「宇宙漂流598万年」ANIARA アニアーラ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙漂流598万年
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ANIARAとは8000人もの移民を乗せて火星へと向かう壮大な宇宙船。スウェーデンのノーベル文学賞受賞作家ハリー・マーティンソンの代表作の映画化ということで、ノーベル賞作家の描くSFとはどんなものかと興味をもって鑑賞。
宇宙船と言うより巨大なビル、3週間で火星につく筈が事故で漂流、豪華客船の様な船内で途方に暮れる乗客たちが繰り広げる卑猥な珍騒動、なんと漂流は598万年余も続き地球によく似た系外惑星がある、こと座周辺に達したところで、やっとThe END。でも原作の系外惑星はおおくま座のHD 102956を回る木星ほどの惑星、HD 102956はスェーデンがマーティンソンの代表作にちなんでANIARAと名付けたそうだ。
てっきり、SF小説かと思ったら原作は103の章から成り、全103編からなる教訓詩集だそうだ、教訓主義は、文学その他の芸術の中で、教育的で有益な特質を強調する芸術観のことらしい。人間の脆さと愚かさを描いた壮大な物語とスェーデンでは評価は高かったようだが、ノーベル賞を巡ってはハリー・マーティンソン自身がスェーデンアカデミーの会員だったことから批判を浴び、精神を病んで切腹自殺したというから、そもそも曰く付きの作家さんだったのですね。
SFものと期待したのが失敗でした。
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