「鮮やかな終幕。」朝が来る はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
鮮やかな終幕。
特別養子縁。
なぜ夫婦は血の繋がらない子供を育てる決心をしたのか。
なぜ産みの母は我が子を養子に出すに到ったのか。
2つのエピソードが丁寧に描かれています。
夫婦役に井浦新さん(モデル時代から本当に大好きです!)永作博美さんを迎え実力派達が若手俳優陣をしっかりサポート。
青木崇高さんのチンピラや三浦誠己さんの刑事も絶妙でした。
誰が育てたって子供が幸せならそれでいい。血の繋がりよりも大切なことはいくらでもある。そんなことは十分分かっている。でもやりきれない想いもある。
我が子を手放すと決めた母達が時折見せる涙がリアルだった。
都会の闇に同化して建物の輪郭は見えない。暗闇に高層ビルの部屋の灯りだけが煌々と映えている。
夜と朝。昼と夕暮れ。太陽の瞬き、海からの風、そして音楽。全てが心地よく融合している。
どれだけ暗く長い夜でも必ず朝が来る。
そして話題のエンドロール。
これまでの物語は全てこのための伏線だったのか。監督が仕掛ける鮮やかな終幕の魔法をお見逃しなく。
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