「暖かい布に包まれて」糸　むっしゅさんの映画レビュー（感想・評価）

中島みゆきの名曲に乗せて描かれるふたりの男女、そしてその周囲の人々の物語。
よく言う一本の赤い糸ではなく、平成という時代を織り込み厚みのある布となった幾重もの糸。
その分だけドラマがあり、喜怒哀楽があり、心を動かされる。
菅田将暉の極自然体の演技力、小松菜奈の魅力、脚本も悪くない。
「泣いている人がいたら抱きしめてあげる」 この言葉に胸が詰まり涙が落ちてしまった。
人間はそんなに強くない。今の時代にこそ必要な行為ではないだろうか。
そうして織り上げられた暖かい布に包まれてエンディングの余韻に浸った。