「【”愛無き且つ人間として許されない行為を行う父への歪んだ想いが行わせた凶行。”今作は、未解決事件として著名なリジー・ボーデン事件を新たな解釈で描いた哀しきスリラーである。】」モンスターズ 悪魔の復讐 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”愛無き且つ人間として許されない行為を行う父への歪んだ想いが行わせた凶行。”今作は、未解決事件として著名なリジー・ボーデン事件を新たな解釈で描いた哀しきスリラーである。】
■1892年4月4日。アンドリュー・ボーデンとアビー・ボーデン夫妻が斧で何者かに惨殺された。
容疑者は末娘のリジー・ボーデン(クロエ・セヴィニー)。
法廷に立つ彼女を複雑な表情で見つめるのは若き女中のブリジット・サリヴァン(クリステン・スチュワート)であり、彼女は証言台でリジーに有利な発言をするのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・劇中では、まず、義母と実父の愛を得られないリジー・ボーデンが、字が書けないが真面目なブリジット・サリヴァンに優しく字を教え、禁断の関係になる事が描かれる。
・一方、アンドリュー・ボーデンは、夜な夜な屋根裏部屋に住むブリジット・サリヴァンの部屋を訪ねている。
■そして、史実では無罪になったリジー・ボーデンが、斧で義母を殺害し、それを見たブリジット・サリヴァンが、斧で自分を辱めているアンドリュー・ボーデンに向かうが、リジー・ボーデンがその斧を奪い、父の顔に振り下ろすのである。
このシーンが、実に淡々と描かれている所が恐ろしいのである。
<今作では、未解決事件であるリジー・ボーデン事件を”ある観方”で描いている。エンドロールで流れるテロップは、リジー・ボーデンが財産目当てだけで、凶行を行った訳ではない事が、暗喩的に流される。
そして、リジー・ボーデンの寂しい生涯も。
今作は、未解決事件として著名なリジー・ボーデン事件を新たな解釈で描いた哀しきスリラーである。
あと、私は普段はこういう事は書かないのだが、この作品は日本では正式公開されなかったとはいえ、邦題はもう少し考えて欲しかったな。
又、クリステン・スチュワートは、今後も今作の様な役が増えていくのだろうか。仕方がないが少し寂しい気がするな。>