「絶対に最後まで見てほしい作品。」朝が来る Normanさんの映画レビュー(感想・評価)
絶対に最後まで見てほしい作品。
最初スタートが喘ぎ声からはじまります。
え?こういうかんじ?って思っていたけど
それすら伏線です。
旦那様の精子が原因により、子供が欲しい2人の夫婦が
子供ができないことに悩まされます。
月に一度、札幌まで出向いて、治療を受けて
妊娠しようとがんばりますが
2人で生きていこうと、言う流れからスタートします。
そんな日に泊まったホテルで
偶然テレビでやっていた赤ちゃんを養子施設。
なんだかご夫婦もだし、出てる方すべてが
リアルすぎて、はじまってずっと胸が苦しかったです。
演技力がドキュメンタリー番組を見ているかのように
自然すぎて、涙がこみあげてきてしまいました。
授かった子は、当時中学生の子が産んだ男の子。
手紙と共に、お願いします、ごめんなさいと
泣きながら託された、あさと。
数年後、あさとが幼稚園の頃、突然、片倉ひかりと
名乗る女性から、息子を返して欲しい。
返さないと、周りにバラす、実の子じゃないとばらす。
それが嫌ならお金をくださいと。
家に訪れた片倉ひかりを見て、母親は
あなたはだれですか?と。
変わり果てた姿、面影もない。
あなただれですか?
私の知ってる片倉ひかりさんじゃないですって。
伏線がない映画なのかなって思っていたけど
伏線だらけです。
色々散らばっています。
そして色んな感情になる映画です。
片倉ひかりさんがなぜ子供を手放すことになったのか。
なぜ返して欲しいと言ったのか。
映画の中で全てわかります。
好きな人の子供なの?と聞かれて
本当に大好きな人との答える姿。
産んだ後、家に戻ったけど居場所を感じず
広島の施設へ出向き働かせてくださいとお願いする。
だけどあと一年たるずで、ここの施設は
終わってしまうことをしる。
そんな時、自分が里子に出した赤ちゃんの
行方が全て書いてあるファイルを見つけてしまい
会いたいという気持ちと、色んな葛藤が見えるシーンが
みていてありました。
近くの新聞屋さんで住み込みで働き出したひかりに
1人の女の子が面接に来ます。
その子と仲良くなり、見た目が変わり
でも中身はちゃんと真っ直ぐな優しいひかりちゃんで。
けどその子にも裏切られて
借金の保証人にされてしまいます。
そのあと家の階段で見つけた彼女は
誰かにボコボコにされたあとで
腕には昔やったリストカットの跡が。
結局その子は、バイバイと置き手紙と
残りわずかな所持金?をテーブルに置いて
出会った時にひかりが【その服かっこいい】
【これ着るとなんでもできるんだよ
あげないよっ!笑】
とやりとりした時のスカジャンが置かれてました。
その服を身にまとい、彼女のように赤いマニュキュアを塗り
色んな感情がぱんぱんになって、またひかりさんは
ご夫婦の家へ電話します。
いつもは無言電話にしてしまったり、出なかったり
あったけど、私がお母さんですと。
返してくださいと言い出します。
色んなことがありすぎて、頭がいっぱいになります
すごい涙が定期的に出てくる映画でした。
ご夫婦へも、ひかりさんへも、周りに出てくる人も
すべてなんかすごい深いです。
新聞屋さんのオーナーさんがなんでいい人なのだろうと。
昔、彼女が自殺してしまって
そんな素振りなかったのにと。
だからなにかあるなら誰かに言っていいんだよと。
ただただ心配だって。
あさとくんが家に帰ってきたあと
【なんでパパいるの?
だれかいる】
のシーンも伏線だし、全部回収してくれます。
お引き取りくださいと返したあと
大切にしまっていた片倉ひかりさんから
あさとへの、あの頃の中学生の片倉ひかりさんの
お手紙に消しゴムのあとをみつけた奥様は
えんぴつでなぞります。
【なかったことにしないで】
そこで、片倉ひかりさんの想いとか
色んなものを組んだ奥様は
追い返したひかりさんを探しに出ます。
ごめんなさいごめんなさい。
わかってあげられなくて。
そう繰り返す奥様に
【どうしてそんな謝るの?】って
隣にあさとを連れて、ひかりさんを探していました。
広島のおかあちゃんだよって、紹介して
あさとが、ひかりさんを見つめて映画がおわります。
ラストエンディングが流れ、はぁ、なんて
心に響く映画なんだとしみじみしていたら、、
あさとが、エンディングを歌い出します。
その声すらも、泣けてくるのにラストのラストで
【会いたかった!】って。
もう最後の最後に全部の涙がふきだしてきます。
散々泣いたはずなのに、最後ぶぁーです。
本当に見てよかった作品でした。
久しぶりに人にもすごく勧めたくなる
胸に残る、素晴らしいというのか
なんというのかわかりませんが
好きな作品でした。
小説をまるまる読んだものを
本当に綺麗に再現して
細かく細かく表してくれたような映画でした。
ありがとうございました。