「「昨日、焼き芋おいしかったんだよ、また食べようね」「うん」」静かな雨 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
「昨日、焼き芋おいしかったんだよ、また食べようね」「うん」
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映画「静かな雨」(中川龍太郎監督)から。
人間の記憶を題材にした作品は、数え切れないくらい観たから、
場面設定には、あまり驚くことはなかったけれど、
「60年間1日も欠かさずに日記をつけている老人」の話、
「中国の探査機が惑星を観測したのを最後に通信が途絶えた」って話。
いろいろな伏線が散りばめられていて関連づけるのが楽しかった。
「ここユキさんち?」「雨あがったんだね」のフレーズは、
何度も繰り返され、作品を思い出すにはぴったりなんだけど、
そこから会話が進展しないので、今回は、メモから外した。
私が切ないかったのは、庭で焼き芋を一緒に食べた翌日の2人の会話、
「昨日、焼き芋おいしかったんだよ、また食べようね」「うん」
2人はどんな気持ちで、この会話をしたんだろうか、と思うと、
ちょっと胸が締め付けられる思いがした。
この台詞だけで、彼女が1日前のことは覚えていない障害だとわかる。
そして、こんなコミュニケーションをこれからも続けていく覚悟を、
感じた「「昨日、(一緒に食べた)焼き芋おいしかったんだよ」であった。
わからなかったのは、主人公が「足を引きずっている理由」と
彼女が記憶障害になった理由が、事故なのか、事件なのかってこと。
原作には書かれているのかもしれないから、少し興味深い。
なぜ拘ったかというと、足を引きずる音が雑音になるし、
歩いている姿は、画面が極端に揺れるので目が疲れたから。
普通に歩ける青年ではいけなかったのか・・気になるところだな。
P.S
主人公の女性の名前は「こよみ」さん、
これって、当然、考古学とか「暦」を意識しているのかな。
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