劇場公開日 2021年6月4日

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「「私は まんざら でもない」と勘違いしている痛い女子いますね」猿楽町で会いましょう YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「私は まんざら でもない」と勘違いしている痛い女子いますね

2021年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ヒロインには親とか先輩とか、同性の友達とかいないのか?
自分の立ち位置すら理解できない位に自分勝手な"孤高もどき"な子だから、家出でもしてきたのか? 彼女の人生はこれからも落ち続けていくだろう。
どんどん落ちていく彼女の続編映画を観てみたい。

最初はこんなインディーズぽいレベルの子がヒロインでよいのか? と疑問を持ったが
映画が進行していくにしたがって、ヒロインの性格を全身で表現できている彼女の本採用の理由が理解できた。
この映画は彼女でなくてはいけない。

主人公は冒頭から後半にかけてのキャラクターの成長も垣間見れ、予告編よりも良い人材に変更し、演出もできていたようだ。
同時に脇役に至るまで、被ることがないすべてのキャスティングは完璧であった。

撮影は凄くハイレベルな完成度
高価なカメラをきちんと使いこなし、露出は完璧で、カット割りも、カメラの位置や写し方等 まるで教科書のようなレベル。
最近、撮影が悪い映画が続いただけに、この映画の撮影完成度には驚いた。
制作者の次回作はもっと 本格的な商業映画を観たい。

撮影や構成もシナリオも良かったので、1部と2部の食い違いや意外性がない
ただの”答え合わせ”だけならば、かえって3部構成ではなく
回想シーン的なものが入っても良いので、通常の時間軸で構成された1つの映画として鑑賞したい。

ただ、なぜ、猿楽町であるかは解らない。

北九州のシーンは展開が無く、無駄な風呂敷だった。
後半のブス・ガールズバーのシーンが入ったので、ここでヒロインとの違いや
好きになった理由や彼女との現状そして、これからの不安等の主人公の葛藤が大いに入る冪 肝なシーンなのだが
それがなく、ただの無駄なシーンになったのが残念
主人公・製作者の意見がここで聞ければ、エンディングが明快に花が咲いた筈だ。

この映画を鑑賞後に、短編「未完成映画予告編大賞」を観ましたが、大賞作よりも本編の完成度が高く
脚本・撮影もよく練り直しているのが判った。 本編と大賞を取った短編と見比べると面白い。

YAS!
YAS!さんのコメント
2021年7月28日

続編を観ました。
女性が監督をして、女性目線での返しの句でした。
『僕らの先にある道』(原題:『後来的我們(Us and them)』
原作は「年越しに帰省する」です。
とても良い作品なので、この映画の次に観てください。

YAS!