猿楽町で会いましょうのレビュー・感想・評価
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「あなたはどんな人ですか?」
物語終盤、2度目のユカの浮気を目撃した小山田は彼女のことを責める。パニックになった彼女を自身の持っているフィルムカメラで撮り続ける。
嘘をつかれ、裏切られ続けた小山田が「お前はそうゆう人間だ」と言いつけるように。
「あなたはどんな人ですか?」と問われたユカは「そんなの知りたくないです。」と答える。
最後、真っ白なフィルムと空っぽになった2人で過ごした部屋、そこに2人の姿は無く物語は終わる。
凄くいい映画で秀逸なラストでした。
田中ユカは《こう生きる》以外に、どう生きれば良かったのか?
チャレンジ特待生。
この嘘臭いアイドル養成の専門学校の詐欺的金儲けと、
アイドルやモデルを夢見る若者への悪賢い搾取。
芸能界の構造的欠陥だし大人の汚い儲け第一主義。
新潟から上京して仕送りもなさそうなユカ。
男に依存して生活し、嘘をつき、風俗でバイトして、
芸能界のスターを夢見る。
自分はたいした役もつかず、
売れてきた仲間にはSNSで中傷する。
他にビックリするのはアルバイト先の古着屋の性別不詳の同僚に
対する差別的な軽蔑。
「私は正真正銘の女よ!!」
という優位性にプライドがあるのか?
男に依存して風俗で稼ぎ夢に向かって進む。
プライドがある生き方とも思えないが・・・。
ユカには他にどんな生き方があったのだろう?
カメラマンの恋人の小山田(金子大地)は誠実にユカと向き合う。
彼の恋人として、サポートに回り、美味しいご飯と清潔な寝床と
楽しい会話に優しい励まし???
いい奥さんになって子供を育てて小山田が成功して行くのを
支えれば良かった?
そうかもしれないね。
第一印象では中学生みたいな主演の石川瑠華。
まさかこんな濡れ場を演じるとは思いもしなかった。
「嘘つき」で「男と男の間を無意識に漂う少女みたいな女」
案外、田舎に帰って憑き物が落ちたみたいに普通に生きていくのかな?
石川瑠華が不思議だから「うみべの女の子」も観よう。
ユカルカユカルカ
石川瑠華さんが舞台挨拶に登壇されるというので、それ目当てで鑑賞しました。
誰かが言った言葉を自分の考えのように話すところ。
相手の都合考えず「会いたい」とか言っちゃう感じ。
「女優目指してる」とか言ってるけど本気になれず、そんなこと言ってる自分が好きな感じ。
自分のこと好きって言ってくれるなら誰でもいい感じ。
…全部最高です。
リアリティー半端ないです。
メンヘラ映画と言ってしまえば終わりですが、誰でも少しはこんな経験あるんじゃないでしょうか?
この映画観て「ユカ怖い」って言ってる人は多分恵まれた幸せな人。
ユカは一生一人で何にもなれないんだろうな。
ちなみに石川瑠華さんは「うみべの女の子」でファンになり、その主人公小梅のイメージでしたが、この作品ではちゃんと田中ユカだったし、実物は聡明なキャスターのような…活発な高校生のような不思議な方でした。
君は、今まで、どうやって生きて来たのか。
インディペンデント系の匂いがプンプンするのと、石川瑠華が好きじゃなかったので、ほぼスルー態勢に入っていた映画でした。いや、これはスルーしなくて良かった。
石川瑠華の「あざとさ」を逆手に取ったキャスティング。その石川瑠華が体当たりも体当たりで、ドロドロ女子の醜ささらけ出しの役を見事に演じ切ってて良かったです。体当たりの演技をした若手女優さんと言えば、「歯まん」の馬場野々香さんだと思うんですが。この「全く共感できないビッチ役」は、同レベルで勇気が要ったと思うわけで。
業界の内幕暴露と言うほどの脚本じゃなく、一般公開可能な倫理の内側にとどめてあるんだろうなぁ、とは思いますが、結構攻めてます。所謂、マクラ営業もする女の子に挑む石川瑠華ですが、そういう挑戦的な映画と知ってれば、もっと早く見に来たのにw
今時の都会の若者の恋愛事情にとどまらず。自分がどんな人間なのかを知りたくない、なんて言う虚無の境地の女子。フワフワして甘ったるく生きて行きたいのに、ドロドロした現実にあえぎ、欲望も抑えきれず、孤独とも向き合う強さなんてもんは持ち合わせず、現実とのギャップから目を背ける様に嘘をつくことで生きている女の子。
共感要素ゼロの、あざと可愛いいビッチ。
少しづつ。少しづつ。自己願望を実体化させ、写真家としての方向性を定め、実績を積み上げて行こうとしている若者。
少なくとも、これは恋愛物語じゃなく、恋した男子が現実と向き合わない女子に決別する旅立ちの物語。
「自分がどんな人間なのかなんて知りたくないよ」
観る人に、このセリフをグサリと突き刺すための120分。
映画としてのクオリティも高かったし、これは良かったです。予想をはるかに超えてました。
石川瑠華さん、ごめんなさい。体当たりの演技、良かったです。
これからは応援しますんでw
石川瑠華が素晴らしい
売れてない写真家・小山田(金子大地)は読者モデルのユカ(石川瑠華)に一目惚れし、食事に誘ったりして、距離を縮め、ユカと付き合うことになり、同棲を始めた。小山田が猿楽町でユカを撮影した写真が賞を取り、次第に売れっ子カメラマンになっていくが、ユカはお金がなく小山田に内緒で風俗のバイトをしたりと隠し事が増えていった。2人の運命は・・・という話。
小山田が真面目にユカと付き合ってるのに、ユカはフラフラして元カレとエッチしたり、なんか共感出来なかった。
ユカ役の石川瑠華は透明感有るし、セックスシーンもちゃんと胸を出して演じてて素晴らしかった。
最後はどうなったんだろうと余韻を残したストーリーも悪くなかった。
私ってどんな人?どんな色?
予告からは全く想像のつかない展開を見せる“すごい”映画だった。
駆け出しの写真家小山田と夢を追って上京してきた読者モデルのユカ。
幸せそうな前半。
ただし、ユカからはなんとなく不信感が漂う。
言葉にはできないモヤモヤが蔓延しきったchapter1。
答え合わせ的に始まるchapter2。
そして、chapter3。
何故、嘘をつくのか?私は一体何者なのか?
多分、ユカ本人もよく分かっていないと思う。
わからないからこそ、嘘をつく。
なんでこんな宙ぶらりんな関係が続くのか?本当は誰が好きなのか?
本当に人を好きになったことある?
本当に人を好きになるってなんだろうか。
そういった彼女のヘルプが、画面越しにまざまざと伝わってきた。
登場人物はろくでもない奴らばっか。
男たちはキモいし、女たちは怖いし。
東京という場所に「夢」だけを追いかけてやってきて、訳も分からず、自我も構築されないまま東京の街に染まろうとする。
そして、東京という街に搾取されていく。
だから、どうしようもなくてもユカを救ってあげたかった。
画面のこちら側からでも守ってあげたかった。
知らない方が良いこともある。
どんなに親しくなっても、自分の知らないその人の裏の部分は誰にでもある。
プライベートなことはあまり詮索しない方が良いとは思うけど、愛があればそこに疑いが生まれるのは当たり前のことで…難しい…
石川瑠華さん本当にお疲れ様でした。
なんとも言えないオーラがあり、ヤバいやつだけど守ってあげたいヒロイン感が素晴らしかった。
メンズエステでバイト先の山本君に襲われるところや小山田が帰ってきちゃうところが、やけにリアルで苦しかった。
前野健太さんの印象が悪くならないか心配です笑
何かはわからない。
エンドロールの空いた口が塞がらないほどの衝撃。
東京渋谷区猿楽町。
「丁目」の設定もないこの小さな街が、とてつもなく巨大なものに思えた。
猿楽町で会いましょう。
ポスターからイメージした内容とは大分違い、共感できる人物がほぼ皆無という、ある意味ものすごい作品でした。。
ボスターの印象がすごくいい感じだったので
鑑賞することにしました。
のですが
…
作品中で描かれる世界は
ポスターから受けた印象とはまるで正反対…。
それも
ストーリーが進むに連れ
登場人物の 「ウラの姿・自分勝手さ・醜さ」 が見えてきて…
救いの無いまま 結局エンディング… しくしく。
ただひたすら疲れました。 はぁ
◇
構成のしっかりした作品、とは思いました。 けれど
こうも整然と、しかも
(恐らくは) 計算づくの構成で
「人の醜い部分」 を見せる作品と事前に知っていたら
たぶん観なかったかなぁ…
そんな気がします。
これから鑑賞される方。
純情恋愛ストーリーではございません。
心してご鑑賞くださいませ。
◇タイトル由来
タイトルの由来は
「有楽町で逢いましょう」 …からなのでしょうか?
ならば大人の恋 もしくは ピュアな恋愛
そんなお話かな?
などと思ったのですが
違ってるかもしれませんね…。
(なんか気になっています…)
◇猿楽町
古墳時代後期の円噴が「猿楽町」の由来 とか。 古~
能や狂言絡みだろうから、逆上っても
室町時代あたりが由来かと思ったのですが
古墳の時代とは…。
(ちなみに千代田区にも「神田猿楽町」という町があるようです)
◇余談
観た日にレビュー書いていたら
ものすごく長くなってしまい (…汗)
「ポンポさんに怒られる」 と 書き直し (…大汗)
なのに何故か前よりも長くなりかけて… (…滝汗)
で
鑑賞後、1週間経過
ようやく悟りを開き短く書けました。 ほっ
※「ポンポさん」が何なのか分からない方、
私の直近のレビューをご覧くださいませ。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
楽しめない街
とても楽しみにしていた作品。
過去、さらに過去、そして現在。と時間を分けて
描かれていたストーリーは全てが繋がりを持っていて
人々がみな、つながれていく。
登場人物全員と言っていいほどクズが集まっている。
言動も、行動も、薄っぺらく嘘の塊で
観ていて嫌気が何度もやって来た。
小山田を演じる金子さんの
「俺は尽くしたのに!」感満載のよくいる男性像が
とてもリアルだった。
その中でも、ユカを演じる石川さんの
なんとも言えない、こういう子いる!という演技から
過去に囚われすぎている言葉が心に刺さる。
嘘まみれのユカの行動も言葉も、全て、自分を嫌う内側からの本心のように感じ、現代に生きる人々において、
汚いけど、隠せない自分の甘さを感じた。
猿が楽しむ街なんてのは嘘で、こんなの住んでても楽しくねえよと思ったので、このタイトルにしました。
映画自体はめちゃくちゃ後味悪いけど面白かったです。
トキメキドギマギ
清々しいくらいクズ人間しかいない映画でした。役者のパワーが炸裂していました。
特に主演のお二人。金子さんはヒソヒソっと喋る演技から激昂する演技まで多くの表情が映画内で映されており、落ち着きっぷりは小栗旬さんを彷彿とさせます。石川瑠華さんは面倒臭さが醸し出されていて、とても良かったです。あざといだけに終わらず、男をイチコロにさせるレベルの魅力を放つけど、超かまってちゃんという何面性も持ち合わせる今作屈指のクズです。お見事です。
序盤の主人公2人の撮影シーンや、道路の中央で転げ回ったりするシーンはとても爽やかで、ロゴと一緒だなと感じていましたが、ユカの裏がバレていくたびに、どんどんどす黒くなっていくのがなんとも不思議。
脇を固める俳優陣も素晴らしく、「初恋」の時から注目している小西桜子さんも正統派を演じる嫌味な女を演じていてお見事でした。他者を見下している感じが最高です。
そして劇場では久々に観た遠慮のない性描写。金子さんと石川さんの絡み合いが生々しく、中々興奮しました。
後半に連れていくにつれ、ストーリーが単調なものになってしまい、失速してラストも謎な感じで終わったのが残念です。
近くのシネコンでは1週間で終わってしまったので滑り込みで観れてよかったです。貴重な作品ですので、やっている劇場が近くにあればぜひ。
鑑賞日 6/10
鑑賞時間 9:15〜11:30
座席 G-4
最初の涙の意味を考えてしまった
予告編だけを応募させ、一番面白そうな作品には長編を作らせるというアイデアはとても面白い。本作はそんな少し変わった映画賞のグランプリ作品。
一つの物事に対して立場が変わるとこんなにも見え方が違うのかと感じる構成。「イニシエーション・ラブ」(映画版は観てなくて小説の方)を思い出した。いや、もう最初のパートからユカの怪しさはわかりやすくて、いるよなぁこんな感じの女性って思いながら観ていたから、ユカのパートに来てもさほど驚きはしなかったのだが。
これは自分が男だからだと思うが、やっかいな女に惚れたもんだなーという感想になってしまう。ちゃんと本性がわかってよかったねと。それくらい嘘で固めたユカはかなり痛かった。それでも自分を受け入れてもらえない感情を抱えて、あの後ユカはどうなるのだろうと少し心配してしまう。
観ながら先人たちの言葉を2つ思い出した。「嘘で嘘を固めると自分が苦しくなる」と「浮気がバレても絶対に認めるな」だ。でも、さすがにゴムが見つかった状態で浮気を認めないのは難しい。あの状況でも知らない!やってない!と言える彼女のハートの強さもすごいけど。あれ、最初の涙の意味って何だったんだろうと少し考えてしまった。なかなかうまい作りだ。
最近の日本映画は、こういった雰囲気のドロドロした恋愛映画が面白い。これからも期待したい。
色々できるのは分かったけど、何がしたいのかは分からない話。けど佳作。
若い恋人同士のキラキラ青春恋愛ムービーかと思いきや、人間の秘密や嘘や性欲といったゲスい暗部をこれでもかと炙り出してくるのは良かったです。逆に好感が持てました。
東京国際映画祭スプラッシュ部門にノミネートされるインディペンデント系低予算映画は、ポリコレの時代とは思えないぐらい昭和ストレート暴力な「ケンとカズ」とか、登場人物全員が常に感情的でネガティブなことを喚き散らしているだけのアホ「タイトル拒絶」とか、俺の高校じゃないからお前の高校の卒業アルバムに興味ねぇよ「佐々木インマイマイン」とか陳腐で古くさい作品ばかりだと思ってました。
若い才能としてこんな作品を好んで選出するようじゃ邦画はアメリカはおろか韓国にも二度と勝てないなと思わされてばかりだったんですが、「猿楽町で会いましょう」が選ばれているならまだ邦画の未来には救いがあると思い直すことができました。
ただ、この映画自体には本当に救いが無くて、それはどうなのかなと思いました。
伏線を綺麗に回収する円満ハッピーエンドも嘘くさくて困るんですが、映画は大衆が見て初めて成立する芸術です。
だから、ここまで救いの無いラストを好んで見たい人も少数派だし、この先は興行成績も伸びないんじゃないかと思います。それが非常に勿体ないなと。
監督さんはこれが映画初監督でも映像ディレクター出身だけあって画の切り取り方とか編集にセンスもあるのも分かるし、なんとかゾンビーズみたいに目障りな演出も無かったし。また映画を撮って欲しい人材だなと。
ただ、毎回こういう救いの無い映画を撮られるような監督さんならば、私も次は見ないでいいかなと思います。
構成についてです。
男側のA面(現在)、女側のB面(過去)をパート分けして描く、小説によくある叙述トリックみたいな構成だったんですが、それがドラマ性を高めることに繋がっていません。
このシーンとこのシーンが繋がるのか、このセリフはこのセリフと繋がるのか的な伏線はあっても、要はただの長い回想でその次の展開に全然行かないから、「そうだったんだ。で、それが何なの?早く次を見せてよ」程度の印象しか受けませんでした。
凝った構成や伏線がドラマ性を高めることに繋がっていないせいでそんな印象になってしまいます。というか、そもそもこの作品にはドラマ性がありません。ストーリーはあってもカタルシスがないからです。作家の視点が欠落していると言ってもよいです。
C面というべきか男側目線に戻ったときに、女側の秘密や嘘に男がなかなか辿り着かないのもその一因です。
こっちとしては、女の秘密や嘘を知った男がどんな感情になるのか、今度はどういうアクションを起こすのかが見たいのに、それがドラマ性を高めてカタルシスが氷解するラストに繋がるはずなのに、ようやく男が女の秘密や嘘を知ったと思ったら、そこでもう映画が終わってしまいました。
男がメンズエステに行って人違いで引き返すシーン、観客は男が女に会ってどんなアクションを起こすかが見たいのであって、ただの脇役がメンズエステに辿り着くシーンはどうでもいいんです。
一見のガールズバーで脇役に心情を語る男は不要で、その心情を女に直接ぶつけるシーンが見たいわけです。
構成のテクニックがあることは分かりますが、サッカーはリフティングが上手いだけでは勝てません。泥臭くても1点を取れるような脚本が必要です。
ここまで嘘や秘密だらけの彼女でも、それでも愛そうとする男とか、こんな彼女でも他の誰にも無い長所が1つだけあったとか、そういう話だったら作家の視点を感じられるんです。
が、彼女が浮気もするしメンズエステで働いて、権力者に性接待もしていたから別れを選ぶ男っていうのは、ごくごく当たり前の話でしか無いんですよね。
現状はごく当たり前の話を、彼女の秘密と嘘をわざと回想で遅らせてオープンにして、ロケーションやカラコレで画を綺麗に見せているだけなんですよ。
監督の演出力と役者に対する愛情についてです。
監督に映像センスがあるのは分かりましたが、感情の演出は出来てないようです。
元々脚本やキャラクターの性格の問題もありますが、登場人物に一切共感が出来なかったです。
こちらは最後まで一歩引いたまま、他人事のようにしか感じませんでした。
演出で登場人物の感情を適切に推せていれば観客も同じ感情に乗れるんですが。
これは映像系出身の監督に共通の欠点ですね。
ドラマや感情を演出するんじゃなくて、自分のテクニックを見せたくてどうしてもカッコイイ画、綺麗な画を優先してしまうという。ここぞというポイントでアップじゃなくて引いた画を多用するという欠点です。
あと、監督は役者に愛が無いと感じました。
金子大地さんも石川瑠華さんも演技を頑張っていて将来が楽しみな役者さんだと思いましたが、特にあそこまでクズに描かれたまま救いが無く終わった石川瑠華さんを好きになる観客がいるとは思えません。
最初がとてもチャーミングだったので、その落差もあって好感度がかなり低いところまで行ってます。それがとても可哀相に感じました。
物語の中だけを描くのではなく、役者の人生まで描く、役者の将来を考えてあげて初めて監督じゃないでしょうか。
せめて、石川瑠華のキャラに共感出来る動機があれば……。
タイトルについてです。
「猿楽町で会いましょう」というタイトルが全く作品の内容を表していないです。
テーマやジャンルが明確になる良タイトルをつけていれば、もっと見に来る人も多かったんじゃないかと思います。(そもそもテーマが分かりませんでしたが)
そして、猿楽町を選んだことが作品に生きていません。
円山町でも宇田川町でも鶯谷町でも代官山町でも成立します。
実際に猿楽町でロケしたと思われるシーンも2、3シーンしか無かったし、シーンは違えど同じ猿楽町の交差点でしたし。
なんなら渋谷駅周辺のシーンばかりが目立ちました。
夜の246号線陸橋とか恵比寿との中間にある歩道橋とか高速から見た東京タワーとか夕暮れの海とか、そういうシーンの画力が強くて、数少ない猿楽町交差点のシーンが画力で負けてるんですよね。それが勿体ない。
クレープ屋なのに、流行りだからってタピオカミルクティーに力を入れ出したような節操の無さを感じます。クレープの味で勝負しないと。
映画だからと言って、海とか東京タワーとか夜景にすぐ飛びつかないでいいです。
タイトルに猿楽町と付けたならそこのロケーションを一番引き立たせるべきで、他のロケーションは引き算で計算するべきだったと思います。
これも演出力の欠如です。
結論。
凝った脚本も書けて人間の暗部も描けて、画の切り取り方とか編集にセンスもあるのも分かりました。ですが、ストーリーにドラマ性もカタルシスも無くて、肝心の描きたい物が何だったのか察することは出来ませんでした。
劇中のセリフを借りると、「色々できるのは分かったけど、何がしたいのかは分からない」話でした。
けど佳作です。
救われないけれど
やっと公開された!!
予告編で気になってから一年。ついにこの日が。
若い二人が徐々に近づいていく、下町感のある温もりのある映画に似たものなのかなと、勝手に予想していたけど、全然違って度肝を抜かれた。R15の作品なの忘れてた。
ドロドロだけじゃない、憎悪と疑念と嘘の数々。
登場人物がどうしようもないクズさを抱えて、やりきれなさを他で消化してツケが回ってくる。当然救われない。都会の残酷さを思い知らされるのは今回に限ったことではないけど、随所に報われなさと上に潰される構図を見せられる。
知りたくないけれど気になってしまうものは手を伸ばしてはいけない。
構成。違和感がチャプターで後に回収されるのが面白かった。
あまり適当に人とつるんでいると紹介の材料にされるから慎重に人を見よう。
デートには適さない恋愛映画
綺麗なものばかりでない現実的な恋愛の本質を突いた衝撃作。ラブストーリーをベースにサスペンスとホラーが入り混じった今まで見た事のない作品だった。花束もリアリティを追求したラブストーリーだけど個人的には猿楽町みたいな恋愛をしてきたからめちゃくちゃ刺さった。主演の石川瑠華も初演技作品とは思えない演技で出てくる登場人物から人間の醜さ、浅はかさ、狂気がひしひしと伝わってきた。主題歌も映画にマッチしててエンドロールでゾッとしたのは生まれて初めてだった。
一見小田山はまともかと思うけど泣き喚くユカの表情を撮るためにあえて嘘をついたって考えると一番狂ってた。これは間違いなく名作。
一山ナンボのアホ女に惚れてしまった、憐れなカメラマンの話。
勝手に、一途な純愛物だと思って観に行ったら、エライ目にあった。
田舎から出てきた、「一山ナンボのアホ女」の生態を生々しく伝えた作品。
現実社会をリアルに描写したと言えば、確かにその通りかもしれないが、もっとピュアな世界を期待していただけに、観ていて、なんとも言えない不快感に襲われた。
そんなこと言うのなら、見なかったらいいのに、と言われそうだが、実にその通り。観なきゃよかった。
映画としての芸術性や表現力は、あえてさて置き、内容は、私にとっては共感できるものではなかった。
決して、作品自体を低評価するわけではないが、解ってはいるが、見たくない世界をお金と時間を使ってわざわざ見た、という感じです
渋谷の街にありそうな物語
金子大地さんと石川瑠華さんの雰囲気が渋谷の猿楽町に溶け込んでいてリアルなラブストーリーが完成していました。
え?ラブストーリー??なんか違うかも…
ホラー説流れてるし
金子さん演じる写真家・小山田と石川さん演じる読者モデルのユカ。
出会った2人の物語を軸に周りを巻き込みながら、刻々と変わってゆく渋谷の街を舞台に描かれる短く儚い恋。
え?恋??なんか違うかも…
私は出会った頃に小山田がユカの写真を撮るシーンが一番好き。
これから始まる関係に唯一爽やかでドキドキする。
え?唯一??
売れるためには乗り越えなければならない〝芸能界あるある〟のアレコレ…
脇を固める栁俊太郎さん、小西桜子さん、前野健太さんの存在が光ります。
夢のためなら恋(男性)を道具として扱うユカのしたたかさ。
恋人の嘘に向き合おうとする真っ直ぐな小山田の葛藤と素早い変わり身。
若いパワーって自分中心に回るんだな。
はっきり言ってみんな自分勝手(汗)
確かに自分の叶えたい夢のためには嘘をついたり好きな人との日常を犠牲にしても厭わない傲慢さって人にはあるよね〜の映画。
第2回未完成映画予告編大賞MI-CANでグランプリを受賞した児山隆監督。
長編監督デビューおめでとうございます!
私は金子大地さんの佇まいや眼差しが大好き。これからの作品をワクワク期待してる。
児山監督が見つけ出して直接オファーしたという類い稀な雰囲気をもつ石川瑠華さん。
俳優業への覚悟が分かる大熱演!
どうか本作が彼女の出世作になりますように…
〝猿楽町で会いましょう〟2019年の東京国際映画祭で鑑賞しました。
2021年6月4日やっとやっと公開。
皆さーーん!観てねーー!!
あ、分かった!この感じ!
寝て覚め観た時のモヤモヤした感覚に似てるんだーーーーーー?
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