犬王のレビュー・感想・評価
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今だからこそ体感したい「ロックな歴史エンターテイメント」!
平家物語は知っていたつもりだったが、「犬王」のことは知らなかった。
それは室町時代に「平家物語」が正史とされるタイミングで将軍・足利義満により歴史から抹殺されていたためだ。
本作では、そんな平家の忘れ去られた人々の物語を、森山未來が扮する友魚と女王蜂・アヴちゃん扮する犬王により、歌にのせロックに語ってくれるのだ。
見れば見るほど歌のセリフが伝わり味わいが増していく。
犬王と友魚がバンドとして名声を得て上りつめ、ライブが大舞台になっていき、ついには将軍相手にパフォーマンス!
この下剋上のような展開にテンションが上がる。
映画館の大音響のもと「応援上映」の時のように、ついつい身体をのり出したり歌い出したくなってしまう。
こんな「ロックな歴史エンターテイメント」を待っていた。
湯浅政明監督とキャラクター原案・松本大洋という稀代の才能が生み落とした傑作としか言いようがない。
ラストにおける時を超えた演出では、友魚と犬王の深い愛情物語に心を打たれた。
アヴちゃんの歌を
アヴちゃんの歌を聞くたくて視聴したのですが、本当にアヴちゃんの歌以外何も残らなくて戸惑いました。
登場人物達の描写はダイジェスト版かというくらい大雑把で説明もあまりなく、必死で推理しながら見るしかなかったです。そしてどんなに考えても分からない部分が多かった。
犬王の父親が死んで犬王の顔が戻るくだりはどう考えても分かりませんし、何より犬王と平家の怨霊・平家の怨霊とあの仮面に何の関係があったのかが分かりません。
平家の呪いではないとなると単に、平家の怨霊について人々に知らせると、成仏した怨霊が感謝の気持ちで犬王の身体を戻してくれる?ということなんでしょうか?そうだとしたら父親の死で顔が戻ったのが本当に分かりません。
説明が少ない割に友有の歌シーンなどは異様に長くて、その間は画面も代り映えしないし見ていて退屈という印象が強かったです。
映画が人に元気を与えるという一面は否定しないけれど…
コロナ禍で鬱屈した空気が蔓延した世の中に、なにか華やかなものを届けたい、といった気持ちがあったのかもしれない、という印象。
琵琶法師が伝えたといわれる平家物語。じつは、当時はもうひとつの平家物語があった、というストーリー。
平家物語は1222年ごろに成立したという。原作は2017年で、映画は2022年に公開。およそ800年前ということになる。題材として取り上げるには区切りのいい時期だったと思う。
琵琶法師の活躍を描いている。いわゆる琵琶法師的な音ではなくて、ロックバンドのような活動をして、民衆に熱狂を持って受け入れられる。音楽はクイーン調。これはLGBTを意識したのか、もしくは当時は女装する人もいたということなのか。
当時、おそろしく斬新なムーブメントがあったのだ、という題材なのだが、こういう題材はさほど斬新でもない。前述のように、音楽はクイーン調だし、やっていることは「どろろ」だし。
人は不完全な生き物だが、それをバネに強くなれるとか、表現することによって自分を取り戻すことができるとか。そういう表現というものは、時代にそぐわないものであったとしても大切にしていかなくてはいけない、みたいなまっとうなメッセージを感じる。
やはり、コロナによって失ってしまった人としての活力を取り戻したいという気持ちがあったんではないかと思う。そういう気持ちは悪くないのだけど、もっと強烈なイマジネーションを見せてほしいというのが正直なところ。
純粋に映画1本としてストーリーを追うのは諦めたほうがいい
そもそも話の語り草から、
「琵琶法師達の唄が堪能できるんだろうなぁ」とワクワクしていたのだが、
突然路線がロックになっていったり、
明らかこの時代にない楽器が聞こえた時点で、
残念ながら眠気との闘いになっていた。
話一本として追えない。
主人公が幼少期に父を亡くし、
幻影に囚われているシーンなんか早々に切り捨てられているし、
伏線の回収もない。
犬王の呪いもあんなロック調で解けるような代物か?
エンドロールでアヴちゃんが出ていることを知ったが、
流石の音域だからこそのシャウトとしゃくり。
「最早純粋な『語り物』ではない」時点でかなり減点。
声の違和感はないし曲もいいのだが、
あまりに時代とのミスマッチが酷すぎる。
友魚との掛け合いもまともになく、
知らぬ間に仲良く舞台の上ではっちゃけ、
知らぬ間に犬王が死んで友魚の首が飛ぶ。
…僕は一体何を観に行ったのだろうか。
これが「ロックが楽しめる映画」だったらいいものの、
和の曲に対して和の要素を欠落し、
話として脈絡もクソもないものを見せられてもなぁ…。
作画から惹かれたのに、
それすら霞む勢いなのは宜しくない。
因みにウトウトした原因の一つは、
犬王が二度同じ話は語らないと言われながら、
聴衆が「でっかい鯨」とコーラスを戸惑いなくした場面から。
「うん、話めちゃくちゃ」とか思ったよね。
結局何言いたいかわかんないし、
最後だけなんかいい感じの雰囲気醸し出したけど、
僕みたいにストーリーしっかり追う人には絶対にオススメしない。
和の感じは何処へやら…
でっかいクジラ♪
SARUの創立10周年を記念して劇場公演ですと♪
犬王好きにはありがたい(^。^)
配信でタダで観られるのに、劇場に行っちゃう作品です。
まるで大好きなアーティストのライブに行く感覚で出掛けました♪
原作は吉川日出男先生の
「平家物語 犬王の巻」
能で大成した観阿弥・世阿弥親子と同時期に活躍した能楽師「犬王」
この作品が上映された当時は知りませんでしたが、実在の人物なんですよね。
しかし、犬王の活躍は、義満による思想統制の為「平家物語」が正史とされるタイミングで抹消されてしまう。
犬王の作品は全く残されていません。
謎に包まれた能楽師。。。
そんな犬王にスポットを当てた作品です。
異形の子・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚が、600年以上も前の日本で、スターとして成り上がっていく様子を大胆に解釈し、痛快に描いたミュージカルアニメーションの傑作!
能楽堂の閉鎖的な空間ではなく、河原や橋の上、清水寺などで繰り広げられるパフォーマンス。
犬王と友魚の圧倒的でド派手なライブが見所です!
まるで室町時代の野外フェス!
私もあそこに行きたい!そんな思いに駆られました。
まだ、古典芸能と化していない時代の能の躍動感の表現力がお見事!
庶民の娯楽として愛されていた事も伝わってきます。
逆境を跳ね除ける2人のパフォーマンスが、人々の心を徐々に掴み、熱狂的な人気が渦になって広がっていく様はワクワクします!
いつの時代もスーパースターって数奇な運命をたどるというか、悲運を背負っているようで。。
しかし、友魚も犬王も、悲観する事なく自らの人生を切り開いていく様が、最高にカッコ良いのです!
大きく分かれた2人の決断。
友魚の最期は胸が締め付けられました
( ; ; )
決裂したように見えた2人の人生。
しかし、時空を超えて又巡り合い、はじめて出会った時と同じ会話を交わし、再びセッション出来たシーンには安堵の涙。。
キャラ原案は松本大洋先生。
大ファンなので、先生の絵が動いているだけで又、涙( ; ; )
ぽっぺの渦巻きも嬉しい♪
タイトル「犬王」の犬の文字のデザインも、犬王の異形の姿を模していて
痺れます♪( ´θ`)ノ
アヴちゃん、未來君の歌声と、音楽担当の大友氏はさすがの仕事っぷり!
魅力的な楽曲と歌声で楽しませてもらいました。
ロック色強めだし、ダンスや体操選手のようなアクロバティックな描写は、やや飛躍し過ぎた感は否めませんが。。
当時の人々が受けたであろう衝撃を体感出来た気がしました。
何度も観られる作品です♪
終盤に演出が大人しくなっていくのが残念なところ
奇抜な演出と設定での摩訶不思議な世界の構築は、あまり観たことはないけれど湯浅政明監督の作風そのものなんだろうな。
今敏監督と片渕須直監督が混ざったような、虚と実が入り乱れる感じはとても面白かった。
しかしなあ、終盤になり物語が収束に向かっていくと、犬王の体が元に戻るのと比例するように、奇抜な演出も薄れていって、あまりに「普通」に落ち着いてしまったのは残念。
犬王と友魚の関係性が最終的な物語の落とし所なのだけど、その描写がちょっと不足気味でして、終盤にドラマチックさがイマイチ生まれてない。演出が大人しくなり、代わりに盛り上げるドラマチックさが上がらないのでは、尻窄み感が出てしまう。
エモーションが犬王と友魚の舞台に集約されすぎててドラマ部分に足りてないんだよな。
スタートダッシュを決めたからこそ余計に、薄まっていくドラマ性を残念に感じるんだよな。
とはいえ、なかなか面白かったと言っていいんじゃないか。
アニメーション映画の場合、アニメーションでしかやれないようなことが観たいと常々思っているが、その個人的な望みは叶えられていると感じた。それだけでも充分に及第点。
ロックスターの真似事は寒い
御伽草子って物語を伝えるためのものだから説明口調になってしまうのは仕方がないと思うけどロックとは合わないと感じてしまった。
昔ながらのロックスターがライブでやっていたような動きがたくさん出てきてそれがかっこいいと思えず興ざめした。
ここでマイケル・ジャクソンを出す必要があったんだろうか。
この時代にこういう芸がないからこそ、ロックスターなどの真似事じゃなくて犬王にしかできない動きやパフォーマンスが見たかった。
琵琶の良さとかは特に知らないけどただロックに置き換えられ、日本の音楽は古い!これからはロックだ!って言われているようでアメリカかぶれ感や今更感がすごい。
時代が違うんだからロックの方が新しいのは当たり前なんだけど、日本音楽の良さを活かしながらもうちょっとうまく融合させられなかったんだろうか。
誰かが書いていたけど、犬王の心情の変化が全く描かれておらず、何度も芸をして少しずつ人間の体に近づくっていう単調な話でつまらなかった。
犬王と目が見えない少年との出会いもあっさりしていた。
ミュージカルなのに曲がどれもシンプルでつまらなく好きになれなない上に長いことと、ストーリーも急展開などがなくはいりこめなかったので人には勧めづらい。
秀逸ミュージカル
ぶっ飛びすぎてストーリー理解できないけど、音楽が最高。
犬王の記録が殆ど残っていない点に着想を得ているのかな。
いくら優れているものも、時の権力者には握りつぶされていく。
人ならざるものの生み出すアート、人になって滅んでいくアートの描き方が切ない。
最後の二人のシーンは原点回帰。
大体のアーティストは言う。好きなことをしたいだけ。
アヴちゃんの歌、最高ね。
百鬼丸!そしてジミー・ヘンドリックス♥
手塚治虫先生の『どろろ』百鬼丸とどろろ『火の鳥 鳳凰編』 茜丸と我王。
ミュージカル見たくて面白いのだが、ジミー・ヘンドリックスとフレディ・マーキュリーの模倣になってしまっている。かなぁ?
音楽は、ギターのソロをもっと活かして、歌は、ハモってもらいたかった。
一噌幸弘さんの東京ダルマガエル見たいなJAZZと邦楽のスーバークロスオーバーをどうしても望む。『どひょひょ』をDATへアナログ録音して聞いていたのを思い出す。
アニメーションの表現は良いと思う。やはり、日本のアニメーションは奥が深い。もう少し、グロくて醜くても良かったと思う。シンメトリーを保てぬ醜さが、日本の古来の文化の中で、何度も語られている事を知らしめて貰いたい。
足利義満と言う事は、北山文化、故に金閣寺という事だと思うが、金閣寺の炎上と絡めるとか、話は幾らでも奇妙に作れると思う。どうせ、ファンタジーなのだから。
人による
物語を見たかった私としては物語を聞くこの映画は微妙でした。
この映画の大半は歌です。確かに音楽・歌声は良かったのですがもう少し削って会話等入れてほしかったです。
主人公たちの年月経つの早すぎだな、と思いました。
それとちょいちょい入る口のドアップが汚すぎてクチャラー系が苦手な私は直視できず。その間は目をつぶってました。
しっかり歯磨きできない時代だからなのですがあのシーンを映画館の大画面で見る勇気がないです。(しかも歌ってる時なので結構長い)
あまり顔がリアル寄りの画風のアニメーションは見ないからなのですが…(唯一みたリアル寄り画風は鉄コン筋クリート、パプリカのみ)
音楽無しver.でも十分面白そうな設定なのに敢えて歌パートを大量に入れたこの映画はかなり尖って振り切った作品だなと思いました。
ミュージカル映画と思って視聴したほうが良いかと思います。
現代に通ずる過去の歌
実在した犬王をモデルに、アヴちゃん演じる犬王と森山未來演じる友有が描く物語。
物語としてはハッピーエンドとは言えないが、結末に至るまでの犬王と友魚の苦悩を見れば、幸せな2人を感じ取ることができる。その一助となるのが、アヴちゃんと森山未來の歌声である。
アヴちゃんの次世代を担う歌声は、異形から美の化身へと生まれ変わる犬王の声そのものである。そして、そのアヴちゃん改め犬王の歌声へと我々を誘うのが友有、森山未來の優しくも力強い歌声である。
また個人的には、犬王の歌から歴代のアーティストの曲調を感じ、その名前からも音楽界の貴族たる歌力を感じ取った。まさに、現代に蘇るライブである。
甞て栄光を誇った平家の無念や怨念に寄り添うエネルギッシュな作品
最初に、この作品はグロテスクな描写があるのでそういうのが苦手な人はやめておいたほうがよいと忠告させて頂きたい。
この作品は、最近見たガリーボーイを思い出すようなミュージカル的表現を全面に押し出した作品だ。2021年にその名も『平家物語』というアニメが放映されおり、この作品はその一年後のアニメ映画作品。個人的に2022年に厳島神社を訪れており、縁を感じて気になっていたので視聴。平家物語が最近になってクローズアップされる理由は、バブル期の日本を懐かしみ今の日本の状況を憂う作り手達の本能によるものなのかなと本作内容にはあまり関係ないが思う。
作画表現は一品。テーマ性も悪くない。しかし個人的にミュージカルの映像表現によって展開にダレを感じた。映像表現はとても良いので、アニメおたくにはお勧めたい。内容的には歴史好きにももちろんオススメだ。
最後に、日本神話が好きな自分としては、三種の神器の一つ草薙剣を海から引き上げた時の描写が、シーンは短かったが強く印象に残った。三種の神器は、実際存在するもの(海に沈んだり行方不明になって再度作られたものもあるだろうが)であり、一般に目に触れうるものではない。そういう日本の文化の中で大切で重要なものを、フィクション内ではあるものの実際にあるものとしてその凄まじい霊威を表現した勇気と表現力を称賛したい。
見届けようぜ
当時の能楽師をロックで表現されているのが斬新!
アヴちゃんの歌声に惚れてまうわ(//∇//)
犬王という実在した人物
気になった点は
①仮面をかぶっている
②見た目が人と異なっている
③舞台に立つにつれ体を取り戻す
①については、「素性を見せない」という思いが込められていて、犬王が後世に名が広がらなかったのとリンクさせている
②について、生活の環境や、性格、出来事を、表現しており、幼少期の頃で例えると、残飯を食うシーンや、親から捨てられている事実、悪ガキのように街を駆け走るシーンが見られます。
③にかんしては、思い浮かんだのは どろろ
しかし、どろろとは異なる表現をされており、
どろろの場合は、体の部位を取り戻すことで、聴覚や視覚、痛覚などの大切さを伝えた作品
犬王では、体を取り戻すとこで、周りに認めてもらうなど、犬王という自分を捨てるという思いが込められていた
決定打なのが、仮面を取った後の出来事だ。
犬王は友魚とは違う道に進み、足利義満の言いなりになったことにより、犬王という名を捨てたこと
琵琶を弾かない琵琶法師はいらない
時々この映画を思い出してしまうので、レビューを書いてこの映画への執着を終わらせたいと思います。
自分は能の音楽が好きなので、この映画でどんな風に現代化されるのだろうかと楽しみにしていましたが、大変がっかりしてしまいました。
日本の伝統音楽といえば琵琶とか三味線とか楽器(音色)でイメージされがちですが、それだけでなくリズム感にも特徴があります。
特に能は、緩急が一句一句についているし、その緩急を導き出す間の取り方、密度の作り方が他の芸能にも増して際立った特徴をなしています。
大鼓が大きく一拍をとって、小鼓が従いながらも駆けていく。笛がメロディーを吹いているように見せかけて、リズムを主張しながら大鼓と小鼓のやりとりに絡んでくる。そしてここぞという時に全てをさらっていく太鼓のリズム。
歌では息を直接操って自在に緩急をつけ、しかも舞台上の空気の密度まで変えてしまう力を持っています。
このやりとりが時に喧嘩になってよくわからなくなったり、絶妙に調和して人を興奮させていくあり方が能の音楽の醍醐味です。
だから『犬王』では、日本の伝統的な音色でなくていいから、欧米発の楽器を使ってでもこのリズム感を現代人に聴かせて欲しかったのですが、最後まで一昔前のロックでした。
自分もロックは好きなんですけどね。
能とジャズは似ているとはよく言われます。ジャズ要素を取り入れてもよかったんじゃないでしょうか。
他にも能のセリフ、息遣いといった要素などを表現するならラップでやってみてもよかったかもしれません。
製作陣は能の舞台をちゃんと見たんでしょうか。初め何回か見ても眠いだけかもしれませんが、少なくとも犬王に影響された世阿弥がどんな舞台をどんな技法で作ろうとしたか理解するまで見るべきだと思います。芸術家なんだからそれくらいやってほしいです。
琵琶の音は聞こえないし、リズムも西洋音楽に乗っ取られているし何のための琵琶法師だったのかいまだにわかりません。
琵琶を弾かない琵琶法師が一人処刑されたところで、何の感慨もありません。
以上、才能もやる気もない自分がたらたらと書いてしまい申し訳ありません。
アブちゃんはすごくよかったと思います。
600年の歌
能楽なんてまるで馴染み無い世界。言葉通り能を付けて演技や舞踏をする日本の伝統芸能。
二つの朝廷が睨み合っていた南北朝~室町時代に実在した能楽師・犬王を、大胆解釈で描く。
映画祭でも軒並み評価は高く、何より鬼才・湯浅政明監督の新作という事で鑑賞。
が、馴染み無い世界。話や設定も入り難く…。独特の湯浅ワールドが拍車をかけ、正直期待ほどではなかった。『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』の方が好きかな…。
劇中たっぷり披露される歌唱やパフォーマンスは圧巻!
伝統芸能・能を題材にしていながら、ロック・ミュージカル。
琵琶をギターのように弾き、現代音楽が鳴り響く。
湯浅監督ならではの異色さと斬新さ。
大友良英による音楽や楽曲が素晴らしい。
見事な歌声を聴かせてくれた主演二人のボイス。
犬王の声はアヴちゃんとか言う中性的な魅力のバンドのボーカル。本業なので当然だが、驚いたのは森山未來の上手さ。
魂の熱唱は聞き応えがあった。
醜い容姿故面を被り、人を食ったような言動の犬王。
ある呪いで盲目となった琵琶法師の友魚。
歌う事でこの世界を生き抜いていく。
斬新で見た事ない歌がウケ、ヒット曲を連発。
その評判は人々や朝廷の耳にまで入るのだが…。
時代の寵児というのは瞬く間に稀有な存在となり、その存在を疎ましく思われる。
朝廷から不要とされ、彼らの末路は悲しい。
地縛霊となってこの世をさ迷い続ける友魚。
そんな彼をようやく見つけた犬王。
悲劇的でもあるが、天に召されていく。
600年の時を経て。
彼らの歌は時代に届く。
今まで見たアニメ映画の中で一番嫌い
嫌いポイント
・絵が気持ち悪い(これは個人の好き嫌い)
・犬王の素顔がダサい
・声優の演技がクサくて見てて恥ずかしくなる
・伝統的な能が古くてつまらないものと描かれ、犬王と友魚のパフォーマンスが斬新で素晴らしいものとして描かれている。それはいいが犬王と友魚のパフォーマンスはまんまマイケルジャクソンやクイーンといった往年のスターの模倣だった。中世日本にポップやロックを持ってくるなんて異世界転生なろうみたいだと思った。
・動きがカクカク、カットの使いまわしが多い。予算が少ないのか?
・ロック=斬新でイケてるというような、いかにもオッサンが作ったような映画だった
・キャラデザ、歌、パフォーマンス全てがダサくて見てて恥ずかしくなる
良かったポイント
・アヴちゃんの歌が上手い
・最初の雨のシーンが渋い
・悪い父が死ぬシーンの肉片描写が良かった
※いつも以上に個人的備忘録 女王蜂が曲提供をしているらしいというあ...
※いつも以上に個人的備忘録
女王蜂が曲提供をしているらしいというあやふやな前情報で鑑賞。
女王蜂も、何曲か知っていて好きという程度。
日本史に疎く楽しめるか不安だったが、話にはぎりぎりついていけた。
名前だけでは「ん?」となってしまっても、顔が映ると誰かわかる。デザインの妙。
ただ源平の細かいところはよくわからず……とはいえ、加点式の情報というか、「わかるともっとおもしろい」であって、「わからないとおもしろくない」ではなかったので、源平のことを少し勉強して出直したいなと思えた。
ちょうど、これはもしかして傑作映画なのでは?と気づいたタイミングでかなり具合が悪くなってしまい、劇場を出ないとまずい、でも動けない状態に。序盤を除き、ほとんど意識朦朧としながら鑑賞した。ただ、意識朦朧としながら観るには最高の映画であったかもしれない。
日本の音楽が消え、アメリカのロック万歳に
能楽師と琵琶法師の話ということで、三味線を弾く身としては日本の音に期待して観に行った。
でも、音楽がアメリカのロック寄りになっていくにつれ群衆は熱狂。クイーンの有名なリズムまで出てきた。
舞も最終的にブレイクダンスやバレエの動き。
日本の音階やリズム、五線譜には当てはまらない日本の音楽は消えていった。
結局はクイーン世代の人が作ったのだろう。音楽が大友良英さんなのにと思ったけど、大友さんは違う形を提案してたらしい。
日本の舞にもゾワっとして高揚するような踊りがあるのに。
ストーリーも、犬王は手塚治虫のどろろを連想させる。
しかし魂を売った父親は、結局あれだけの事をしたのに何の才も手に入れてないのが疑問。
映像の見応えはあった。
アメリカのロック自体は嫌いじゃない。
ただ平家物語をやるのなら、もっと日本の酔狂な音を拾ってほしかった。
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