劇場公開日 2019年11月15日

ブライトバーン 恐怖の拡散者 : 特集

2019年11月5日更新

「ジョーカー」級の衝撃、早くも襲来!ジェームズ・ガンの反抗期が始まる!
もしスーパーパワーを持つ子どもが、道を踏み外したら…これはヒーロー?
それともヴィラン? 他の何とも違う、見たことのない“恐怖の新ジャンル”

日々、エッジの効いたユニークな作品が創出されるホラージャンルに、ひときわ邪悪な閃光を放つ一作が誕生した。11月15日に公開される「ブライトバーン 恐怖の拡散者」は、スーパーヒーローになり得るパワーを秘めた子どもが、もしも悪に落ちてしまったら……という発想から始まった、ショッキングな快作である。

ヒーローともヴィランとも違う、まったく新しい“ジャンルミックス”。新感覚の恐怖が拡散される瞬間を、あらゆる映画ファンに目撃してもらいたい。


もしもスーパーヒーローになり得る子どもが、
反抗期で“悪”に目覚めたら… こうなる!?

本作は、ヒーロー映画のほの暗い側面をつまびらかにしてみせている。その意味で、もたらされる衝撃は、異例の大ヒットを記録している「ジョーカー」に比肩するといっても過言ではない。

物語は、不妊に悩むトーリ(エリザベス・バンクス)夫妻のもとに、謎めいた赤ちゃんが“やってくる”シーンから始まる。夫妻は赤ちゃんをブランドンと名付け、スクリーンには成長の過程を収めた幸福なホームムービーが映し出される。

聡明で素直に育ったブランドンだが、12歳になった日から、尋常ならざるスーパーパワーを発揮。同時に訪れた反抗期も相まって、性格と行動を徐々に変化させていく。

【反抗期①】 親に呼ばれても返事しない 無表情でフォークをかじると…

朝食時、けだるそうにシリアルやパンケーキを口元に運び、癖になっているのかフォークをガジガジとかじるブランドン。ガリッ、ゴリゴリッ、グシャッ。あまりにも奇妙な咀嚼音に驚いた父カイル(デビッド・デンマン)が、慌ててフォークを取り上げる。どんな力で噛んだのか、先端が大きくひしゃげてしまっていた……。

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【反抗期②】 むしゃくしゃして、芝刈り機の紐を思い切り引っ張ったら…

なんだか最近、イライラしやすいし、時々うなされる。庭の手入れを頼まれたブランドンは、芝刈り機のエンジンをつけるため紐を引っ張った。なかなか動かない。くそっ。力の限り紐を引いてみると、重たい芝刈り機は空高く舞い上がり、はるか後方へ吹き飛んでいった……。壮絶な力が、少年に宿っていた。


【反抗期③】 かつて好きだった女の子の手を掴んだら…

ひょんなことから転倒したブランドンは、好きだった同級生の女の子に起こしてもらおうと手を差し伸べる。彼女の軽蔑の表情を見た瞬間、ブランドンは感情が抑えられなくなり、全力でその子の手をつかんだ。すると彼女の手はまるで紙コップを握りつぶしたみたいに、見るも無残な形にへし折れて……。

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【反抗期④】 少年を怒らせると、死ぬ…

エスカレートしていくブランドンの自分勝手ぶりに、大人たちも堪忍袋の緒が切れた様子だ。特にひどく叱責されると、少年は決まって「このことは保安官には言わないで。誰のためにもならない。特に、あなたのためには」と脅すような口調でつぶやく……。

ブランドンのパワーは何なのか、両親との間にどんな展開が待っているのか。スクリーンから、片時も目が離せない。


【予告編】 待望の我が子は、邪悪な“スーパーマン”だった…

製作は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン!
ホラーの論理でヒーロー映画を作る…“反抗”刻んだ掟破りの“BB級映画”

この異色作を創出したのは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズを監督した鬼才ジェームズ・ガンだ。同作でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に新風を吹き込み、押しも押されもせぬトップクリエイターへと上り詰めたガン。しかし2018年7月、過去のTwitterでの発言が問題視され、シリーズ第3弾から解雇されてしまう。

「ブライトバーン」はちょうど、MCUから締め出しを食らい、鬱屈したエネルギーを貯めに貯めていた(であろう)時期に手掛けた作品だ。“らしさ”全開の容赦ない過激な物語を鑑みるに、劇中のブランドンのように、ガン自身も“反抗”を胸に製作に没頭していたことがうかがい知れる。

◆マーベルをクビになっていたジェームズ・ガンの“反抗期” ◆“ガン一族”が結集 脚本は弟のブライアン・ガン&いとこのマーク・ガン ◆設定が超野心的 スーパーヒーローをホラーアイコンとして再解釈 ◆主題歌はビリー・アイリッシュ 世界で最も注目されるアーティスト

また本作がユニークである所以は、その野心的な設定である。MCUやDC映画に登場するようなスーパーヒーローが、邪悪なものに反転したら、世界は破滅へひた走るのか……?

ヒーローを“超越的な怪物”と再解釈/パロディ化して紡がれた物語は、絶えず新鮮な驚きを観客に与えてくれる。通常のホラー映画とは一線を画す本作は、いうなればB級ならぬ“BB級映画”(BBの意味は本編を見ればわかる)である。


これはヒーローなのか? ヴィランなのか? それともアンチヒーロー?
どのジャンルにも当てはまらない、全く新しい“ジャンルミックス”の誕生!

この映画はホラーなのか? ホラーの論理でヒーロー映画を作ったなどと述べたが、それは本作の表情のひとつにすぎない。ストーリー、キャラ、テーマを考えれば考えるほど、ジャンルはひとつに絞れなくなっていく。

そもそも、ブランドンはヒーローと言えるのか? それともヴィランなのか、ダークヒーローなのか? その要素を紐解き、検証するほどわからなくなる。スーパーマン、バットマン、ジョーカー、サノス、アイアンマン……どれとも重ならない、“新ジャンル”のキャラクター性が魅力だ。

さらに物語は、親子愛の不確かさについて、観客に改めて考えさせる。親にとって、愛する息子の言動・思考を急に理解できなくなることは、恐怖以外の何物でもないだろう。劇中のトーリとカイルは、たびたびブランドンの行動にギョッとし、肝を冷やし続ける。一方で子にとっても、親から絶えず疑いのまなざしを向けられることは、それこそ恐怖にほかならない。

どのくらい子を叱ればいいのか。どのくらい愛せばいいのか。2人の息子を育てるバンクス自身も「脚本を読んで、子育てについての映画だと感じた」とコメントを残している。ホラーファンだけでなく、子育てを経験するすべての人々にも、本作のテーマは深く刺さるはずだ。

SF、ホラー、ヒーロー、サスペンス、ドラマなど、さまざまなジャンルが同居し調和している、いわば“ジャンルミックス映画”。それゆえ本作は、ほかのどんな映画とも異なるのだ。

すでに続編製作が進行しており、カルト的人気シリーズへ成長する可能性は高い。エンドロールには、ガンにゆかりのある“あの人”も登場しているので、映画ファンは凝視してみるのも一興だ。

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