劇場公開日 2020年8月21日

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「「糸」の2番目の歌詞を背景に、親友に裏切られた葵がシンガポールのホッカーセンターでくそ不味いカツ丼を食べながら泣き出すシーンが気に入った。小松菜奈の成長に★半分オマケ。」糸 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「糸」の2番目の歌詞を背景に、親友に裏切られた葵がシンガポールのホッカーセンターでくそ不味いカツ丼を食べながら泣き出すシーンが気に入った。小松菜奈の成長に★半分オマケ。

2020年8月22日
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鑑賞方法:映画館

①涙腺が緩くなる歳なのでお約束の場面では必ずウルウルしてしまったが、それと映画の出来とはまた別物。②私にとって中島みゆきの「糸」とは、別々の人生を歩んで来たもう少し歳を重ねた男女が巡りあって結ばれる、というイメージ。私が書くとしたら幼なじみという設定にはしないとも思う。でもまあ、これはこれで悪くはない。③演出は可もなく不可もない。良く言えば素直、悪く言えばうま味がない。脚本も色々と平成の出来事を織り混ぜて(上っ面だけだけど)何とかまとめている点は評価したいが、もうひとつリアリティーに乏しい印象。漣の両親が全く出てこないのも話に幅が出てこない。現実感・生活感を損なっている。ここは、少し尺を長くするか、他の場面を削ってでも漣の両親を出すべきであったと思う。④驚いたのは小松菜奈の演技が巧いこと。『渇き』での鮮烈なデビューがまだ印象的だが、一本の映画を支えられるくらいの女優に成長している。一方、菅田将暉だが思った以上に光っていない。悪くはないが今までの菅田将暉の枠を出ていない。時々台詞に関西弁のイントネーションが出てくるのが微笑ましい。成田凌は主演でも助演でも光る好ましい役者になってきた。二階堂ふみも東北大震災で被災した心の傷をちょっとした台詞や仕草でそれとなく表現して上手い。⑤「糸」「ファイト」の使い方もなかなか良かったと思う。個人的には「二艘の舟」も使って欲しかったけれど、尺が長いし他の映画になりそうだもんね。⑥昭和から平成に変わった時は丁度シンガポールで駐在していたせれど、シンガポールも当時からすると随分変わったね。葵にネイリングをしてもらっているシンガポール女性の『昔は東京まで(してもらいに)行ったものなのに、今はそっちから来てくれるのね』という台詞が平成の日本を一番象徴していたかもね。(私が駐在していた頃はシンガポールにとって日本はアジアで一番繁栄していて憧れでもあり目標の国だったのが、今は逆転しているものね。)

もーさん