「完璧と言っても良い傑作」朝が来る ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
完璧と言っても良い傑作
正直「光」を観てから河瀨直美作品は合わないと思い込んでいたが、本作は完璧と言っても良いくらいに高いレベルでストーリー・演出・演技のすべてが調和した素晴らしい傑作だった。
養子縁組を考えた栗原夫妻の物語、子供を手放さざるを得なかったひかりの物語、それぞれを丁寧に描きながら、冒頭場面の謎を丹念に解いてゆく。
先の場面では映されなかった部分や表情が後から映像的に明らかにされたり、風景を使った抒情的な演出が当時人物の気持ちを的確に現していたり、河瀬演出がピタリとハマっている。
永作博美も井浦新も浅田久美子も本当に素晴らしい演技なのだが、なんといってもひかり役の蒔田彩珠が素晴らしい。
途中からほずっと、なぜこの社会はこうして女性の側にばかり犠牲を強いるのか、とにかく彼女が救われて欲しいと、祈るような気持ちで画面に釘付けになっていた…
最後の最後、エンドロールが終わりきるまで目を離さないでほしい。あと、ハンカチ必須です…
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