劇場公開日 2020年8月21日

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「絡まりほつれ切れる糸 たぐり紡ぎ繋ぐ糸」糸 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0絡まりほつれ切れる糸 たぐり紡ぎ繋ぐ糸

2020年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

お金があるところにヒトが集まるのが
資本社会のひとつの定観であって
実際、資本の巡回に身を委ねることでしか
生きていくことの出来ないわたしたち…

まるで〈お金〉という神さまを崇める
宗教信者のようだ。

そんな身もフタもない言い方に
置き換えられてしまえる世界のなかで
突然現れては、突然去っていくヒトたちがいる。

なんだかんだ言いながら永く関わってるヒト。
共に歩むと誓ったのに袂を分かつヒト。

季節のようにうつろう人間関係…

今思う。
あの時の様々な出会いと別れが
すべて人生の分岐点であったのだと。
その点と点とが繋ぎ合わされて
今の自分の輪郭が出来ているのだと。
出会いと別れを繰り返して
ヒトは生きていくのだと。

それを〈運命〉だとか〈奇跡〉だとか
どんな言葉で取り繕うとも
結局は自分の想いひとつで
人生はいかようにも変化する。

他人や自身を縛ることも、絞めることも
絡まることもあるだろうが
うまく納めることもできるだろう

ひとり思案にふけってプランを練ることも
仲間たちと想いを累ねることもできるだろう

今の仲間との関係を続けてもいいし
終わらせてしまった関係もあっただろう

そしてふたたび縫うことも、繕うことも
紡ぐことも、織ることも
繋ぐこともできる
何度でも、何度でも...

ヒトとヒトとの糸と糸とが組み合わされて
結ばれた〈 絆 〉 に突き動かされて
わたしたちは生きているのだ...

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。.

この映画はけしてテンプレート恋愛映画ではなく
だれの身にも起きている、
当たり前の奇跡の物語だと思いました。

野々原 ポコタ