家なき子 希望の歌声のレビュー・感想・評価
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少年と旅芸人の二重物語
遥か昔に見たアニメの微かな記憶しかなかったので、一応ウェブであらすじなど辿ってみた。だいぶん変更、簡略化されているようだったが、どうやら原作は、主人公の身の上が二転三転、長く複雑な物語。限られた時間に全てを盛り込もうとすれば、しっちゃかめっちゃかで終わってしまうのは必定。一本の映画作品としては、解りやすく、子供にも見やすく、上手く纏めてあると思う。
主人公レミは、実は拾われ子で、経済的理由で、動物使いの旅芸人に預けられる。親方や動物達と次第に心を通わせ、歌の才能を開花させ、やがて本当の親に繋がる手掛かりに巡り合う。
年老いたレミの回想として語られる、彷徨の物語の主人公は確かにレミだが、その裏で、同程度の重みで語られていくのが、旅芸人ビタリスの人生だ。
かつて高名なヴァイオリニストだったビタリスは、もてはやされ、音楽にかまけて家族を顧みなかったばかりに、妻と子供を喪っていた。その罪滅ぼしとでもいうように、ビタリスはレミに愛情を注ぐ。二度と弾かないと誓ったヴァイオリンを披露して金を稼ぎ、悪漢に拐われたレミを助け出し、吹雪と寒さから守ろうと抱き締めたまま、自らは命を落とす。
この物語は、ビタリスの贖罪の物語でもあり、多分にキリスト教的宗教色を帯びている。それが、『フランダースの犬』や『幸福の王子』と同じような、若干のやるせなさ、気持ちの置き所の無さを感じさせるのだが、最後に、物語はレミの人生に、きちんと幸福と意義を用意してくれている。
悲しくもほっと優しいこんなお話は、寒い季節に、温かい飲み物を傍らに鑑賞したい。
旅を通して成長する少年レミの物語。同じ作家の「家なき娘」も好きです。(←「ペリーヌ物語」です)
私にとっての「家なき子」といえば、70年代のTVアニメ。
この作品はそれに影響を受けているらしいと聞き
是非観なくては、ということで鑑賞しました。
で
観て3日経ちましたが
レビューがなかなか書けなくて… あらま
頭の中にあれやこれやと
観た場面やら感想やらは浮かんでくるのですが
それがどうにも上手く言葉にならなくて
うーん…
と、考えて3日後
ようやくその理由に思い当たりました。
★70年代の「出崎統演出・家なき子」と比べるからダメ
ミリガン夫人が白鳥号にいなくても
白鳥号でリーズが旅をしていても
アーサーもマチヤもいなくても
ドルチェとゼルビーノがいなくても
カピが白くなくても ( ← これはまあいいか…)
◇
2時間という時間の中で
レミとリーズのハッピーエンド(を匂わせる終わり方)を描こうとしたら
登場人物を絞り込み、人物関係も見直し
その上で
ストーリーを再構成する必要があった
ということなのかな、と推察 ( …たぶん 汗 )
◇
そういう目で見れば
冒頭から懐かしい言葉がいっぱい
シャバノン村
パルブラン・ママ
雌牛のルーセット
白鳥号
etc
何よりもフランスでの撮影なので
家なき子の舞台の空気
それに浸ることはできた気がします。
そして
レミ少年を演じた、マロム・パキン君
ウィーン少年合唱団で歌ってそうな顔だちの
正統派の美少年です。
※今作の一番の収穫かも
◇
ただ
どうしても引っかかってしまったセリフが…
リーズの母親(ハーパー夫人)
レミのことを気に入ったのは良いのですが
「将来はリーズの執事になってくれたら」
…
うーん
執事ですか
なんか違うかなぁ…。
◇
観た後
出崎版TVシリーズをもう一度観たくなり
dアニメストアに加入してしまいました。。
目標
今月中に全話視聴 (全51話 さあ頑張ろう )
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
童心に帰って
「家なき子」って確かに安達祐実バージョンしか知らんわな。ということで、ヨーロッパの綺麗な風景も堪能したく鑑賞。
いや、しかしなんでどこもかしこも吹き替え版ばかり。レイトショーくらい字幕版でもいいやろ。
吹き替え版はなんか漫画チックになって今ひとつ気合い入らないんだよなー。
で、我慢して吹き替え版での鑑賞です。
サブタイトルにもある希望の歌声も、イマイチ生きてこないような気がしましたわ。
家なき子ってそういうストーリーなんでしたか。
親方、哀愁漂い良い人でした。
【以下、おもいっきりネタバレ注意】
ラスト、孤児院で働くメイドさん?が実は、育ての親ということのようだが、オープニングで登場して伏線張っておいて欲しかった。(もしや、登場してました?見落とし??)
あと、サラッと流す嫁のオチも、軽過ぎやなって。
すごく面白い
子どもの時にアニメを見ていたのだけど途中で見なくなってどんな話か分からないままだったのだけど、ストーリーがすっごく面白い。ヴィタリスさんのやさしさに涙が出る。親子でもおじいさんと孫でもなくても紛れもなく家族だ。
ただ、もうちょっとレミの歌での見せ場が見たい。
うちの子は養子と里子なので、一緒に見た方がいいような気もしたのだけど、変に考えこんだら可哀想だからもうちょっと大人になって、例えば中学生でグレたりしたら見せるといいかもしれない。でもヴィタリスさんと比べられたらよくないので、やっぱりずっと見せない方がいいだろうか。
王道に感動シーンが詰まった作品
東京国際映画祭にて鑑賞。非常に優しさが詰まった映画祭に相応しい作品に思えた。
家なき子は世界中で愛され、色んな国で作品化されている。その都度話に改編があったり原作と大きく異なる作品もある。この作品も原作に物凄く忠実というわけではないが、王道に感動シーンを切り抜きそれをうまく纏めあげたといったように感じた。
その為大人から子供まで楽しめる、むしろ原作をあまり知らない子供たちの方が楽しめる様にも思えた。
見やすさの要因として非常にテンポがいいのはこの作品の特徴である。その為どうしてもレミや親方の人物背景については深く描かれてはいない。
レミの本当の親を見つけだす信念とその周囲の優しさにスポットを当てた作品といったところか。
レミは大人になった後は歌手として成功し、初恋の車椅子の女の子とも結ばれたのも最後は簡易的に描かれていた。この辺りも含め非常に王道に感動に導く作品だなと最後まで感じさせられた。
レミ、ノーバディーズ・ボーイ、この題名では自殺ものです。
フランスの小説家、エクトール・マロの小説"Sans Famille”(英語題名:"Nobody's Boy")を原作としたものは、個人的に記憶しているだけでも日本のアニメとして3本ほどある。劇場公開された「ちびっ子レミと名犬カピ(1970)」、この作品は、東映の大御所、ワンマン社長、プロデューサーの大川博によるもので、いろいろと言われた方であったが、彼のおかげでアニメというものが、娯楽としてだけでなく文部省推薦という冠をもらえるまでに、その地位が高められ、特にその当時では、一流の俳優が声優の真似事なんて自尊心の高い彼らには、到底受け入れられ難いと思われるが......? この映画を含めてすべての映画に言えることは、アレンジによって原作のイメージとは、かけ離れたものには、なっていないが、フジテレビ系で放送された「家なき子レミ(1996)」だけは、大胆にもレミを男の子から女の子に改変している。
映画のハラハラさせるのは、弟のジェームズ・ミリガンが、姉のミリガン夫人の財産を奪うために邪魔な本当の息子レミを亡き者にしようと企むところかもしれないが、個人的にこの映画の見どころは、ヴィタリスが、小説では声楽家として描かれているが、本作では、過去の忌まわしい事故によって、自ら演奏を禁じたバイオリニストととして、3大ヴァイオリン協奏曲の一つ、メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲を弾くところが印象に残るものとなっている。また一番肝心で、「家なき子」のどの映画も感動を呼ぶシーン、本当の母親であるミリガン夫人とレミとの感動的な再開シーンが、待ち構えていたのに????? 肩透かし~ぃ。
この映画は、生産国がフランスとなっていて、公開されたのもフランスやカナダのケベック州となっているが、多分、日本で公開されるのは英語吹き替え版だと思われる。間違っていたらすみません。
上から目線で言うとよくできたシナリオでサックと観れたし、特に犬の"カピ”はとても優秀で映画を盛り上げていたけれども、涙ポロリのシーンがあるにはあるが、個人的には.....? ッと
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