「面白いことを思い付いた中学生のノリ」新解釈・三國志 Spiさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いことを思い付いた中学生のノリ
小難しい三國志という題材を極限までハードル下げて見やすくしたという点は良かったとは思う。
ただ、随所随所のギャグが大したギャグではないにも関わらず監督は自信満々なのだろうか。ギャグのシーンが流れるたびに「このシーン面白いでしょ?」と言わんばかりに尺をたっぷりとった間延びした構成になっているのでとにかくテンポが悪く、もういいから先進めろよの連続。そりゃ撮るのは好きにすればいいけど明らかに編集で短くすべきシーンをそのまま垂れ流したり、そこまで面白くないシーンを天丼狙ったりと監督の自信過剰な面を見せつけられる。
せめていらない部分を切ってシリアスとギャグを交互に並べて緩急を付ければテンポだけは良くなったかもしれないが、それすら出来なかったらしい。
役者の演技も、おそらく監督から気を張った演技をせず適当な感じを出しながら演じちゃってくださいという指示があったのだろう(と言うかそうであって欲しい)。あまりにもダラダラとした演技で役者としてそれで大丈夫なのか?と思うような出来だった。特に佐藤二朗やムロツヨシは監督お気に入りの役者なだけあってダラけた空気が面白いんでしょ?という考え方に毒されていて見ていてかなり痛々しい。お二方とももうちょっとコメディにしてもいい演技出来る方だと思うのだが。
そもそも劇中で「諸葛亮孔明」などと呼んでるシーンがあったが、これだけで監督は三國志のことをろくに調べてもないのが伝わる。これで話題の映画になれると思ってるのならあまりにも浅はか。歴史をバカにされた中国の方々にこんなの見せられるのだろうか。
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