朝が来るのレビュー・感想・評価
全209件中、21~40件目を表示
長い
ベビーバトンに共感できない。 子供を待つ親の数に比しあの島の施設は小さすぎ。 個人的には子供は簡単に授かれないと思っているから、私がひかりの母だったら自分で育てるけど。ひかりがどうしたいのか聞いてあげないと。 少なくとも都心ではいきなり赤ちゃん一人増えても大丈夫そうだけれど地域の結びつきが強いエリアだと難しいのかしら。 この日はミステリーが観たくて作品を選んだのでなんだか肩すかし。
朝が来る。
このタイトルを観たとき、 このタイトルが意味すること、 いわんとしている事はなんだろうと思った。 それぞれに背負った運命。 満ち足りた幸せを 突然、まるで地球が逆回転したかのような運命を背負った人々。 だけど、それぞれに「朝が来る」 そんな事を想う、作品でした。
あらすじや予告とは違う印象
ミステリーではない。あらすじや予告のお話に至るまでの産みの母と育ての母になるまでの経緯がドキュメンタリー風に描かれているという印象。前半はコーヒーを入れながら、スマホを触りながらという「ながら観」をしてしまいました。何かが始まるというよりは、どうしてこんなことになったのかという話。年頃の子どもさん達に是非みせてあげてほしい。どの子も愛され幸せになって欲しい。
特別養子縁組がテーマ。 とても重いテーマだけど、映像が綺麗で、重さ...
特別養子縁組がテーマ。 とても重いテーマだけど、映像が綺麗で、重さだけを感じない、最後は希望があるような印象。時折ドキュメンタリーを観てるようなリアリティ。キャストの演技もリアリティを感じて、すごいなと思った。 様々な立場の人々の想い。伝わってきた。 良い作品でした。
養子縁組で迎えた子供
永作博美扮する栗原佐都子は、子供のトラブルで幼稚園に呼ばれた。相手の親は治療費を要求してきたが佐都子は取り合わなかった。佐都子の夫は無精子症で実子は無理だったので、苦しんだあげく養子縁組で迎えた子供だった。一方、子供の産みの親が子供を返してくれと脅迫して来た。 なかなか重いテーマだね。子供が欲しくても出来ない夫婦は周りにもいるし、子供を育てられない親もいるだろう。ましてやその子供をネタにされるのは生きた心地もしないくらいじゃないかな。まともな親子関係でも色々あるから子育てだけでなく、進学、就職、結婚と人生問題かかえて生きていくんだからね。人生転落するのも早いよ。加速度的だよね。
希望
途中、ドキュメンタリーのような雰囲気になってちょっと不思議な感覚。ひかりの経験した初恋があまりにも悲しくて胸が締め付けられました。 大好きになった少年との幸せな時間に爆弾が落ちる。 そして盲目に信じていた少年との絆は、不確実なものだっと、永遠ではなかったと徐々にわかってしまう。 悲しくて苦しい… ひかりの家族も受け入れきれない。どうすれば良いのかわからない。でも愛がないのではないと思う。 一方で、子どものできない夫婦は、悩んで熟考した上で里子を取る。不安を抱えながらもゆっくりと、2人で進んでいる。私には理想の夫婦に見える。 2人の問題も辛いけど、そこにはお互いを信じる絆があるから、本当に大切なものが何なのか経験から知っているから乗り越えて行けるのだと。 最後に、佐都子がひかりの書いた手紙の中に消した言葉を見つけ、彼女を探して会いに行く場面は希望です。号泣です。 どうか、ひかりが自分の生き方を見出せますように。 手を差し伸べる人に気が付きますように。 家族を振り返り、許す事ができますように。 私としては、ひかりの相手の少年を含めて話す場面を見たかった。 だってこれは2人の問題なのだから。 中学生や高校生に見てほしい作品。 永作博美、浅田美代子、蒔田彩珠、井浦新も素晴らしい演技だと思いました!
胸がグググっと苦しい、けどこれは必要な痛み
2022.38本目 構成がすばらしい 時間は長いけど、全然飽きない 前半パート、自分に境遇が似ている、というか今後家族をつくっていくという自分の立場を重ねて激しく感情移入した 前半だけでも十分ドキュメンタリーとして人生ドラマがあるなと思っていたのだけど、 後半、「あ、これはひかりちゃんの物語だ」と思った。衝撃。 役者さんたちがみな好演で、しぐさや言葉が自然で、ドキュメンタリーのような、そこに存在しているかのような質感だった。 「子どもが親を選ぶ場所」気に入った 良い面だけではない、現実的な暗い面を見せるのが、好印象だった
朝の景色から感じ取ったこと
この映画のテーマはたくさんありすぎてまとめられないんだけども、、 中学生で妊娠 体裁ばかりの家族 好きな人との赤ちゃんを手放してしまったこと ベビーバトン ひかりちゃんが消えてしまいそうだった。黄色のスカジャンが悲しく目立つ。 何で私がこんな目に?頭が悪いからじゃねーのか。のやりとり。 言わせておけばいい。 ひかりちゃんは素直で優しかっただけ。その正体の一部は母性だと思う。 私は佐都子さんと朝斗君がこの先ひかりに明るい道を作ってくれる人なのだろうなと解釈した。鳥が気持ち良さそうに飛んでいる早朝のシーンが沢山出てきた。フェリーのシーンでも。ひかりちゃん、あなたもいつか元気になって羽ばたいてね。 なんて、自然と応援したくなるような、佐都子さんにありがとうを伝えたくなるような余韻の残る素晴らしい映画でした。
不妊治療中の人は絶対号泣するやつ
脅迫するならもっとオラつくだろうし、ミステリー文脈は全く感じなかった。そして、2013年でも体外受精は東京であれば全然できたはずなもんで北海道文脈で諦めるパターンはちと消化不良だったけど、そんな些細なことよりも、途中のドキュメンタリー要素により、ただただ家族ってなんだろう、ということを考えさせられた。 みんな演技うますぎじゃない?バーベキューシーンはほんとにリアルバーベキューっぽい中に、演技が入ってくるんだけど、もはや全部リアルにしか感じられなかった。 貧困層ではなくても精神的保全がないと堕ちてしまう可能性があるという現実が多々あるんだろうな、とも。孤独はいかんよね。 私は今、長ーい不妊治療中である。そして、友人は3歳の養子を取った。うちも、もう諦めて養子って手も…というのが現実味を帯びてきたので、ビシバシ刺さった。 もはや、特別養子縁組事業やりたくなってきた。 不妊治療で男性側に原因がある場合の方がしんどいよね。井浦新の居酒屋での演技がまた泣ける…。最後の最後まで涙なしには観れない作品だった。
予想と違った展開
ストーリーなど先入観持たずに鑑賞。 そしたら予想と違った展開に。 ほう、そうきましたか。 片倉ひかりがいい演技してる。 浅田美代子も美味しい役だよね。 年相応になって、我々もいい歳になってきたな。
ドキュメンタリーのようなシーンもありリアルさを感じました。 子供は...
ドキュメンタリーのようなシーンもありリアルさを感じました。 子供は生んで終わりではないというのは当たり前だけど、周辺の大人たちが『なかったこと』として処理しようとしている風景が気持ち悪くて、本当のケアはいったいなんなんなろうと思った。勝手に観賞前に予想した方向(どっちが相応しい親か、どっちが子どもにとって幸せか)とは違っていい意味で覆された気がします。養子縁組された子と産みの親と養父母にとって幸せな世界であることを願っています。 ラストシーンを思い出すと胸がつまって涙が出る。
鑑賞後に止めどなく涙が溢れた
予告から気になってたものの劇場に行くタイミングを逃しようやく今回視聴。 結論見て本当に良かった。 私は母性愛を持つような成熟した者ではないからこそ、永作さん演じる佐都子のような"人間力のある"女性に憧れる。 子が出来ぬ悩める夫婦の養子縁組までの前半パートと、若すぎるゆえの孤独な少女の逃避行である後半パート、全く違った視点で描かれる二人の母親が出会うことで朝日が上るクライマックスで一気に感情が高ぶりました。 ただ、原作があり多少予備知識がなければ河瀬直美監督の映像表現だけでは悟ることのできない画のストーリーは難しく、私には間延びしたテンポに感じてしまった。 電話BOXで彼女がどのような心情で、あの信じられない言葉を発したのか、その背景をもっと描いて欲しかったように思う。 ドキュメンタリー風の台詞回しも少し見辛い印象を持ってしまった。 賛否はあるが様々な人の受け取った主観を聞いてみたいものだ。
世界の裏側で… 少女たちの苦難
いい映画です。 一昨年映画館で観た時よりもWOWOWでの2回目の今回の方がすごく心に響きました。 …なぜだろう? ストーリーは、子宝に恵まれなかったある夫婦が、事情があって産んでも育てられない親から子供を貰い受ける養子縁組制度を利用して、男の赤ちゃんを迎え入れ家族となるが、産みの親が6年後に現れて… という話。 夫婦の事情、そして13才でボーイフレンドの子供を妊娠してしまった女の子の事情を丁寧に描きながら、『妊婦の駆け込み寺』とも言える広島のNPO法人【ベビーバトン】の存在が軸となる。 その施設長を、浅田美代子があたたかく演じ、夫婦役は井浦新と永作博美。 ドキュメンタリーのようなカメラタッチで淡々と進む話に、夫婦や女の子の回顧録が絡み、妊娠・出産を機に人生がガラリと変わってしまう女の子を蒔田彩珠(まきたあじゅ)。痛々しくも時にみずみずしく演じる。上手い。 世間を見回すと この夫婦に子供がいたら、最高なのに。 絶対いい親になれるのに。子供は幸せなのに。 という夫婦に子供ができなかったりする。 反対に、ろくでもない夫婦に次々と子供が産まれたり… 「子供は親を選べない』とは言うけれど 神様は時に残酷だ。 この夫婦には愛があり、良識があり、責任感もあり、と同時に産みの母親に対しても敬意を払い思いやる余裕がある。 果たしてこんなに強く優しくいられる? って 永作博美を見て感じた。尊敬に値する。 突然現れて『私が産んだ子供を返して欲しい。無理なら、お金をください』と言われて、動揺するも 相手の目を真っ直ぐに見て、息子への愛を示し、突き返し、後に人違いを詫び、涙する。 息子にもちゃんと会わせてあげるんだね… そんな妻を優しく、強くしっかりと支える夫を井浦新さんがごくナチュラルに演じてて、とても素敵。 不妊という困難を共に乗り越えた2人は、互いに信頼し合い、絆が強い。なんか羨ましい。 そして何よりも、ベビーバトンの浅田美代子が素晴らしい。 看護師である彼女自身も子宝に恵まれず、過去に思うことがある様子。『不幸な子供を少しでも減らしたい一心で』この施設を広島・瀬戸内の離島に設立。 ベビーバトンに大きなお腹で現れる少女たちを娘のように包み込み、優しく支え、励ます。束の間であっても、ちゃんと受け入れて貰えるあたたかい場所がある事で、どれほど少女たちが救われることか。 牡蠣筏の浮かぶ瀬戸内海の優しい波音が、それぞれ色んな事情を抱え、傷つき、家族と離れ、見知らぬ土地で出産に挑む少女たちを穏やかに癒し、少女たちはほんの少しずつ心の平穏を取り戻していく。 でも、産んだあとはすぐに赤ん坊とお別れ… 「愛情がわかない。生まれた子供の顔を見るつもりもない」と言い放つ子もいれば、この主人公のようにお腹の子にあだ名をつけ、慈しみ、産まれた我が子を愛おしく抱きしめる子もいる。切ないですね。 彼女たちに共通しているのは、複雑な家庭の事情で、たいてい、母親との関係が気薄で、この少女の場合はまるで厄介ごとそのものといった風に娘の妊娠を責めて、ひた隠し、世間体ばかり気にして、辛くあたる。 娘が広島から帰宅した時など、本当にきつくて、なんとも言えない悲しい気持ちになった。 この映画を2回観てあらためて感じたことは 苦難と向き合うことの大切さ。 この夫婦も、少女も、最後にはちゃんと現実をしっかりと受け止め、真摯に向き合うことで、救われたように思う。 逃げずに、目を背けずに。 そうすることで、また一歩前に進めた気がする。 生きていくには、やはり人と支え合うことと 「希望」を持てる環境がいるんですよね。 そういう意味で、世間の裏側で人知れず子供を産んでいる少女たちの存在を知ることができて良かったと思う。この映画のおかげ。
名作ですね、間違いなく。
河瀬直美監督の作品は、おもしろいけど、重い。 そんな印象があります。テンポのいい爽快感のある 作品とは対極に位置する気がします。 う〜ん、と考えさせられるような内容のものが多いので、 見終わった後、すごく疲れるんですよね。 あと、ストーリーの展開があまりなく、静かに時が流れていくような ドキュメンタリー風の作品ばかり。 そういう映画は、眠くなったり、途中で見るのを辞めたりしたくなるんですが、 この監督の作品は、不思議とそうならない。それが凄さなんじゃないかな と感じます。 「朝が来る」も、見事に河瀬ワールド。原作は未読ですが、 他の監督がメガホンを取ったら、全然違う雰囲気の作品になると思います。 河瀬監督の作品は苦手だという人にも受け入れられるんじゃないでしょうか。 役者では、永作博美、井浦新という二人が上手いのはわかっていましたが、 蒔田彩珠の才能には驚き。すごい役者になりそう。
なかったことにしないで・・・という抒情詩
「きっと君に辿り着くよ。 会いたかった。」 これがこのストーリーの帰着点だと思う。 そして、それは、なかったことにしないでという声を、 一度は消された声から甦らせ、そこから生まれたものだった。 夫婦の想いが、 幼い淡い恋心が、 そこに宿った小さな命が、 なかったことにしないでと囁きかける。 この囁きが映像全般にわたって私たちに語りかけてくる。 煌めくひとつひとつが、 風にそよぐひとつひとつが、 とても綺麗だ。 この彩が鮮やかで、また音もまた抑制が効いて静かである。
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