「一筋の、ひかり。」朝が来る なのさんの映画レビュー(感想・評価)
一筋の、ひかり。
Netflixで鑑賞。
作中の男の子と同じ6歳の子どもがいるので、感情移入しやすかったかもしれない。
少女はただ真剣に一人の男性を愛した。
そこには何の罪もない。自然なこと。
ただただ、若くて無知だっただけで、残りの人生の全てを失ったように言われ責め立てられる。
親は彼女の今をちゃんと見ていたの?
女が身を守るために性に対する教育はしたの?
起こってしまった事実を悲観し、将来や世間体しか気にしていないように見えた。
学校?受験?それが何だよ。
産後の身体と心のケアがいるんだよ。
ボロボロに傷ついてるんだよ。
狭いなかでも選択肢を与え、一緒にこれからについて考えてあげていたら、もっと違う人生があっただろうに。
お腹で守り育てた大切なひとつの命で、心から救われる人達がいる、自分にしか出来ない行いをしたんだと思ってもらうことはできなかったのかな。
浅田さんの演技は素晴らしかった
過去の傷を強さと優しさに変え、穏やかな愛で包んでくれる。
新聞屋のおじさんも。
親じゃなくても、寄り添おうとしてくれる人達はいる。
そういう一握りの人達に出会えるかどうかは運で、いたとしても気付けるかどうかはその時の自分次第。
永作博美さんはいくつになっても可愛い。
演技から、親として大切なすべての力を感じた。
時として育ての親は産みの親の存在を遠ざけたい気持ちがあるものだと思うけど、彼女は産みの親の愛を途切れさせることなく、しっかり受け止め、受け入れ、子どもに話すことで愛情を間接的に渡してきた。
一度や二度じゃない。
何度も、何度も、物語のように。
最後の「会いたかったよ」が全てを語っている。
まだまだ思春期の真っ只中で、グラグラ危なっかしいひかりさんが、真っ暗な闇の中を生きずにすみますように。
これからも時々、大切な思い出の唄を息子と口ずさむことで温かい光が少しずつ差していくといいなと願うばかり。
星4にしたのは、不妊治療や妊娠中の身体の変化や心の不安定さ、身体的なツラさが特に描写されることもなく、綺麗な風景でさらっと流されていたから。
そこが一番大変なとこなんだよ…