猿楽町で会いましょうのレビュー・感想・評価
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欲という名のホラー
自分を認めて貰いたいが故についた小さな嘘が積み重なり、いつしか自分自身が分からなくなる。金子大地の純粋さと石川瑠華の危うい存在感が生み出す化学変化にゾクゾクした。
もう石川瑠華が「こういう奴マジでおるやん!」てな具合に生々しいから、石川瑠華=嘘つきって先入観が生まれそう。金子大地のどこまでも純粋で真っ直ぐな瞳にも魅了されたな。カメラ目線で見つめられた時はドキッとした。
「何にも無さそうだけど何か持ってる」役者です。久しぶりに追いかけてみたい役者に出会った。
これと言って派手な展開は無いのだけど、ホラー的な演出やサスペンスがグッと効いてるので一発触発の張り詰めた空気感に包まれる。東京国際映画祭スプラッター部門に出品されたのも納得。表面的なスプラッターは無いけど、内面的なスプラッター映画と言ってもいいのでは?
今泉力哉をリアルで面倒な恋愛映画の旗手とするなら児山陵はリアルで痛々しい恋愛映画の旗手と言ったところか。
つらくて切なく彷徨う心を描きます。
昨年から観たくて観たくて仕方
なかった作品。金子さんに石川さん。
有望若手俳優が期待をさらに高めて
くれます。
自身の都合を優先する女性が
素直な男性を振り回す物語にように
見えますが、、、たまたま出会った男女の
行き着いた先が「恋」のような場所で、
その場所を求めた経路が異なるが故に
展開するストーリー・・・
うん、これもラブストーリーだよなぁ。
予告編で映し出されてたコピーを
頭に思い浮かべてました。
求めた経路の違い。
それこそが本作のテーマの一つであろうと
思ってる「自分らしさの見つけ方」の
違いなのではないかなぁ?って思います。
「自分を、やりたいことを自ら見つける」子、
「評価され、求められることで自分を見出す」子。
そんな二人の出会ってから、自分の気持ちに
正直に素直に生き続ける姿を丁寧に、
語り過ぎずに映し出していきます。
本作では行動の経緯は描いてくれますが、
その行動をした理由を明確に描いてくれません。
きっと、そこは主人公二人の気持ちを、考え方を
読み取り、観たものが自由に考えれば良いという
ことなんじゃぁないかな?って思います。
だから、この子はどういうこなんだろう?って
考えさせてくれるシーンがたくさんあります。
さらに、感情の起伏もよく描いてくれます。
行動の経緯を細かい描写で見せてくれます。
多くの小山田像、ユカ像があるような気がします。
まさに「自分らしさの見つけ方」の種類くらいに
あるのだと思います。
「自分らしさ」を見つけている最中の方々には
心当たりあるような描写が多いのではないかなぁ?
って思います。また、猿楽町(渋谷)って舞台であれば
なおさら、多くの小山田とユカが居そうな感じです。
この二人のように、まだ見ぬ、見えぬ自分や将来の
不安を抱きつつも共にもがいている若者がたくさん
いるんじゃぁないかなぁ?なぁんて思います。
児山監督、初長編なんですよね。
すごいなぁ。って感心しきりです。脚本含め。
役者さんたちの演技・・・特に表情・・・
よくぞ引き出したなぁと。
石川さんの表情で胸が締め付けられ、
金子さんの叫びにつらくなりと、
気持ちがブンブン振り回されます。
そして街の表情が秀逸です。時に冷たく
時に煌びやか、時にハッピーな未来を
期待できるような・・・。いやーすごいです。
次回作も大いに期待したいです。秀作です。
あ、余談ですが、
「あなたはどんな人ですか?」の面接時質問された
時のユカ(石川さん)の表情が2021年現時点で
僕の中で最高の表情(の演技)です。
私ってどんな人?どんな色?
予告からは全く想像のつかない展開を見せる“すごい”映画だった。
駆け出しの写真家小山田と夢を追って上京してきた読者モデルのユカ。
幸せそうな前半。
ただし、ユカからはなんとなく不信感が漂う。
言葉にはできないモヤモヤが蔓延しきったchapter1。
答え合わせ的に始まるchapter2。
そして、chapter3。
何故、嘘をつくのか?私は一体何者なのか?
多分、ユカ本人もよく分かっていないと思う。
わからないからこそ、嘘をつく。
なんでこんな宙ぶらりんな関係が続くのか?本当は誰が好きなのか?
本当に人を好きになったことある?
本当に人を好きになるってなんだろうか。
そういった彼女のヘルプが、画面越しにまざまざと伝わってきた。
登場人物はろくでもない奴らばっか。
男たちはキモいし、女たちは怖いし。
東京という場所に「夢」だけを追いかけてやってきて、訳も分からず、自我も構築されないまま東京の街に染まろうとする。
そして、東京という街に搾取されていく。
だから、どうしようもなくてもユカを救ってあげたかった。
画面のこちら側からでも守ってあげたかった。
知らない方が良いこともある。
どんなに親しくなっても、自分の知らないその人の裏の部分は誰にでもある。
プライベートなことはあまり詮索しない方が良いとは思うけど、愛があればそこに疑いが生まれるのは当たり前のことで…難しい…
石川瑠華さん本当にお疲れ様でした。
なんとも言えないオーラがあり、ヤバいやつだけど守ってあげたいヒロイン感が素晴らしかった。
メンズエステでバイト先の山本君に襲われるところや小山田が帰ってきちゃうところが、やけにリアルで苦しかった。
前野健太さんの印象が悪くならないか心配です笑
何かはわからない。
エンドロールの空いた口が塞がらないほどの衝撃。
東京渋谷区猿楽町。
「丁目」の設定もないこの小さな街が、とてつもなく巨大なものに思えた。
猿楽町で会いましょう。
腹立つ
ポスターからイメージした内容とは大分違い、共感できる人物がほぼ皆無という、ある意味ものすごい作品でした。。
ボスターの印象がすごくいい感じだったので
鑑賞することにしました。
のですが
…
作品中で描かれる世界は
ポスターから受けた印象とはまるで正反対…。
それも
ストーリーが進むに連れ
登場人物の 「ウラの姿・自分勝手さ・醜さ」 が見えてきて…
救いの無いまま 結局エンディング… しくしく。
ただひたすら疲れました。 はぁ
◇
構成のしっかりした作品、とは思いました。 けれど
こうも整然と、しかも
(恐らくは) 計算づくの構成で
「人の醜い部分」 を見せる作品と事前に知っていたら
たぶん観なかったかなぁ…
そんな気がします。
これから鑑賞される方。
純情恋愛ストーリーではございません。
心してご鑑賞くださいませ。
◇タイトル由来
タイトルの由来は
「有楽町で逢いましょう」 …からなのでしょうか?
ならば大人の恋 もしくは ピュアな恋愛
そんなお話かな?
などと思ったのですが
違ってるかもしれませんね…。
(なんか気になっています…)
◇猿楽町
古墳時代後期の円噴が「猿楽町」の由来 とか。 古~
能や狂言絡みだろうから、逆上っても
室町時代あたりが由来かと思ったのですが
古墳の時代とは…。
(ちなみに千代田区にも「神田猿楽町」という町があるようです)
◇余談
観た日にレビュー書いていたら
ものすごく長くなってしまい (…汗)
「ポンポさんに怒られる」 と 書き直し (…大汗)
なのに何故か前よりも長くなりかけて… (…滝汗)
で
鑑賞後、1週間経過
ようやく悟りを開き短く書けました。 ほっ
※「ポンポさん」が何なのか分からない方、
私の直近のレビューをご覧くださいませ。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
登場人物全員嫌い
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新米のカメラマン小山田が読モのユカの撮影を担当したことから、あざとくて可愛い掴みどころのないユカのことを好きになっていく話。
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ユカって女に嫌われる女タイプ(少なくとも私はこういう女嫌い)で、ポテチの袋は開けられなくてカルピスサワーとほろよいの桃を飲んで、ブラがスケスケの白ティーに短パンの部屋着に、1本しか啜らないうどん。そして何より自分が一番辛い時にまず男に頼る女。
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それでも最後にクラスメイトが学芸会でダンスに立候補した時に手を挙げなかった自分が恥ずかしかったと言うユカは自分よりは偉いと思った。私は未だにやりたいと思ってもずっと手を挙げない人生を歩んでる気がする。
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そして、ユカのようなあざといメンヘラ女を生み出しているのはこの映画に出てくる男たちだと思う。性的に搾取されたり、ちょっと隙があるからって変な男に言い寄られてしまったり、都合良く扱われたり。
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ちゃんと大事にしていた小山田だって、人の言葉で自分を見繕っている中身空っぽのユカの本当の部分ってあんまり見てなくて、ただ可愛いから好きになったように見えたな。
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男性からしたら「ぶりっ子でも可愛いから良い」とよく言うけど、それは男性が自分にとって得なだけの自己中心的な主張に感じるし、ユカみたいな子にとって本当にそうやって生きるのは幸せなのかと思ってしまう。絶対友達いないし。
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登場人物全員嫌いだけど、自分の友達の嫌なところ全部集めたらこうなりそう。
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君、自覚あるの? どっちでもいいけど
巫女
仕事とプライベート
イニシエーションラブ?
「私は まんざら でもない」と勘違いしている痛い女子いますね
ヒロインには親とか先輩とか、同性の友達とかいないのか?
自分の立ち位置すら理解できない位に自分勝手な"孤高もどき"な子だから、家出でもしてきたのか? 彼女の人生はこれからも落ち続けていくだろう。
どんどん落ちていく彼女の続編映画を観てみたい。
最初はこんなインディーズぽいレベルの子がヒロインでよいのか? と疑問を持ったが
映画が進行していくにしたがって、ヒロインの性格を全身で表現できている彼女の本採用の理由が理解できた。
この映画は彼女でなくてはいけない。
主人公は冒頭から後半にかけてのキャラクターの成長も垣間見れ、予告編よりも良い人材に変更し、演出もできていたようだ。
同時に脇役に至るまで、被ることがないすべてのキャスティングは完璧であった。
撮影は凄くハイレベルな完成度
高価なカメラをきちんと使いこなし、露出は完璧で、カット割りも、カメラの位置や写し方等 まるで教科書のようなレベル。
最近、撮影が悪い映画が続いただけに、この映画の撮影完成度には驚いた。
制作者の次回作はもっと 本格的な商業映画を観たい。
撮影や構成もシナリオも良かったので、1部と2部の食い違いや意外性がない
ただの”答え合わせ”だけならば、かえって3部構成ではなく
回想シーン的なものが入っても良いので、通常の時間軸で構成された1つの映画として鑑賞したい。
ただ、なぜ、猿楽町であるかは解らない。
北九州のシーンは展開が無く、無駄な風呂敷だった。
後半のブス・ガールズバーのシーンが入ったので、ここでヒロインとの違いや
好きになった理由や彼女との現状そして、これからの不安等の主人公の葛藤が大いに入る冪 肝なシーンなのだが
それがなく、ただの無駄なシーンになったのが残念
主人公・製作者の意見がここで聞ければ、エンディングが明快に花が咲いた筈だ。
この映画を鑑賞後に、短編「未完成映画予告編大賞」を観ましたが、大賞作よりも本編の完成度が高く
脚本・撮影もよく練り直しているのが判った。 本編と大賞を取った短編と見比べると面白い。
そもそも私に色なんてあるのかなあ?
たまらなく切なくて仕方なかった。若い役者のみずみずしさ。見事な心理描写。かずかずの刹那的な言動は、けっこうクズの部類かもしれないけど、それは上昇志向の若者の欲望のよじれ。
小山田の、はち切れんばかりの下心の純真さ。そのやましさを自覚しているからこその自制心が、ある瞬間に外れ暴走しだす。その怒りをコントロールしようとする理性の痛々しさ。金子大地、見事だった。
ユカは、人を傷つけることの罪深さに鈍感でありながら、自分が傷つくことを極端に嫌う身勝手さ。可愛くはない。たまに、あれ可愛いかも?と思う。ちょうどよくいる地下アイドルレベル。そこが妙にリアル。そして時おり見せる様々な感情が、同じ人間か、と思わせるくらいに違う顔をしている。石川瑠華、見事だった。
そしてみんな、当たり前のことながら、相手に対する愛情や依存度によって違う、人間関係の濃さ。それが匂わんばかりの体臭を感じるのだ。じっとりする湿気を感じるのだ。ダレることなく描いた監督も、見事だった。
書きたいことあってもネタバレになるので伏せておく。おそらく、嫌な奴だと思いながら、それを自分がしたことはないか?と問われれば、そこまでクズではないと言い返す。だけど、一つくらいは心当たりがないこともないかな。いや、どうだろう。ないよ、たぶん。あれ?自分が過去に恋愛で傷ついたと思っていたのは、むしろ傷つけていたのか?と過去を振り返ってしまう。そんな気分。
小山田の目は何を“写す”?
この映画を作ることで、何かが変わることはないだろう。何の価値観をも揺さぶることはないだろう。
この映画は何を描くのか?この映画は、渋谷という世界に浮遊する定点のない人間の姿を、ただひとりの無垢な人間、小山田の目線で描き出す。
小山田だけが知らない。まわりの人間は、自分の心地よさを求め、自分の脳を快楽で満たすためだけに行動する。
小山田は気付き始める。まわりの人間は、自分の知らない間に、自分の知らないところでつながり合い、自分だけが、何も知らず、取り残されているのではないか?
まわりの人間は、ただ単に、自分を利用しているだけなのではないか?
この映画で、何かが変わることはない。小山田という、何も世間を知らない人間の、定まらない目線が“写した”渋谷の風景が存在するのみである。
小山田は引っ越した。
猿楽町で会いましょう。小山田は、“いつか”という言葉を、部屋に置いて、出てきたのかもしれない…。
今まで生きてきた中で出会ったことのない人たち
登場人物に感情移入できる時は作品に愛着がわくらしいが今作は難しい。同性である男達はみんな無理。
女性陣も石川瑠華さんと小西桜子さん演じる2人も完全には信用できない。りかちゃんがほっとけない(ラストに至るまで彼女が自殺を図るストーリーかと)分
庇護欲が掻き立てれるかな。
ドロ臭い人間ドラマ‼️
切ないけど前向きなんだと思いたい…
考えさせられた。
登場人物は誰も身近にいそうな感じ。
東京に勤務していた時に中目黒に住んでいた。猿楽町も時々歩いていた。ものすごい大きな高級マンションのすぐそばに、まるでこの物語の主人公が住んでいそうな昭和から何もかわっていないようなアパートが建っていた。
代官山から少し入ったところには、またまた凄い住宅地の南平台があった。でも道を挟んだ向こうには、道玄坂の猥雑なラブホテル街や呑み屋街が広がっている。
都会は色々な人たちの色々な想いを呑み込んでいる。
中目黒の飲食店には、夢を実現しようと働く芸人さんや、役者さんが頑張っていたな。
この作品は表現がリアルなので、いろいろなことが思いおこされた。自分の若い頃、何も考えず、でもなんかわからない根拠のない自信があって、馬鹿なことを言ったりやったりしてたことも思い出してしまった^^;
とても良い作品だとおもいました。
若い時代の将来への希望や不安は、多分前へ進んでいくための原動力でもある。その力が強ければ強い程、空回りしたり思わぬ方向へ行っちゃったりもするだろうけど、前向きに頑張ってほしいなぁ。と、若い登場人物たちには言ってあげたい。
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