「歌が良いのと映画の出来は別」糸 kita-kituneさんの映画レビュー(感想・評価)
歌が良いのと映画の出来は別
予告編からして、お涙頂戴モノ巨編感ありありで、ダメ邦画の典型かと思いつつ、中島みゆき嬢の作品由来と言うことで観に行った。
が、予想に違わず眠たくなるような展開。
画的には、(フランス映画じゃないのに)ルノーカングー(黄色のヘンなカタチのクルマ)が見られたのが良かった。
ラストは予想通り?
気になった点
・漣のほうの家族が出ないのが、はなはだ疑問。
・北海道の人間が、自分たちの地域のことを言うのに、いちいち「北海道云々」と言うのが、うっとおしい・・・普通に地域名「札幌、美瑛、上富(かみふ)」(市町村までは呼称しない)とか、言っていると思うが。十把一からげに「北海道」と言うのは、役所か、内地の人間だろう。
・冒頭、自転車が宙に飛ぶ・・・おちゃらけなのか、知らないが、観るのが嫌になった瞬間。アニメ「君の名は」じゃないんだから・・・
・葬式の場面は、ほぼ全部カットでいい。伏線のためにやっていたのだろうが、説明的で無駄カットの典型。
・子供が湖のあるコテージにどうやって行った?と言うのは野暮か。雪の美瑛周辺、子供があちこち行けるほど狭くはないはずだが。
・乗り心地の良い?カングーとは言え、400km近い距離を行くのは、なかなか大変だが・・・(北海道の地理に疎い、内地の観光客のような行動パターン)
・中学校の初恋で結婚・・・ま、ファンタジーと言うことで野暮な突込みはナシで。
・今のご時世で、よく喫煙シーンなんて撮ったな・・・
・舞台が美瑛なのに、地道な農業家の話ではないんだよなぁ・・・半端な虚業の話ばかりで、正直、「糸」である必然性を感じない。
(第一次産業に波乱万丈ないでしょ、と言うことなのか、TV屋さんの発想?)
・主人公の友人の歌う「ファイト」は、まぁまぁ聞けた。中島みゆきの曲、本人以外(提供局除く)で歌唱が許容されるのは研ナオコくらいだと思うが。
正直、中島みゆきのファイト以外は聞きたくない。ヘンに他の歌手に感情込めて歌われると気持ち悪い。
・いっそのこと、「ファイト」で話を作っても良かったのでは?とも思う。
・「糸」の使い方は2回で良かったし、切り方がヘン。ラジオのリクエスト番組じゃあるまいに。
・ラスト、あの子はちゃんと折り合い付けられるのかな、と、心配。