劇場公開日 2020年10月23日

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「邦画はこの道をこれ以上追うな。」朝が来る 今日は休館日。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5邦画はこの道をこれ以上追うな。

2020年11月27日
iPhoneアプリから投稿

やりたいことはわかるし、できているのだとも思う。
映像としての品質は間違いないものだと思う。

しかしどうにも分からないし、入っていけない。

そこにある状況を豊かに表現してはいるのだが、状況はいつもただそこにあるものとして、一定の距離をこちらと保ち続ける。最終的にメッセージは届くのだが、結果こちらも一線引いた反応をせざるを得ない。その要因がリアリティの欠如なのか、多すぎる心象表現なのか、構成のディテール不足なのかは分からないのだけど。

まるでドキュメンタリーとも評されているが、ニュースやドキュメンタリーとドラマはまるで違う。
「伝える」という側面において、フィクションとして詰め切れていない感が拭えません。

あくまでスタイルに準拠する話。まぁ個人的な趣向も多分に含んでいます。
ただこのスタイルでいいんだと、邦画界が相変わらずこの道に甘えるのはもう勘弁です。
この監督の力量をもってしてギリです。

「サラリーマン見たことある?」と思ってしまう居酒屋シーンの奇妙さ。
顔に「自然」と書いてあるような永作博美と井浦新の過度に自然な演技。
突然マンガから出てきたように現れる借金取り2人のキャラクター。
ポスト樹木希林を順調に歩みはじめた浅田美代子。
作品を背負うには頼りなさが否めない歌のクオリティ。

意地悪な見方をすれば、こういった見どころもありますが、少し胃もたれしました。

今日は休館日