「魂が舞い戻る場所。」ラスト・ムービースター bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
魂が舞い戻る場所。
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ダダ泣きの三分。
老いる哀しさにに打ちひしがれる日々。って言う程でも無いけれど、すっかりと隠居生活に慣れ切って、まるでお迎えでも待ってるかの様な生活のヴィック・エドワーズ。
ナッシュビルの超田舎ローカル映画祭、と言うか同好会の定例会程度のイベントに出向いたレジェンドは、その貧相な様や待遇にヘソを曲げ、一晩だけで帰ろうとしますが、車で三時間走れば、生まれ故郷のノックスビル。うつ病を抱える案内役兼ドライバーのリルと共にノックスビルを訪れる物語。
ヴィックが若かりし頃に出演した映画の中に、老いたヴィックが登場し会話します。「何故、お前はそんな生き方をしているのか?」って言ってる様な気がしてならない。
5回結婚したヴィックは老人ホームにいる最初の妻の元を訪れ、過去の自分の行為を謝罪します。ナッシュビルの映画祭の会場に戻って懺悔のスピーチ。そのバックには、痴呆症の妻を強引にホームから連れ出し、プロポーズの再現をするシーンが流されるんですが、そこが泣けてしまい。もうね、ダダ泣き。久し振りに。
あの頃が一番幸せだった。そんな事は、わかってるよね。わかってたよね、もっと前から。ずっと前から。自分の魂が舞い戻るべき場所に、帰れなかった理由があるとしても、「帰れない理由」にしてしまってるのは自分自身。
リルが幸せを掴めそうになったのもまた、幸せになれない理由を作ってるのは自分自身だった事に気付いたから。
そんな物語。良かった、とっても。
パート・レイノルズ最後の主演作だそうです。名優に合掌。ホントに滲みる映画、演技でした。
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