「リアリティに欠けるがむしろ新鮮」糸 Naotanjrさんの映画レビュー(感想・評価)
リアリティに欠けるがむしろ新鮮
平成元年生まれの二人、という設定の割には極めて昭和っぽい感じがした。二人の出会い、養父からのDVに苦しむ少女と、無垢な少年との初恋、、期待に反しその後の展開が陳腐すぎる。平成に起きた事件や出来事の取り扱いも中途半端な気がした。この映画のテーマが、二人が別々の人生を歩み紆余曲折を経ても、二人の心の底にはお互いを求める気持ちがあった、ということとするなら、そこまで遠回りしなくてもと思うし、もっとお互いの状況を知っていてもおかしくないし、むしろなんの連絡もせず、偶然に再会するパターンが多すぎてリアリティに欠ける気がした。最後のハッピーエンドがその最たるもので、あのような抱擁はありえない気がしたし、これが「運命の糸」と言うなら、皮肉ですがさすが映画の世界、、と言わざるを得ない。しかしながら、逆に、これまでにはなかった恋愛映画としてある意味成功しているのか。初恋こじらせ男子と、世界を自由に羽ばたいていた女性が、時を経ても愛し合えるのか、エンドロールを観て疑問も残った。 もちろん実生活のお二人には幸せになって欲しいですが。
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