「『スーパーマン』ミーツ『オーメン』&『AKIRA』」ブライトバーン 恐怖の拡散者 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
『スーパーマン』ミーツ『オーメン』&『AKIRA』
子供が授からず悩んでいた夫婦カイルとトーリは深夜自宅近くの森に爆音とともに何かが落下したことに気付き、慌てて駆けつけるとそこに赤ちゃんの姿があった。その子はブランドンと名付けられ二人のもとですくすくと成長するが、12歳になった時自身が常人にはない能力を持っていることに気づく。最初は戸惑ったブランドンだったがその能力に突き動かされるように邪悪な本性を少しずつ露わにしていく。
予告だけ観ても解りますが、さながら『スーパーマン』ミーツ『オーメン』&『AKIRA』。実に子供っぽい無邪気な好奇心が徐々にエスカレートしていく辺りは『クロニクル』にも似た展開ですが、畳みかけるように展開されるクライマックスが醸すいかにもB級ホラー的な悲愴感に満ちています。魂の抜け殻のような表情に怒りを滲ませるブランドンを演じるジャクソン・A・ダンの演技も見事ですが、ブランドンの奇行に翻弄されながら狂気と区別のつかない母性を発揮するトーリを演じるエリザベス・バンクスの熱演も白眉。ほぼ90分という短い尺なのでダレ場もなく安心して鑑賞出来る手堅い作品だと思います。
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