「分かってあげられなくてごめんなさい」朝が来る グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
分かってあげられなくてごめんなさい
原作が相当良かったので、個人的には『鬼滅の刃』を待ち望んでいた方々に引けを取らないほど(たぶん)高い期待感で初日初回に鑑賞しました。
結論。
期待を遥かに上回る作品に仕上がっていました。
こみあげてくるような深い感動とともに、ラストシーンに至ってはまさに〝光〟そのものを見たような感覚に包まれました。
『なかったことにしないで』というひかりの悲痛な叫びと、お互いを思い遣り、人を愛おしみ慈しむ心を育んできた夫婦の思いが交錯するドラマはどれも重厚です。
序盤に描かれる夫婦の思い遣り。
自然体で優しいだけの人たちではありません。
相手の気持ちを分かろうとする努力なしでは決して愛情も絆も信頼も深まるものではないことが伝わってきます。
中盤のひかりとその家族。
親が発するおためごかしの、所詮は自己都合優先の助言や調整。浅見さんだけが、ひかりのことを見ています。
終盤は、役者さんたちの渾身の演技と余韻を残す映像。
あなたは私たちが知っているひかりさんではない、と決然と言い切る夫婦。
手紙を託した頃の自分がもう一人の広島の母として大切に思われて存在している以上、今の自分は何者でもない、としか言いようのない絶望感に打ちひしがれ頭を下げるひかり。
ここから迎えるラストまでの展開は、本当に胸が詰まり、一気に解放され、大きな安堵感に繋がります。
どのシーン(セリフ、映像、そこに挟まれる幾つもの意図的な間)にもそれぞれの深い思いが詰まっていて、ひとつたりともおろそかにできません。
私は罪の声は少し期待してはいます。
原作は拝見しておりませんが、監督が「いま、会いにゆきます」「ビリギャル」などご無沙汰土井監督。しかも男臭そうなのはご無沙汰ですので✨
グレシャムさんは原作お読みなられました?塩田さん原作の内容をどうするのか見ものです。
今晩は
私は原作と映画は”似て非なるもの”と言う脳内変換をした後で、鑑賞に臨みますが、今作は河瀬監督の類稀なる力量に完全にヤラレタ作品でした。レビューには書きませんでしたが、序盤、中盤でかなり涙腺を刺激され”佳き作品だなあ・・”と思いながら観ていましたが、最後にノックアウトされました。
家庭を持つ身にとっては、イロイロと考えさせられましたし、今作の基盤になっている”赤ちゃん縁組”の制度は私が居住している県から始まったという事も脳内の片隅にありましたが、そんな細やかな事を吹き飛ばす程の今作が発する豊かな情感にヤラレタ作品でした。
長く記憶に残る作品と出会えた事を嬉しく思いました。
では、又。
またまたコメントすみません💦
「映画作りに対する真摯さとか誠実さが一段と際立って見えました」
コメントに涙🥺ウルウル
コロナのせいもあるんだろうけど、最近そういうものに出会えておらず
真面目に映画館行くの控えようかなとも思ってましたので、
今泣き出しそうです😭
帰宅してからも余韻が冷めないので、半年前に読んだ原作を取り出して、忘れかけていた小説のラストシーン、佐都子がひかりを見つけたところから5ページ分読み返してみました。
驚きました。
佐都子、ひかり、朝斗の3人が作り出す光の輝きが原作も映画もほとんど同じ印象でした。
河瀬直美監督、お見事です‼️