朝が来るのレビュー・感想・評価
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蒔田彩珠さんの進化を見た。
蒔田彩珠x河瀬直美監督というタッグに、蒔田さんの進化を見ました。
これまでは、暗いイメージが多かった蒔田さんの役は、
最近の映画では明るい役も出始めて印象が変わってきており、
この作品でその印象が非常に良い意味でぶち壊されました。
「役になりきる」という演技を作り出す河瀬組の映画の作り方は、蒔田さんの演技に深みを与え、
今まででも映画に締まりを生んでいた演技がさらに進化したように見えました。
あんな表情、あんな目、あんな声、どんな経験を積んだらできるんでしょうか。
本作の彼女の役はそういう一つ一つの経験が積み重なって成長ていく役なので、
その感情の運び方がすごすぎました。本当にすごかった。これは順撮りしたのかな、、、
蒔田さんの涙を見るたびにもらい泣きしていたので大変でした。。。笑
ラブシーンも美しいキスの映像や肌を触りあうシーンだけにとどめ、息遣いを中心に置く。
非常に女性らしい。
ストーリーには非常に重い軸がたくさん出て来る。メインは不妊治療だが、
そこから養子縁組の話を「子供が親を探すためのもの」と抽象し、
マイナスなイメージを持つ日本で入り込みやすい物語にしていること、
そもそも妊娠という女性の問題を女性監督が表現し、主要キャストも問題を抱えた女性が多い。
そこで生まれる絆を非常に良い距離間で表現していること。
それでもいろいろな不条理を抱えて生きていく人間たちの難しい生活を表現しているが、
それぞれのシーンをパズルのピースのようにちりばめ、
合間合間に美しい映像で時間経過で埋めていき、
全体的には非常に美しい物語にまとめられている。
女性らしい、「美しい映画」を見ているという感覚が襲ってくる。
カメラワークは非常にジンバルを使用したショットが多い。
完全にこれらは朝斗(息子)目線の映像なのだろうが、
そう思ってみているとちょっと?な部分があるのでもっと深い意味があったのかもしれない。
ただ、個人的には非常に全体の構図を意識した撮影方法と感じた。
ヨリの映像を三脚で撮ろうとすると、キャストさんにまずは一度テストしてもらい、演技を作る必要がある。これではリアリティにかけると感じたということか。
ジンバルを使用して、リアルタイムでキャストさんの表情、動きを追う、撮りたい構図にカメラマン(おそらく監督)が纏め上げる。ヨリの映像でジンバルが多いのは非常に効果的と感じた。
後半はFixの画が何となく多くなっている気がした。朝斗も大きくなって、周囲の状況を理解してきたということだったのかもしれない。
最も印象的なのは、第3者が問題を抱えた女の子たちにインタビューするシーン。
ここの色味やキャストさんたちの表情が一番イキイキと伝わってくる。嬉しさや悲しさも。
私たち観客に、こういった問題について真剣に考えるように。と投げかけているのだろうか。
もしもそうなら、完全に監督の思うつぼだ。
不妊治療、養子縁組、望まない妊娠、セックス、非常にいろいろと考えさせられる139分だった。
映像と音響が素晴らしい
子供が出来ない夫婦が特別養子縁組で赤ちゃんを育てていく話だが、実の母は中学生だという設定。
まず、中学生で子供が出来て責任取れないなら、いくら好きな相手でもセックスするなと言いたい。
それから、何年か後に新聞配達してたが、せっかく高校へ行けって親が言ってるのに、家出して行かなかったのだろう。
全く、親の気持ちも理解しようとせず、反抗するだけでは共感出来ない。我が子と離れて生きてく喪失感はわかるが、その時やれる事やってからの事。
養子縁組で赤ちゃんを育ててる夫婦の方は、子育ても素晴らしくて、子供の言う事を信じてやるところがまた良かった。最後にひかりを探して見つけた時の朝斗の一言でひかりも救われるだろう。
映像美で光の使い方が良く、音響もマッチしてて素晴らしかった。河瀬直美監督いいね!
キャストは皆んな良かったが、主役の永作博美が特に良かった。
女性監督ならではの丁寧な演出に脱帽!!
ストーリーは特別養子縁組をテーマにそこにかかわる人達の悲喜交々を描いているが、とにかくその丁寧な演出に脱帽!!
河瀬直美監督の作品は初見だが、女性監督ならではの丁寧な演出により、各キャラクターの個性を一つ一つ紡ぎあげる手法は見事!!特に永作博美演じる佐都子と蒔田彩珠演じるひかりの子供を巡る愛憎劇はまさに見ごたえ充分。心象風景を風や自然を通し演出する所などはまさに女性監督ならではのもの!
元々各種映画祭等ですでに実績がある監督ではあるが、更なる飛躍が望めそうな1編!!
映画らしい映画、これこそ映画館で観るべし
河瀬監督らしい映画です。
ドラマではなく映画らしい映画。
行間や表情、間、映像美で物語るので、「ながら」観では伝わらない良さがあります。
ちょっと長いですが、最初から最後まで連続で見て欲しい。
ドラマや携帯ではなく、映画館の暗闇で見せられるから伝わるものもあるのだと、実感できた。
ストーリーはとても重い。
半分ドキュメンタリーのような感じで進みます。同時に、映画らしいストーリーもあり、それぞれの立場で考えるととても切ない。
また、一方的にどちらが正義とはなっていないのも良い。
中学生同士の恋愛の無邪気で美しいこと。
それでいて、最後はどうなるのか、展開が読めない。
また、永作博美と井浦新はもちろん、蒔田彩珠がとてもいい。演技が上手い、、、とかじゃなくとても自然でリアル。涙のシーンも本物の涙。という感じ。
これって、スタートとカットはかかるんですかね?
とても不思議。
テレビでやってましたが、撮影前から家族のような暮らしをしてから撮影するそうです。だから、子役も演技が上手い、、ということではなく、どこまでもリアル。
東京の綺麗な映像と、海と森やの田舎の映像、花びら、雪、霧、月、夕陽と映像美。
とくに光、逆光はとて印象的。
「ごめんなさい」にもいろいろある。それぞれ切なくて涙。
内容自体はとても思いけど、見終わった後にとても余韻が良い。
育てるということ。。
たった、1人の子供を幸せにできないなんて情けない。。と、自分自身思ったりする。でも、親も手探りなのよね。。
少しずつ親になっていく。。
それは光であり、闇でもある。
皆、悩みながら生きている。
でもね。
子供の将来を思ってなんて。。
チョイと違うよね。自分が安心したいだけ。
なのかも。。
ラスト、エンディングまで是非席を立たないでくださいね。
素晴らしい‼️
河瀬直美監督の映像美、人間に肉薄する撮り方を維持しつつ、多くの人に受け入れられやすい大衆性も実現しているのは、素晴らしい。主役3人の演技が本当にいい。
社会から光を当てられない問題を見事に描いた。
【特別養子縁組を題材に、”産みの親”と”育ての親”の姿との関係性を描いた作品。"家族とは何か"を深く考えさせられる作品でもある。”最後の最後に落涙してしまった・・”】
■今作品の魅力
・河瀬監督は、”産みの親”と”育ての親”の姿を、過去と現在とを行き来しながら見せるのであるが、このカット割りが絶妙に上手い。
混乱する事無く、ストーリーが頭の中に入って来る。しかも、観ている側の感情を揺さぶるように・・。
・様々な、太陽の見せ方。それは、木々の葉の間からであったり、山の端であったり・・。
シーンの切り替えの際に、挟み込まれるタイミングの良さ。
そして、あの橋の上での再会のシーン・・。
・”育ての親である栗原家”に、電話ボックスから脅迫電話をかけてくる人物の、数々の映し方・・。ミステリー要素を上手く助長している。
■印象的なシーン
・栗原清和(井浦新)が、無精子症と分かり妻佐都子(永作博美)に"離婚という選択肢もある"と告げるシーンと、柔らかな笑顔を浮かべ”不妊治療はもう、辞めよう・・”と夫に伝える佐都子の姿。
ー辛い筈なのに・・。佐都子を演じた永作博美さんの今作での演技は本当に凄い・・。又、夫を演じる井浦新の一瞬”ホッとしたような”表情も・・。-
・中学生で子を産んだ片倉ひかり(蒔田彩珠:以前から、若くとも、凄い女優さんだと思っていたが、今作の姿は本当に素晴らしい・・。)を、決して否定的なトーンで描いていない数々のシーン。特に、告白された男の子と愛を交わすシーン。
・ひかりを支えようとする家族とひかりとの距離が開いていってしまうシーン。そして、彼女が本当に信頼を寄せていったのはNPO法人代表”ベビーバトン”代表の女性(浅田美代子:柔らかな笑顔で訳アリの女性たちを支える姿がとても良い。)だった・・。
ーひかりの両親は、世間体を優先している・・。それ故に、ひかりの”誰にも言えない”哀しみが募って行く・・。-
・佐都子が自宅に電話をかけて来て、家にまで来た女性の”本当の姿”に気付くシーン。そして、土下座して謝り駆け出して行った彼女を追いかけて行って、愛息子の朝斗に”広島のお母ちゃんだよ・・”と橋の上で紹介するシーン。
◆”広島のお母ちゃん”が栗原夫婦に渡してあった手紙に、密かに書かれていた言葉
”なかったことにしないで・・”
―このシーンは、かなりかなり沁みた・・。
佐都子の”決意”と”優しさ”
そして、漸く我が子に会えたひかりの表情・・。
生みの親と育ての親と、朝斗・・。
雲の中から顔を出す太陽・・。
”新しい家族”の誕生の瞬間だ。ー
<特別養子縁組が前提のゼロ歳児里親委託制度をテーマにし、”家族とは何であるか・・”と言う深淵なテーマを河瀬監督が見事に映像化した作品。
エンドロールの最後の最後に流れた "ちびたん” からの ”会いたかったよ・・”
と言う幼き声に、堪え切れず、落涙してしまった作品でもある。>
ここでも格差
子どもが欲しい夫婦はタワマンの30階に住み暮らしている一方で
子どもを産んだ少女は中学生で未来を奪われ借金の肩代わりまでさせられてしまう……
それぞれつらさを抱えてはいるが
今の時代で、子を産み、育てるということは
かなりハードルの高い事になってしまったかのようだ。
途中、飲み屋で井浦新が同僚男性(こちらは子どもが既に2人居るらしい)に、
「セックスってなんなんだよ……おまえ……2人も子ども授かってるなんて……奇跡だよ……奇跡なんだ……。」
と言っていたのが印象的。
結婚も子どもを持つ事も
特別でない時代に戻ると良いなと思いながら……
エンドロールを眺めておりました。
映画構成に一本取られた💦
養子縁組にて男の子を迎え入れた夫婦が、産みの親(らしき人)から「息子を返して下さい。それが駄目ならバラしますのでお金下さい」と脅迫されちゃう話。
あらすじだけ観ると「ダメダメ産みの親の脅迫話」「産みの親?育ての親?どっちが子の為?」とか想像してダラダラ映画が進行して行きそうだと思うじゃないですか💦
正直言って違いました。😖
しっかり特別養子縁組内容をドキュメンタリー風に取り入れ、また「夫婦の前に現れた女性は誰?」と言うミステリアスさも上手く取り入れながら、早くして産みの親なった少女と遅くして育ての家族になった2つの人生が語られるのだ。
この映画構成にしてやられたのである✨
養子縁組家族の話では済ませては行けないのです。
不器用な幼母の話でも済ませては行けないのです。
話が重なった時、さらに奥にある、血の繋がりを超えた姿をこの映画は魅せてくれます。
手紙の内容もC&Kの歌もエンドロール後の一言もアクセント的で良かったです。
「家族って色々な形があってもいいですよね、、」
河瀬監督お見事でした‼️
愛はなんだ、愛がなんだ、愛ってなんだ
またもやちょっと重く暗めの映画。9月,10月はこういった作品が多めですね。
それでも、井浦新と聞いたら行くしかありません。予告もかなり面白そうだし、期待度高め。
うん。前半はとても良かったんだけど、後半がどうしても間延びしちゃっている。139分は長いかな
しかし、いい作品でしたよ。
実の子をもてなかった夫婦が特別養子縁組から男の子を迎え入れてから6年後、産みの母親から男の子を返して欲しいという連絡が入るという話。
まず第一に2人の"普通"の演技がとてもいい。
役者にとって1番難しい役は、武将?探偵?同性愛者?違う。私は普通の役が1番難しい役だと思う。
何故か。それは、私たちにとって一般人というのがいちばん身近な存在だから。どれだけ自然体で演じられているかが試される役じゃないかな。
それを見事に永作博美と井浦新は演じきったと思う。ぐっと堪えながら涙を流すシーンや重い空気に潰されそうになるシーンはグッとくる。偉大なる俳優さんだな
そして映像美。
タワーマンションを照らす朝日。広島の小さな島を照らす朝日。同じようで全然違う。
太陽の光なのに妙に暗く、幸せ100%では無いのが照明で表されており非常に美しい。
また劇中で多く映し出される森や海などの自然も、映画の良さを引き出している。
しかし、全体的に薄っぺらいなと思ってしまう。
その原因として考えられるのは2つ。
まず、主題歌の乱用。
「糸」のようにフルで2回も3回も流す訳では無いのだが、口ずさんだりラジオで出てきたりとやはりしつこさを感じてラストに涙が流れずシラーっとしてしまう。
そして、夫婦の尺。
前半は夫婦、後半は産みの母親と二つに分かれているのだが、夫婦メインなはずなのに意外と描かれておらず、かといって後半がいいかと言われるとそうでも無い。なんだか深くなり損ねたなという印象。
とまぁ、結果としてはまずまずかな。
先日鑑賞し、家族愛という似たようなテーマの映画「ミッドナイトスワン」の方が良かったので、少し厳しいが★3.0で。
というか、実際映画館で見てみたらそうでもなかったけど予告で見ると若干蒔田彩珠が岸井ゆきのに見えた。ちゃうちゃう、岸井ゆきのは空に住むですって。
キノと河瀬直美が本気出したらこうなった。的な。
参りました。やばいです。刺さるとか刺さらないとか、そんなレベルちゃいますもん。水の呼吸拾一ノ型でぶった斬られた感じ。って、それ死んでるやんw
「八日目の蝉」で思いました。永作博美の共感を引き出す能力は半端無い、って。前半は彼女一人にやられます。真綿で地味に締め付ける様に、夫婦と子供の歴史に引き摺りこまれてしまいます。
これが後半戦の蒔田彩珠パートで、ちゃぶ台ひっくり返してランナー交代ですもん。あんだけ永作一家に引っ張られてた物語りを、コレまた蒔田彩珠が一人でかっさらってきます。逆流もろともせずに上流に向かってUターン。的な。
ラス前がチョッピリ雑かねぇ、ってのは有りますが。原作未読なんで何とも言えんけど、二人の女性の生き方と境遇の対比に「わざとらしさ」も「過剰演出の臭さ」もなく、静かに淡々と人間関係の変化を追いかけて行く描写が大好き。
役者さんが全員良いし。
良かった。とっても。
邦画に限って言うと、刺さる映画の女性監督率、俺の中では80%超えてますw
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10/26
刺さる邦画に共通してる事の一つが「手抜きの無い脇役陣」ってのがあると思うんです。
蒔田彩珠パートの若手女性だけを例にしても、駒井連・山下リオ・葉月ひとみ・森田想です。全員主演作品あり、文句無しの実力重視選定ですもん。男性陣も、青木崇高と青葉竜也のチンピラコンビとか、贅沢とも言えるくらいです。この、手を抜かず、キッチリ固めてる所も好きです。
なお。この映画は主題歌の歌詞内容からも、ポスターでは背中を向けて座っている、片倉ひかりの物語り。かねぇ。間違い無く、蒔田彩珠は「志乃ちゃんの蒔田彩珠」を超えたし、永作博美も「八日目の蝉の永作」を振り切ったと思います。
映画は原作と違う価値をどう提示していくか
原作があって、その小説が素晴らしければ素晴らしいほど、映画化による価値を提供するのは難しい。今までも数多の作品が挑戦し、幾多の失敗の山は築かれてきた。
原作に一字一句忠実に表現する作品もあるが、それでは原作を超えることは不可能だし、そもそも映画化する意義もない。
逆に原作というより原案に近いかたちで、エンディング含め全く違う作品をつくるものもあるが、原作の世界観を壊して全く新しい世界観を作り上げることに「成功」した作品に個人的にはお目にかかったことがない。
本作は原作の世界観を忠実に表現しつつ、その上に河瀬直美監督が新たな価値を提供することに成功している作品だと思う。
出産子育てに関する夫婦間の問題や特別養子縁組という社会テーマを個人的な問題に落とし込み、さらに女性の息苦しさや貧困問題などの重いテーマをあえて淡々と描いている。原作者の辻村 深月の表現力も素晴らしいが、引き継いだ河瀬直美監督も内容を押し付けることなく観客に判断を委ねるかたちをとっている。
この映画は永作博美の圧倒的な表現があってはじめて完成した作品になっている。
カット割りに都市の高層マンション群と瀬戸内のおだやかな海がコントラストに描かれているのが印象的。
凪の画もとても詩的で監督らしい表現。
(ToT)涙腺が決壊したままで元に戻りません。
文句なく★5!!!!
子供を育てられず養子に出す若い母と子供を産めなくて養子を授かる母のそれぞれの物語が交錯する映画。どちらの女性に共感するか?なのではなくこの女性2人がいることで子供が存在するにだと言うことを忘れてはならず、
〝無かったことにはできないのでしょう〟。
私はこの養子の問題に関して、人間が言葉を持った意味を考えれば遺伝子の話など取るに足らない話であると思っていました。つまり育ての母親が全ての中心であると考えていましたが、この映画を見てこの子供の存在は確実に2人の女性で成り立っていることであり、どちらが欠けても子供には良くないことなのでしょう。
どちらの女性も人生でとても苦労して生きていくのですが特に若い女性の生き方はどんどん社会の波に負けて落ちてゆき可哀想でなりません。子供を養子に迎えた女性も子供ができないことで悩み大変な人生を送ります。
この2人が最後の最後で、、、、、、、、、、、、。涙。
今年は邦画当たり年なのか?いい映画が多い。
大人が考える子の幸せとは
予告で何度か観たこともあって観賞
感想としては
ドキュメンタリータッチの現実味のある作風
それを自然な演技で受け止める俳優陣
知らなかった制度
予告からミステリー調の話を予想していましたが
社会派作品だとは思いませんでした
子供に恵まれない栗原夫妻が
ふとしたきっかけで知った特別養子縁組制度
それによって子供を授かりますが6年後のある日
その子供の元親が現れ返してくれと…
生まれるけど育てられない
生まれないけど育てたい
一人の赤ちゃんを繋ぎとめる制度ですが
では育てられない親は未練が全くないのかと
言われればそうではない…
喪失感が人生をどんどんを狂わせていったら…
という悲劇的な部分を余すところなく描写します
この作品の一番辛いところは
その元親ひかりの家族や周囲の人達の言っていること
自体は間違いでは無いこと
借金取りですら間違っていません
受け止めきれないひかりが苦しむ事になってしまう部分
蒔田彩珠の演じている感じが全然無い自然な表現と
見事に相まっていました
この制度も調べてみると
出産前から介入するという画期的なものでありながら
・受け側の年齢は40歳くらいまで
・子供が幸せになるほうを協議して選ぶようにすること
・諸経費は受け側が負担する
・助成金がないこと
といった条件によりなかなか斡旋がうまくいかない
現実があるようです
少子化少子化と騒がれる昨今
こうした映画を通じて理解が進めばと思います
蒔田彩珠はどんどん出てきそうですね
演者最高なのにもったいない
映画というものは、総じて監督のものであり手柄は監督のものであると私は思う。
しかしその逆も然りで駄作…というより受け容れられなかった作品もまた、監督の責任であると思う。
その視点からこの作品を評価すると、
テーマ性はとても大切で繊細で、
伝えなくてはいけない内容だったにも関わらず、
何がどうしてこんなにごちゃごちゃにしてしまったのか、
ドキュメンタリーを撮りたかったのか、
それともフィクションを撮
りたかったのか、
甚だ疑問に感じた。
才能ある蒔田彩珠を素晴らしい使い方をしたにも関わらず、
脚本、編集がメタメタで、
詰め込みすぎと、浅知恵のミックスジュースという感想しか残らなかった。
終わって脚本家をエンドロールで見つけて目を疑った。
これ、監督がダメにしたのでは?
脚本家の高橋泉は好きな脚本家で、構成力がとても上手な作家のはず。
となると、この仕上がりいったいなに???
前半、蒔田彩珠が出てくるまで全部要らなくない?
そういうのが気になると、
せっかくの素晴らしい展開も感動出来なくなってしまう。
非常に残念な作品。
【家族になる】
多くの人がコメントしてるかもしれないが、エンドロールの最後まで席を立たないでください。
多分、この一瞬のために、この作品を撮ったのではないかと…、持って行かれます。
僕は、この原作が好きで、あっというまに読み終わったのを覚えている。
原作のエンディングは、とても叙景的で、心をものすごく揺さぶられる。
河瀬直美さんの監督で映画化されると知った時は、原作のエンディングをどのよう撮るのか、とても興味を持っていた。
だから、少し期待を裏切られたと感じていたところ、エンドロールが終わって、あっ、やられた、でも、これだったのかと、原作を読んで感じた自分の印象と比べて、改めて感じ方は人それぞれなのだと…考えた。
(以下ネタバレあります)
↓
物語は、不妊と中学生の妊娠という社会問題を扱い、優しさも憤りも、切なさ、虚しさや、悲みがちりばめられ、佐都子にも清和にも、ひかりにもそれぞれ感情移入する人がいると思う。
佐都子とひかりの境遇は一見真逆だ。
子供を授かることが難しい年齢と、早すぎる年齢。
夫が原因の不妊と、相手の不見識による妊娠。
養親と、生みの親。
朝斗を引き取ってからの充実した生活と、周囲の理解も少なく朝斗を手放してからの空虚で押しつぶされそうになる人生。
しかし、この作品を通じて感じたのは、ふたりには、きっと、このふたりだからこそ理解しあえる大きな共通点があったのではないかということだ。
それは、夫の不妊を知っても愛し、辛い不妊の治療を目の当たりにして、自らの子を諦めながらも、ベビーバトンの試みを知り、新たな家族、朝斗を固い決意で迎えたこと。
家族や兄弟など親族に対する心の距離感を抱え、自身の支えとなるような別の家族を渇望してしたこと。漠然とはしているが、こうした葛藤を抱える人は、案外多いのではないか。
清和は、佐都子の良き理解者であり、良き夫だ。
一方、ひかりの愛した巧は、若く、責任感に乏しい。
だが、それぞれが愛している、或いは、愛したという事実に変わりはない。
そして、切望したか否かにかかわらず、ふたりの子供に対する愛情は深い。
ひかりは子供を手放してしまったが、手紙にあったように、なかったことなどには決してできないのだ。
その後、ひかりは空虚な人生を送るようになってしまったように思えたが、僕は実はそうではなかったと思う。
原作では、風俗嬢のコノミが、ひかりに、いつか自分の産んだ子に堂々と会えるように頑張りたいと話し、ひかりもこの言葉に触発されて、身を粉にして働いていたように思う。
映画では、浅見と語らったベビーバトンでの短い生活で、改めて、「なかったことにはできない」想いが強くなったのではないのか。
だから、副次的にだが、自堕落な仲間にでさえ思いやる気持ちも持つようになったのではないのか。
周囲が望もうと望むまいと、我が子は我が子だ。
その後、一連の出来事は、思わぬ形で、そして、ひかりが想定していたよりも早く、ひかりを、この家族に引き合わせる。
エンディングは胸を打つ。
原作は、雨が降る朝、ひとり佇むひかりを、佐都子が後ろから強く抱きしめる。
広島のお母ちゃんだと言う佐都子と、ちょっと驚いて、広島のお母ちゃん?と聞き返す朝斗。
雨雲の切れ間から、朝陽が差し、3人を照らす。
きっと虹がかかるのではないかと思うような光景だ。
ひかりは、家族になったのだ。
映画はご覧になった通りだ。
会いたかった。
ひかりは、家族になったのだ。
家族とはなんだろうか。
興味のある人は原作も読んでみてください。
※永作さん、惚れるわ😁
半分ドラマ、半分ドキュメンタリー
個人的に河瀬監督は非常に難解な映画を作るというイメージが強い。特に前回見た「vision」は内容が全然良く分からず置いてけぼりを喰らいました。しかし今回の作品はストーリーとしては非常に分かりやすい映画でしたが撮り方が変わっていて半分ドラマ、半分ドキュメンタリーみたいだなと思いました。実際にこの映画のような事がおきたらやはり考えてしまいますね。
河瀬監督の良いところは光の使い方が非常に上手というところだと思う。また次の作品に期待したいです。
最後に永作博美の夫役の方、劇中はずっと田辺誠一だと思っていたら実際は井浦新だったのでびっくりしました。
圧倒的な空気感
ごく自然にそこに存在する
という一見当たり前のように思えることが頭から終わりまで持続する、役者陣の居方に圧倒された。
うまく言葉にならないもどかしさ。
近くにいた娘さん連れのお母さんは早い段階からずっと泣いていらした。
14歳で母になったひかりは、母であるが子供でもある。
でも子供ではいられなくなってしまった、子供なのに。
それが悲しかった。
みなさん書いていますがエンドロールは最後までみてください。
いい映画では、ある。
空疎な情報ばかりの昨今、体温を感じるルポのようなフィクション。養子縁組にまつわるエピソードを養親と生母の双方からドキュメントタッチと流麗な風景でぐいぐいと描いて感動を誘う。しかしこの映画に関しては特に意外性はなく、原作をリライトしてでもヤマと結末が欲しかった。八日目の蝉にサスペンスフルな要素があっただけに物足りない。優しい人々の美学から更に踏込み、生母が何か根拠を感じるカタルシス?とかを見出すまでを描かないと観た気になるのは難しい。桂小金治の番組ではないのだから、焦点にブレはないか。それでもいい映画だとは思いますw
全287件中、261~280件目を表示