「これには、副題がある。”時間と空間における人間の復活”」ANIARA アニアーラ Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
これには、副題がある。”時間と空間における人間の復活”
この映画は、個人的考えとして聞いてもらいたいのだが、前半の40分と後半の約1時間で映画の質や雰囲気が変わるので、それを理解できる方は、おおむねこの映画を諦めずに見ることが出来る方であって、、また興味を失わずにかろうじて最後まで支持をされる方と思われる。ただし、それ以外の方は、このシナリオの進行の遅い何とも言えないディストピアの世界に対して、言い過ぎかもしれないが、見るのをあきらめてもらうしかないと言える。
My conscience aches for the stones.......
I've heard them cry their stonely cries,
seen the granites white-hot weeping......
I've been troubled by their pains.
In the name of Things I want peace.
I will be done with my displays.
There is protection from nearly everything.....
..................How grim it always is, one's detonation.
この映画自体は、大型とはいえ宇宙船内を描いたソリッドシチュエーション・Sci-Fiスリラー映画として成立していて、燃料を捨ててしまい制御不能となった為、宇宙船の乗客の心理的不安や焦燥感が現れ、最初快適であった船内においては、人工知能型癒し空間・MIMAを利用する乗客は数人程度であったにもかかわらず、事故後はさばき切れないぐらいに膨れ上がり、彼らの精神的よりどころとなっていたMIMAであったが、その過剰な乗客の感情を処理しきれなくなり、MIMA自体が自己暴走して崩壊してしまってからは、その精神的よりどころを失ってしまい乗客の一部には、感情失禁をしてしまうものもあらわれ、船長の独断的部分も登場してしまう。
アメリカボストンの日刊紙Boston Globeの記者のコメント「'Aniara'は、これまでに撮影された中で最もクールで、最もコストが高く、最もディストピア的長々と続いた結末が非常にとぼけた話かもしれない。」新聞に高級というものがあるのかも知れないがニューヨークで第3位の発行部数のNew York Timesのコメント「主に、これは生きる意志を失うという経験をシミュレートする映画であり、勇敢な宇宙航海者にとってさえもひるませてしまうような大前提となっている。」カナダ最大発行部数を誇るToronto Starのコメントの一部「ここでの宇宙船はJ.G.バラードの小説におけるような"生存を左右する罠”であり、そしてその結末は完全に満足のいくものではないかもしれないが、それはいかさまなものではない。」(1987年スピルバーグ監督の映画「太陽の帝国」を覚えている方は、その原作者として知られています。)
どなたかが言っていたが、途中理解できない女性の裸や性的な部分が唐突的に出てくるのだが、その意味を考える脳みそを持ち合わせていないので、個人的に理解するのをあきらめた。それとどうしてもわからないのがラストのシーン。あまり詳しくは言えないが、フランスの作家、ピエール・ブールの小説をもとにした「猿の惑星(1968)」とよく似ているが、それもおかしな話で金属がそこまで持つか?いくら宇宙空間とはいえ......?
ある人がラテン語を使った揶揄として"Parturiunt montes, nascetur ridiculus mus.”と表しているし、この意味するものが、原作者に対して評価とするならば、"死人に口なし"ってか?いい過ぎました。すみません。謝るぐらいなら言うなってか!