Winnyのレビュー・感想・評価
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法廷劇としても白眉の出来
本作を見終わった後に金子勇氏のWikiの批判を見ると思う所はある。
作品自体は当時子供の頃だったので曖昧にしか知らなかったことを知れた気がして面白かった。
作中で何度か「ナイフで人を殺した場合、ナイフを製造した者が罰せられるか?」という例が出てくる。作品を見ている最中は確かにそうだと思った。
しかし、批判を見ると考えが覆った。
金子氏が行ったことは、自身が製造したナイフをナイフ協会やナイフコミュニティに披露して技術研鑽するのではなく、闇市で「俺の作ったナイフはあのナイフより優れてるから使ってみてくれ」と提供したようなものと考えることが出来る。これだと話が変わってくる。
P2PのソフトウェアであるNapsterの運営会社が2001年にアメリカ連邦裁判所で著作物に関して違法判決を受けているという情報をP2Pの勉強をしている者が知らなかったのかという疑問が残る。知っていた場合、未必の故意なのではないか。
金子氏は性善説の上、Winnyを提供したのかもしれない。もしそうならば、人間が余りにも愚かであるということを考えなかったのだろう。
自身が積極的に参加しているコミュニティ(2ちゃんねる)で自身の実力を見せつけたいという今で言う承認欲求があった可能性も否めない。2ちゃんねるの技術部長などのように祭り上げられることに快感を得ていた可能性も今となっては知る由もない。憶測の域を出ないが良くも悪くも想像というものは膨らんでいく。
意図的に織り込まえている無能な年長者たちの描画が気になった。
冒頭でP2Pの説明をしている時に話を聞いていないおじさん弁護士、裏金の主犯格のおじさん警察官、ITが全く分からないおじさん裁判官。
愛媛県警の裏金問題はWinnyによって暴かれたがどうも関連性が薄く感じてしまう。
「無能なおっさんが未来ある若者を潰す」というメッセージをねじ込んだのではないかと個人的には感じた。
当て書のような役者東出昌大
坦々と流れるストーリー展開で盛りあがりもなく、「で、何?」と言いたくなる作品、全然面白くなかった
Winnyの功罪について考えさせられる
誰かのせいにしたくて僕になった。
2023
87本目
東出さん演じるwinny開発者の金子勇氏。
個人的にかなり良かった。
むしろ怪演だったと感じた。
さて、実話なんだよな。
さわりしか知らない輩で、無罪まで7年かかって…
コレって大々的に報道された??
この映画はwinnyの技術的な部分ではなく、いかに日本が閉鎖的で司法まで影響したかを描いた作品。
ひろゆき氏、ホリエモン氏、、、
日本は新しい物が発明すると、守ってきた物が壊れるのを恐れ衰退した国なのか…
裁判を審議する側がパソコン素人で公平差なんてあったもんじゃない。
また相手は古き良き時代を守ってきた人達…
警察の裏金問題は当時はTVや新聞が信憑性が高いと信じてたから、ウソの表現だと大衆コントロールをしやすかったはず。
現在では無理だろう…?
いや、隠すのか???
映画の内容から、色んな事を考えさせる映画でした。
…
誰かのせいにすればいいってもんじゃ無い。
前向きに今出来る事を最大限やっていくべき。
惜しい人を亡くしちゃった...
わずか42歳で病死したWinnyの作者、金子さん。一説ではビットコインの作者、サトシ・ナカモトではないかとも噂のある方。自分も技術屋として非常に興味がありました。
Winny事件で理不尽に被告人となって、多分、メシよりも好きなプログラム作成を禁じられた金子さんは気の毒としか言いようがなく、日本にとっても大きな損失だったと思います。
冤罪事件でよく描かれることですが、誓約書を書いてほしいとかの警察からの甘言。本当に腹立たしい。「認めたら家に帰したる」みたいな人質司法は本当に許しがたく恐ろしいです。結局は最高裁で無罪。そりゃそうでしょう。ナイフで殺人が起きた時にナイフを作った人を殺人ほう助で起訴したようなものですから。それでも地裁では罰金150万円という有罪判決が出てるのだから驚きます。
彼のような天才プログラマの時間を数年奪ったことは大きいです。劇中の内容を信じるなら彼はAIにも興味を持っていたよう。今の生成AIの隆盛をみると、生きておられたらきっと何らかの貢献をしておられると思います。もし噂の通り、ビットコインの作者であるならば経済の世界にも大きな影響を与えています。
映画としてはWinny事件と並行に愛媛県警の捜査費汚職が描かれています。
Winnyが役立った実例として描きたかったかのかもしれませんが、
正直に言えば愛媛県警の話は不要だと思います。
もっとWinnyそのものと金子さん自身について時間をかけても良かったのではないかなあ。とかく技術の話は難しいと思われがちですが、一技術者としては、その部分をもう少し知りたかったですね。金子さんの残したメールや書き込み、手記などでもっと人柄や考えを知りたかったです。
東出さん、好きになりました
日本のIT進化を10年遅らせた事件
「ナイフを作った人」
2002年、ファイル共有ソフトWinnyを作り、公開した金子勇。しかしそれは著作権侵害に利用され、さらにウイルスが入ってしまったWinnyによって社会問題に発展していく。そのため彼は、社会を混乱させたとして逮捕されてしまう。壇俊光らの弁護士団は、それは不当な逮捕として裁判に挑む。
近年の題材が映画化されたことに好印象、邦画ではあまりこういう作品が少なく、見応えがありました。Winnyは、騒動で知ってるだけでした。確かに悪意を持って作成されたなら、罪に問われてもしょうがない。しかし金子は、「ナイフを作った人」。愛すべき人柄と申し分ない才能があり、裁判で失われた七年という時間は大きな損失。さらに結末を知り、今の日本の遅れにつながってしまったのでは、と悔やまれます。
三浦貴大が良かった、こういう役があってるのかも。裁判傍聴芸人の阿曽山大噴火が目立ちすぎて笑えます。
色々知らない事が多かったので大変興味深かった。面白いとはまた違う作...
奥深い
実話ってことで余計。
違法ソフトで何かをやらかした話?とみる前は思ったけど。
結構尺をとった裁判シーンと弁護士たち。見応えがありました。
包丁を使った殺人事件が起きても、包丁を作った職人が逮捕されることはない
この例えがわかりやすい。
主人公が作ったWinnyが悪いのではない、はず。
「PC小僧」がそのまま大人になった主人公。
みている方は、その振る舞いにイライラする場面もあった、実は。
そこがまた引き込まれる箇所でも。
随所に吉岡秀隆さん演じる、愛媛県警・巡査部長の話もあって。
これが終盤までわからなかった→そっちか!と意外(ここも実話)。
2003年頃の話。エンドロール最後までじっくり。
何事も「時期尚早か、遅かったのか」。みてよかった1作。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「未来の技術者のために」
衛星放送来ました
日本のためにと尽くしてくれた天才に敬意を表する
やっと観にこられた。
実在の天才プログラマー金子勇の映画だ。本当に純粋に人の幸せのためのソフトを開発したが、いつの時代も技術を悪用するヤツはいるものだ。運悪く警察のメンツを保つためのスケープゴートにされてしまった。開発者は悪くないことを証明するために、日本の未来の技術術者のために、裁判で争い続けた。私欲じゃないのだ。
そんな彼のは無罪が確定するまでになんと7年もかかっている。日本人のこの分野の技術と意識の低さを露呈してしまった。この失われた天才の7年間にもしかしたら生み出されたかもしれない技術のことを思わずにはいられない。
最後に語る本人のコメントは、無罪の喜びではなく、若い技術者に向けてのエールだった。
面白かった。
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