「最後に差し伸べた手は小さいけど温かかった」朝が来る エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
最後に差し伸べた手は小さいけど温かかった
子供ができない夫婦が特別養子縁組により男の子を迎え入れる。育ての親となる夫婦の視点で描かれる第一章。
インタールードとも言える再会。6年が経ち夫婦の家を訪れた産みの親は別人だった。6年前の面影は無かった。
産みの母親の視点で描かれる第二章。妊娠前に時間を戻し、彼女の悲劇の連鎖を追う。『どうして私だけこんな目にあうの?』と問う彼女に『馬鹿だから』だと突き放した。
エンドロールの最後で差し伸べた温かい手。小さな手だったが本当に温かかった。涙が滲んだ。
ありきたりな題材でどうかと危惧したが、軽々と超えてきた河瀬直美監督。やはり素晴らしい監督でした。本物の感動がありました。
コメントする
gachonさんのコメント
2020年11月23日
登場人物の感情を過度に出さない河瀬監督の演出は流石です。エロくそさんの涙が滲んだクライマックスでは私は突然、涙がこぼれ落ちました。血の繋がりはなくても親子であることは河瀬監督のテーマですが、もうこの映画でひとつの答が出たと思います。出演者もみんな素晴らしかった。