
楽しめた、笑えた、泣けた。
ジャヘドの家の車はみんなで押さないと動かない。
No one wins unless everybody wins
最後はすんなりエンジンかかったな。
暗い映画ばかり見てるから、余計にグッときたな。
どん詰まりからの逆転
ブルース・スプリングスティーンの音楽を殆ど聴いたことがなかったが、本作を通してその良さを学んだとともに、昔は自分も音楽の歌詞から人生哲学を学んでいたなあと懐かしくなった。
思春期の子どもに見せたいと思った。
ブルース・スプリングスティーン、インスパイア物語
パキスタン移民のお父さんは独裁的で家族は自分の意見に従うものだと思っている。
息子もそのように生きていくと信じていたが、ブルース・スプリングスティーンの歌を聴いて、皆同じような悩みを持っている事と、そこから旅立つ勇気を持っても良いことを知っていく。
高校生の息子が成長しながら、ライターを目指していく物語。
実話がベースになっているそうです。
それにしてもブルース・スプリングスティーンの曲を聴くにつけ、佐野元春はインスパイアしすぎだよと思う。
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