劇場公開日 2020年8月21日

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「重厚で感動的なストーリーだが惜しい」糸 あいわたさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5重厚で感動的なストーリーだが惜しい

2020年10月12日
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鑑賞方法:映画館

平成史と共に歩んできた2人の恋愛映画。
糸・ファイト・時代など、色褪せない中島みゆきさんの名曲とそれにマッチしたストーリー、主演の2人を中心とした人間模様など、非常に魅力的な映画だった。(キャストも非常に豪華!!)

長すぎる初恋を描くストーリーは、弥生 三月 君を愛した30年に近い(偶然にも成田凌さんが両作品に出ていますね。)が、自分はストーリーが王道的な本作の方が好きだろうか。

非常に魅力的な映画だが惜しいのは2点。
クライマックスのシーン、ケータイ(スマホ)はどこ行った?笑 いくら相手が既婚でもメアドくらい交換してるでしょ。幼馴染の初恋相手なんだから。恋愛映画の王道的場面とはいえ、現代ではありえない展開。(弥生〜はそのあたりに向き合っていた。)

まぁケータイの件はご愛敬として、、、
平成元年生まれの主人公2人と同世代だからこそ感じるのだが、流石に人生が濃すぎませんか?31歳で、結婚相手をガンで亡くしたり、親友が再婚していたり、海外で起業して友人に裏切られたり。人生の濃さ的にせめて40歳くらいでないと説得力が無いよね。

平成元年生まれの2人の主人公という設定と、菅田将暉・小松菜奈という、若い主演キャストが原因でしょうか。
テーマからすれば、平成元年生まれの設定には拘らず40代の設定&キャストの方がベターだったと思います。物心ついてから昭和→平成の改元を経験した40代の方が“平成史”を実感しているし、中島みゆきさんの曲も刺さるでしょう。
結局のところ、映画のターゲット層が不明瞭なのです。平成生まれがターゲットなら平成史を振り返るというテーマは壮大過ぎるし、昭和生まれがターゲットなら主人公が若過ぎる。実に惜しい作品でした。

あいわた