劇場公開日 2019年11月15日

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「ブランドンくんには何が必要だったのか」ブライトバーン 恐怖の拡散者 アッちょむさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ブランドンくんには何が必要だったのか

2019年11月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

難しい

ホラーもグロも苦手だけど、昨今のヒーロー作品の波に乗って単身、映画館に向かいました。しっかり怖がり、しっかり驚き、ホルモンドバドバ放出させていただきました。

常人が持ち得ない強大な力に覚醒してしまった弱冠12歳のブランドンくん。ちょうど思春期と重なってしまい邦題通り『恐怖の拡散者』となってしまいました。
彼が、世間に認められ正義のヒーローとして活躍するには何が必要だったのでしょう。常に味方でいてくれる家族でしょうか。心の支えとなってくれる友達でしょうか。はたまた、たとえ悪人だとしても命を奪うことまでは許さない製作者のポリシーでしょうか。
その答えを得るために必死に頭を悩ませましたが答えは出ませんでした。ありきたりなテーマですが強いて言うなら「愛」でしょうか。彼への愛を直接表現していたのは作中では母親のトーリぐらいに思え、そんな環境で敵意を向けられれば反発したくなる気持ちになるのは当然のように感じます。たまたまブランドンくんにはとてつもない力が備わっていて、たまたまそれが悪い方向に働いてしまい、結果として人を殺めることに繋がっただけで、子供が自分にとっての敵を攻撃してしまうことは至極自然なことかもしれなかった、とも考えられました。
もしそこでどんなことがあってもブランドンくんを守る人物がいれば、彼の心の拠り所となり世界を恐怖に陥れるような存在となることはなかった(かもしれない)でしょう。
ブランドンくんのそもそもの動機はなんだったんでしょう。宇宙船の意思だったのか、彼の人体や生物に対する知的好奇心だったのか、そこの辺りはあまり考えさせられました。

ブランドン・ブライヤーのダークさを伝えるためにグロ描写が少し多く感じられましたが、光を使ったホラー表現はやはり優れていました。観た人によって受け取ったテーマやメッセージは違うように感じますが、最強の力の前には何も為す術がなくなった凡人の恐怖は一貫していたと思えます。近頃の2時間を超える長尺映画の中で91分というコンパクトに収められた作品なので、とてもスッキリ観られます。主題歌「bad guy」の使い所は最高にシビれました。ありがとうございました。

ぼのぼの@映画館記録用