劇場公開日 2020年10月23日

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「上映終了後女子トイレ駆け込み」朝が来る ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0上映終了後女子トイレ駆け込み

2020年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

不妊のために特別養子縁組で授かった子供を育てている夫婦と、十代で子供を出産し、特別養子縁組あっせんのNPOに子供を手渡した21歳の女性の二つの話。
少女が出産時にNPOで出会う他の女性たち、NPOを運営する女性、アルバイト先の新聞配達の店主、新入りの女の子など、それぞれにみんな事情があり、また娘に子供を手放すよう説得する親も、単純に理解がないと断罪することはできないし、相手の男子生徒もしかり。どの人の判断・選択も間違っているとは言えない。誰のせいでもなく誰が悪いわけでもない。何に泣いているかわからないまま終盤は涙が流れ続けた。元は辻村深月の小説だが、不妊に悩んだ末に息抜きで出かけた温泉旅館の部屋でたまたま付けたテレビで特別養子
縁組を選んだ人達のドキュメンタリー番組を見る主人公夫婦など、効果的に映像ならではの要素を用いている。
原作がどうなのか読まないとわからないが、少女の出身が奈良で、河瀬監督また奈良をねじ込んできたな、とは思った。

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ミーノ