劇場公開日 2020年1月10日

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「ギャンブルというよりコンゲーム?!」カイジ ファイナルゲーム おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ギャンブルというよりコンゲーム?!

2020年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

原作未読、シリーズ前2作は未観賞ながら、予告につられて鑑賞してきました。おそらく前2作で登場したであろう人物との含みのあるやりとりは意味がよくわかりませんでしたが、それ以外は初見でも十分に楽しめる内容だったと思います。

原作未読のため、藤原竜也さんのいつものオーバーな演技がカイジのイメージと合っているかどうかはわかりませんが、人情はあれど金に目がない天才ギャンブラーのカイジを好演していたと思います。ただ、彼以上にこの作品の魅力を引き上げていたのは、なんといっても吉田綱太郎さんでしょう。非の打ち所のない悪党として存在感を放っており、本作いちばんの立役者だったと思います。加えて、福士蒼汰くんも思ったよりよかったです。彼はモテるイケメンより、インテリなヒールの方が映える気がします。

ストーリーは、経済的に行き詰った日本より自分の利益を追求する政治家や富裕層たちと、彼らを利用して日本を立て直そうとする野心家、それらの謀略を阻止するためのギャンブルに巻き込まれていくカイジたちという構図で展開されていきます。前半はややスローテンポで、少々退屈な印象でしたが、後半は緊張感を保ちながらテンポよく展開し、相手の裏の裏をかくようなコンゲームの様相で飽きることはありませんでした。

ただ、やや後出しじゃんけん的なところがあったり、前半で用意した伏線が少々わかりやすかったりと、大どんでん返しで「やられたー!」といった感じではなかったです。また、カイジがもっともっと多くのギャンブルに挑み、命を削るような土壇場でその才能を発揮しまくるような展開を期待していたので、ちょっと肩すかしでした。とはいえ、日本の現状と将来を風刺的に描いた作品世界観は悪くなかったです。

おじゃる