カルガ 積荷の女のレビュー・感想・評価
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命は、軽いもの
ソ連崩壊後、出稼ぎの為に国境越える筈が 騙され人身売買の組織に閉じ込められて売春婦にされる 女たちの話、終始暗いトーン (「積荷」というのは、人身売買用のトラックの荷の事で 女たちはその実態を知らぬまま物資と一緒に乗っている・・・) ・・・退屈はしなかったけど、面白かったかというと微妙 ドキュメンタリー・タッチなら見ごたえあったかも 登場人物が、皆何かというと手持ちぶさたにタバコを プカプカ←演出の幅が狭いのをごまかしているように 感じます すぐ人を脅したり、あっさり殺す殺される死んでしまう 人ばかり それが、かの国の現実なのかもしれないけれど 終始命が軽いものとして描かれています ラストのメッセージは、あまり心に響いてこなかった けれど、ヒロインのヴィクトリアのように 困難な状況に陥っても 生き延びる為の努力をしろ、周りの人々も 見て見ぬふりをせず現実逃避せず それを助けろ、という事かな・・・うーん 映画としては、☆5満点で、2つ半かな
怖すぎる……
ミハリナ・オルシャンスカ様強化月間の、2本目として鑑賞。 まずオルシャンスカ様のみすぼらしい姿にショックを受けた。不法移民そのもの。出稼ぎに出たつもりがまさかの人身売買で酷い目に遭わされる。逃げ場も無いし味方もいないし希望もない。オルシャンスカ様が犯されてしまうシーンでは、胸糞の悪さと緊張感が相まって心臓がバクバクした。 そして、まさかのマフィア妹もオルシャンスカ様。加害者と被害者を一人二役にする意味あんのか?と思いながら観ていたら、ラストの妹の語りを聞いて納得。 立場の弱い不法移民だろうが裕福な家の養子だろうが、女性という存在が弱者として搾取されてしまう社会構造自体が問題なのよ。 ストーリー的にはちょっとご都合主義的なとこもあったけど、一応ハッピーエンド?を迎えたのが救い。 ロシアとか東欧のイメージって確かにこんなかんじ。ただ、それも決して昔の話ではなく現代でも問題になっているんだ、目を背けるな、というラストが辛かった。
やりきれない
1990年代、共産圏の崩壊のためヨーロッパの経済体系が変化し、女性たちは失業し、貧困にあえいでいた。そんな中、出稼ぎのため国境を越え、希望を見出そうとしていた。ヴィクトリアという少女もその一人。しかし、行き着いた先は人身売買グループのアジトだった・・・ どこの国だかわからないようになっていた。悪の組織のリーダー、ヴィクトルはロシア系で英語を話す。10人の男女がアントニオの運転するトラックからバンを乗り継いでアジトに到着。品定めをされ、男たちがいきなり銃殺されるのだ。女性だけ残されたということは、やっぱり巨大売春組織。女性たちの人種も様々だった。 とにかく暗い。組織の人間も罪のない人々も簡単に殺される非情な世界。銃殺シーンを目撃してからは、ヴィクトリアはとにかく逃げることしか考えてない。しかし、悪人の中には彼女たちを哀れんで脱走の手助けをしてくれる者も現れる。車を盗んで逃げる、逃げる。ガス欠になってからは線路沿いを歩き、森の中を駆け巡る。そして行き着いた一軒家には・・・ 希望も何もない暗闇。生き残ってる者たちは家族を巻き込みたくない一心で耐えているだけで、心を失った人形のよう。自分がいる国さえもわからない、言葉も通じない、といった状況がとても孤独。無事に帰れたとしても、心に大きな“積荷”を背負わなければならないのだ。見終わってもスッキリしないし、終盤のとあるシーンもスッキリしない。こうした事件が現実に起こっていることだということしか残らないのだ。空しくなる・・・ ヴィクトルの妹とヴィクトリアが二役だったなんて、エンドロールまで気づかなかった。
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