「史上に残るラブストーリー、感動しました」糸 ichigoichieさんの映画レビュー(感想・評価)
史上に残るラブストーリー、感動しました
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人生は何が起こるか分かりません。
親を選ぶことはできませんし、別れ、震災、妻の病気、死、裏切り、上手く行く事の方が少ない中でそれでも生きていかないといけないから、1からやり直す、折り合いを付ける、向上心を奮いたたせる、そんな人間の悲しさのようなものが上手く演出されていました。
子供の頃、あおいを助けたくて逃げた大切な思い出は、なかなか人生で経験できるものではなく、この時点での無理矢理な別れが、まるで接点のないその後の人生で互いを強く引き寄せたのだと、縁の不思議さも感じました。
糸というタイトルですが、その糸とは赤い糸に限定されるものではなく、レンにとっては妻子や妻の親、上司、友人、その先にあおいがおり、若いうちから丁寧に縁を紡いでいる彼の生き方にも感動しました。あおいは幼少の頃より悲運で人に裏切られる事の多い数奇な人生でしたが、エンドロールを観て、幸せになってほしいと素直に思える演出も評価できました。
ラストシーンは令和に変わるカウントダウンの時で、新しい時代に誰もが想いを馳せました。今のコロナ騒動で昨年の事ながら映画で観ると懐かしさを感じたわけですが、2人の目線での一区切り的な印象をこうした大きな出来事を通して感じることが出来る演出は、素晴らしいと思います。
演技面では、榮倉さんの演技がとても良かったです。よざんですが、主役のお二人がリアルにお付き合いされてるのも気になっていたので、チームワークもピッタリで、ここ数年の邦画作品では史上に残る出来栄えではないかと感じました。
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