劇場公開日 2020年8月21日

「平成から令和を駆け抜ける一本の長い糸。きっと「良い映画を見た」という気持ちになれる作品」糸 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

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4.0平成から令和を駆け抜ける一本の長い糸。きっと「良い映画を見た」という気持ちになれる作品

2020年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

平成という時代は30年といった規模だったので、平成元年生まれの2人が10代で出会い令和元年では30代ということになります。
これまでの多くの恋愛映画では、ひと夏の経験など、ごくごく短い期間が対象だったり、10年だったりしたわけですが、恋愛模様としては、20年くらいの大きなスパンの方が面白いのかもしれませんね。
その意味で、特に日本では「時代とともに駆け抜けるラブストーリー」もアリだと思います。
ただ、この発想は「弥生、三月 君を愛した30年」とも重なり、もし新型コロナ騒動がなければ同じ東宝で連続公開状態だったので、結果的には公開時期がズレて良かったのかもしれません。

まず、本作は邦画にしては豪華な方で、俳優陣も菅田将暉、小松菜奈、榮倉奈々、成田凌、二階堂ふみ、斎藤工、山本美月、高杉真宙など錚々たるメンバーです。
しかもロケーションも北海道を拠点に、東京や沖縄、そしてシンガポールまで広がっていきます。
さらに、その豪華さに応えるように、瀬々敬久監督の演出も良く、ほぼ言うことのない完成度でした。(気になった2点は、最後に書いておきます)
一つ一つのエピソードは、どこかで見たことのあるシーンも少なくないですが、軸がしっかりしているので自然と物語に入り込んでいる自分を感じます。
新型コロナ騒動で、令和という時代をそれほど実感できずにいる私たちですが、改めて時代の軸を体感する意味でも、本作の意味は大きいと思います。
要所要所で中島みゆきが作った歌が流れ、少なくとも、私がこれまでに見た「歌をモチーフとした邦画」では、本作が一番出来が良かったです。

マイナス要素があるとしたら、以下の2点でしょうか。
1.最初の出会いの自転車が飛ぶところは良いとしても、あれだけ壮大に転べば周りの人が(親切な人の多い日本だと)もっと駆け寄ってくるはず、という点です。
2.ラストの小松菜奈が扮する葵の行動は、「情報の面で必然性が欠けている」ような気がします。(本作に限らず、なぜか携帯電話というツールが突如、物語から消え去るのは、王道的な恋愛映画の設定には厳しい時代なのかもしれませんね…)

細かい点ですが、最初と最後は一番力を入れてほしいところなので★4としますが、本作は、きっと「良い映画を見た」という気持ちになれる作品だと思います。

コメントする (コメント数 6 件)
共感した! (共感した人 47 件)
細野真宏
細野真宏さんのコメント
2020年9月12日

クルクルさん、こんにちは。
そうですね、私も連絡先は知らない方がしっくりくる面はあると思います。(実際に「そういう設定なんだな」と補完しながら見ていました)
ただ、そうなるとラストの展開に無理が生じてしまう点だけが残念に思っています。

細野真宏
クルクルさんのコメント
2020年9月12日

連絡先を交換する描写もなかったですし、私は連絡先を知らない方がしっくりする気がします。

クルクル
細野真宏さんのコメント
2020年8月23日

たくみさん、こんにちは。
2人は携帯を持っていますし、後半の葵のシーンでは大事なシーンで使われていたりと、他の人とはやり取りやツールとしての活用はしていますよね。
ただ、まさに一番自然なはずの2人のやり取りだけはないんです。
「番号を教え合わない決まり」とかを描いていれば、まだ自然かもでしたが、それもありませんでした。
とは言え、仮にそれをしていてもラストの葵に情報が少なすぎる状態は変わりないのです。

細野真宏
たくみさんのコメント
2020年8月23日

2人はお互いの携帯番号は知ってたのでょうか?
そういうような場面ありましたっけ?

たくみ
細野真宏さんのコメント
2020年8月12日

K.ミコライオさん、こんにちは。ご指摘ありがとうございます!
先行公開のことを忘れていて急いでアップしてしまい、誤字でした。
令和元年も抜けていました(笑)
引き続きよろしくお願いします。

細野真宏
K.ミコライオさんのコメント
2020年8月12日

>>平成元年生まれの2人が10代で出会えば令和では40代ということになります。←????????????

平成元年生まれは令和の今は30代では?

K.ミコライオ
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